ありふれた錬成師とありふれない魔槍兵で世界最強   作:ゴルゴム・オルタ

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本話より第二章が始まります。
予定ではライセン大迷宮攻略までとなります。



第二章
残念なウサギ


眩い閃光が収まり、目を開けると其処は洞窟の中であった。

 

「・・・・なんでさ」

 

ぽつり呟くようにハジメがそう言った。

其れもそうだ。

折角地上に戻れたかと思ったら洞窟の中であったため、肩透かしを食らったも同然だ。

考えても仕方ないと思い、俺達は洞窟の先を進むことにした。

考えてみてもそうだ。

反逆者と言われた隠れ家に簡単に辿り着けるはずも無い。

仮に地上に召喚陣が有っても、経年の劣化で発動しないのであれば本末転倒だ。

それを隠す為、手頃な洞窟に隠したんだろう。

洞窟を進むと行き止まりに突き当たった。

壁を見ると、オスカーの隠れ家で見つけた紋章が彫られた指輪と同じ形をしているのを見つけた。

まさかと思いそれに合わせるようにかざすと、壁と思われていた物が扉のように左右に別れ、光が差し込み、念願の地上に舞い戻る事が出来た。

 

「久しぶりの・・・・地上の光だ!!」

「やったぞコンチキショウ!!!!!!」

 

俺とハジメはそう叫ぶのあった。

コハクとユエも背筋を伸ばし、何百年振りとなる日の光を浴び頬を喜ばしていた。

そう俺達は地上に帰ってきたのだ。

喜ばずには居られなかった。

そんな光景に空気を読まない者達がいた。

俺達の声に連れられて集まった魔物達だ。

折角苦労して地上に戻ってこられたのにも関わらず、其れなどお構いなしに寄って集まってくるのであった。

オスカーの隠れ家で調べたが、どうやら此処は『ライセン大峡谷』だそうだ。

魔法使いにとっては鬼門であり、発動した魔法に込められた魔力が分解され散らされてしまう場所でもある。

魔法を使うには分解される以上の魔力を練らなければならないらしい。

俺達の声に反応したのか魔物は群れを連れてやって来た。

当然俺達は戦闘態勢に入るのであった。

ハジメは、新たに造ったドンナー&シュラークを両手に持ち、試し撃ちと言わんばかりに独自で身に着けたガン=カタで群がる魔物を撃ち殺していく。

 

新装備はハジメだけではなく、コハクもそうだ。

ハジメに頼み、コハク専用のアーティファクトを精製してもらった。

その名も『飛行甲板』だ。

コハクは式神と呼ばれる紙を作り、飛ばすことで遠距離攻撃を行うスタイルだ。

それに目を付けたハジメと俺が、コハクに合うアーティファクトを造り戦闘力向上を考えた。

コハク自身アーティファクトに関し半信半疑ではあったが、いざ使ってみると思いのほか馴染むのであった。

此れまで指先に挟んで飛ばしていた式神は、飛行甲板と言うアーティファクトから飛び立つのであった。

其れだけでなく、式神も改良し形状を変えていた。

此れまでの式神は蒼い炎を纏った十字状の紙であったが、俺のアイデアで戦闘機の形を纏った形態となった。

大きさはラジコンやプラモデルぐらいであり、魔力次第では実物大の大きさに出来るらしい。

 

そのアイデア由来は、元居た世界の商店街で模型店『キティホーク』を経営する店長さんによる知識からくる。

この店長さんは、元航空自衛官の戦闘機のパイロットであり、退官後に退職金で模型店を経営し始めた。

店長さんは、ジェット機よりもレシプロ機が好きであり、第二次世界大戦時の中で太平洋戦争時の旧日本海軍の戦闘機マニアである。

商店街の付き合いで、店長さんから耳にタコができるぐらい話を聞いたのは余談である。

その知識を生かし俺は、コハクの式神を改良した『零式神』となるのであった。

形状は、蒼い炎を纏った零式艦上戦闘機『ゼロ戦』となった式神である。

云わば、コハクは此れまでの式神を放つだけでなく、ゼロ戦型の式神を放つ空母となり、索敵や偵察だけでなく遠距離攻撃も可能となったのだ。

最も、ゼロ戦だけでなく状況に応じ『彗星』や『流星』の艦上爆撃機を射出する事も出来るようになった。

 

