ありふれた錬成師とありふれない魔槍兵で世界最強 作:ゴルゴム・オルタ
誤字雑事等のご指導のほどよろしくお願いいたします。
プロローグ 異世界召喚
人々が寝静まる早朝前触れの時間。
俺は自然と目を覚まし、意識を覚醒する。
「また、あの夢か・・・・」
そう呟くと、俺は身支度をはじめ朝食を作るべく台所へ向かった。
台所に着くと、昨晩寝る前に仕込んだ炊飯器の窯を開け、茶碗に白米を注ぐや同じく仕込んでいた鍋の出汁を取り、味噌汁の具を調理する。
傍から見ればごく普通の一般家庭の朝の光景だが、俺の家では違う。
何時ものように一人分の料理を自炊し、何時ものように静かに食べる。
それが俺の日常だ。
朝食を済ませ、登校する前に何時もと欠かさない朝の行事をすますべく、家の一室にある仏壇に線香を差し火を付け、静かに指を添えるのだった。
「今日も行ってきます父さん、母さん」
俺の名は篠崎竜也(しのざきたつや)。
都内の高校に通うごく普通の高校生だ。
敢えて普通と言えない点を挙げるとするなら、両親は2年前旅行先で起きた事故で他界し、天涯孤独であることだ。
世間一般の家庭と違う事とあれば、それぐらいなのだが、その事故が切欠で起きたある体験が始まりとなったのか、常人より霊感が強くなったことである。
俺自身この事に対して気にはしてないが、月に何回か一人で山にキャンプ(ソロキャン)に行くと高確率で霊的な者に遭遇するぐらいである。
最初は色々とあったが、相手先とも友好的な事もあり今を無事に過ごしてる。
話は逸れたが、一応俺には幼い頃からの付き合いもある知人、所謂幼馴染とも言える人物がいるのである。
家を出てすぐ、彼女の姿を見るのであった。
「おはよう、竜也。相変わらず朝が早いわね」
「ああ、おはよう。優花」
俺に声をかけてきた子の名前は、園部優花(そのべゆうか)。
近所付き合いもあり、亡き両親とも交友もある洋食屋の娘だ。
彼女の実家であり洋食屋でもある『ウィステリア』の料理はどれも絶品であり、特にエビフライ定食が俺のお気に入り料理であり、最低でも週一その店で夕飯をご馳走になっている程に美味である。
なお、優花の作るオムライスは最高に美味く、時折ご馳走してくれるのは余談である。
言い忘れていたが、俺の両親は生前居酒屋を経営していた。
両親が他界し実質上閉店となったが、優花の両親の協力もあり、形式上店は維持しているのである。
両親が亡くなった事により、遺産を含む細かい手続きは、両親と親交も深かった常連客であったある人物が管理してくれることになり、一人暮らしをしている。
その人はちょっと所か凄く変わった人であり、御寺の住職の皮を被った拳法家であるが、何かと相談に乗ってくれる頼りになる人であった。
「ねえ、竜也。お願い聞いてもいいかな?」
「なんだ?また接客の手伝いか?」
「うん。竜也の都合がよければなんだけど・・・」
「ああ、任せてくれ」
登校中、傍に寄り添う優花がそう頼んでくると、俺は快く承諾した。
優花の両親には日頃から世話になっている身である以上、俺はそう言った。
そう言っているうちに学校に着き教室に向かうのであった。
教室に着くや先に登校しているクラスメートが俺の姿を見ると、静まり返った。
俺は気にすることもなく自分の席に座るべく移動した。
其処には相席でもある同級生に何かと絡む小者臭漂うクラスメイト、檜山大介他数名がいた。
「げっ。篠崎・・・」
「其処は俺の席だ。邪魔だからどけ」
そう言うと小悪党集団は一目散に立ち去った。
俺の隣席であるクラスメイトに挨拶をすべく話しかけた。
「相変わらず眠そうな顔だな南雲」
「うん・・・おはよう篠崎君」
俺の隣席のクラスメイト、南雲ハジメ。
一見、どこでもいるありふれた男子高校生である。
だが、この同級生はクラスのマドンナ的存在である女子に何故か見初められている。
それもあり、他のクラスメイトから嫉妬と願望の目線を向けられるのであった。
俺自身特に関係ないのであまり関わらないのだが、正直目に余る光景であり、ある意味このクラスの日常でもあった。
それから時間が過ぎ、昼休みになった頃である。
俺が、何時もの自炊した際に作った弁当を食べようと思った時であった。
床下から魔法陣のようなものが教室を包み込んだ。
一瞬の出来事に困惑するクラスメイト達。
俺もその一人であった。
こうして俺の人生を左右する出来事が幕を挙げた
次回の更新は未定ですが、ボチボチやってっきます
ストーリーの展開上若干設定を変えざる負えない為、一部変更させていただきます
(2021/1/08)