「さて、久しぶりの地上での戦いだ。楽しませてもらうぞ」

 

コハクはそう言うと、体の右脇に飛行甲板を展開すると、『零式神』『彗星』『流星』を射出し展開するや魔物達に強襲を仕掛けるのであった。

結果は言うまでも無く圧勝となった。

黒焦げ処か消し炭となった魔物に対しコハクは不完全燃焼気味であった。

俺も何体か倒したが、奈落の魔物に対し地上の魔物は弱く感じた。

魔法使いの鬼門とされる場所で難無く、そんな中で魔法を展開できるユエとコハクの規格外の魔力量を思い知るのであった。

周辺の安全を確保した俺達4人は移動を開始するのであった。

ライセン大峡谷で大迷宮の探索も考えたが、とりあえず町がある方角に進むことが決まった。

その為には、『ハルツィナ樹海』を抜けなければならない。

ハジメの宝物庫から移動手段となる乗り物である魔力駆動二輪『シュタイフ』を取り出し、それぞれ搭乗する事にした。

魔力駆動二輪とはハジメが作ったバイク型のアーティファクトであり、地球のバイクと違い燃料の代わりに搭乗者の魔力で動く構造となっており、速度調整は搭乗者の魔力で調整する事が出来る代物だ。

因みに俺が乗る魔力駆動二輪はハーレータイプである。

理由を聞いたら、何となく竜也に似合いそうだからだそうだ。

ハーレータイプのバイクは割と好きである為、結構良かったりする。

コハクは俺の後ろ腰に手を回すと、しがみつくように乗りバイクを走らせるのであった。

 

暫く走らせていると、前方から何かが近づいてくるのが見えてきた。

何やら頭が二つあるティラノサウルス擬きの魔物が雄叫びを上げながら走ってきている。

だが、注目すべきところは其処では無くその真下だ。

その足元にはピョンピョン跳ねながら走り回り、半泣き状態で逃げ惑うウサミミを生やした少女だ。

遠目で見ても整った容姿で白髪碧眼の美少女である。

 

「あの娘、兎人族か・・・」

 

コハクが呟くようにそう言った。

兎人族とはその名の通りウサギの耳と尻尾を生やした亜人の事である。

この世界での住処はハルツィナ樹海であり、ライセン大峡谷ではない筈だ。

何故こんな所にいるのか考えていると、俺達に気が付いたのか方向転換してこちらに走って来るのであった。

 

「助けてくださ~い!!おねがいしますぅ~!!」

「グルアアアアアアアア!!!!!」

 

逃がさんとばかりに魔物は咆哮を上げた。

そんな様子を見て溜息を吐くとハジメは、ドンナーを片手に構えると魔物に向け発砲するのであった。

魔物は頭から崩れ落ちるように倒れ込み、ウサミミ少女はその光景に困惑するのであった。

俺とコハクはハジメが倒した魔物に近寄り、毛皮や牙、爪をはぎ取る解体作業を始めた。

折角仕留めた魔物なのだから食べずに捨てるのはもったいない。

切り取った肉と素材を宝物庫に仕舞うと、バイクに乗り移動を再開しようと思っていた時であった。

さっきまで困惑していたウサミミ少女がハジメにしがみつくとこう言ってきた。

 

「先程は助けて頂きありがとうございます!!お願いします!!私の一族を助けてください!!」

「断る」

 

少女の渾身の願いを即答で断るハジメであった。

まあ、そんなことは概ね予想できたが。

何故、見ず知らずの兎人族を助けなければならないのか。

助けた所で俺達に何の得があるのか。

それを言われたウサミミ少女は言葉に詰まった。

 

「そう言う事だ、じゃあな」

 

ハジメはその少女にそう言うと、背を向け去ろうとする。

だが、そのウサミミ少女はハジメの腰目掛けてタックルするかのようにしがみ付いてきた。

 

「お願いします!!話を聞いてください!!」

 

ものすごく嫌そうな顔をしてハジメはその少女と再び顔を合わせた。

下手したら先程の魔物同様に撃ち殺さんと言わんばかりの剣幕でだ。

そんな様子を見ていたのか、意外にもユエの方から助け舟がやってきた。

 

「ハジメ、話だけでも聞こう。この子の様子がおかしい・・・」

「・・・・わかった。聞くだけだからな」

 

俺達はその少女から話を聞く事となった。

 

彼女達兎人族、別名『ハウリア族』は亜人国『フェアベルゲン』で平穏に暮らしていたそうだ。

そんな中、亜人族には無いはずの魔力を有し、直接魔力を操る術と、とある固有魔法が使える少女が生まれた。

それが彼女らしく、一族は困惑しこの事を他の亜人族に知られないように秘匿するようになった。

だがある日を境にそれが知られてしまい、ハウリア一族は樹海から追放されることとなった。

魔力を操れる亜人など魔物と変わらないと言うのが亜人族の考えらしい。

なまじ力を持つゆえに迫害されるのは、何処の世界も同じであるのを俺は認識した。

住む場所を追われたハウリア一族は、北の山脈地帯を目指し其処で住むことを考えたが、その目論見は潰えた。

運悪く帝国に発見され、奴隷として一族の半数は捕まってしまったそうだ。

人間の魔の手から逃れるために南に逃げ、ライセン大峡谷にたどり着いた彼等は其処でひっそりと暮らすようになった。

だがそこでも魔物がハウリア一族を襲い再び窮地に陥るのであった。

魔物に喰われるか人間の奴隷になるかで一族は滅亡の危機に晒されている。

 

「お願いです!!私たちの家族を、助けてください!!」

 

涙目で訴える彼女に対し、ハジメは無情にも「断る」と再び即答するのであった。

そんな光景に流石の俺もややドン引きであった。

ハジメの素っ気無い態度に少女は涙目で抗議の声を上げた。

 

「何でですか!!こんな美少女のお願いを断るなんて!!」

「自分で美少女とか言うな。話を聞く限り厄介事しかねえだろうが」

「お願いです!!お礼なら何でもしますから!!」

 

日本にいるオタクと呼ばれる大きなお友達が聞いたら大喜びしそうな事を平然と言い放つが、ハジメは我関せずであった。

 

「頼むなら俺じゃなくてあっちに言え」

「ふえ?」

 

ハジメが指さした方向には俺達がいた。

あいつ、面倒事を俺に振りやがったな。

ウサミミ少女は標的を俺に変えて迫って来るのであった。

 

「あの、お願いs・・・」

「断る」

「なんで貴方もですか!!ウサミミより狐耳さんがいいんですか!!」

 

どうやらこのウサミミ少女は隣にいるコハクを見て、俺の事を狐耳好きと認識したらしい。

まあ実際そうなのだが、断るのには理由がある。

それはハジメ同様で厄介事に自分から首を突っ込みたくないのと、俺自身ウサギに対して若干トラウマを持っているからだ。

 

「生憎な、俺が知ってるウサギはな、語尾にピョンピョン言って槍を振り回して戦うだけでなく、挙句の果てに『バニーストライク!!』と言って槍を投擲する存在なんだよ」

「それ絶対ウサギさんじゃないです!!ウサギさんの皮を被った別物です!!」

 

それを聞いたハジメは「それお前のお師匠さんだろ」と呟いていた。

だが、此処で再び彼女に助け船が来た。

 

「娘、お前の使える固有魔法とはなんだ」

 

以外にも沈黙を保っていたコハクがその少女に話しかけるのであった。

ウサミミ少女は驚くも自身の固有魔法について話すのであった。

彼女の持つ固有魔法、それは『未来視』と呼ばれ、仮定した未来が見えるものである。

例えば自身に危険が迫ってくる際に自動で発動し危機を回避する事が出来るらしい。

任意で使えば莫大な魔力を消費するが、直接・間接に問わずに彼女に危険が迫った時に発動するものだそうだ。

それを使い、自身を救ってくれる存在の位置を特定し、ライセン大峡谷を彷徨っていたそうだ。

 

「なるほどな。ハジメ、この娘を連れていくぞ」

「何!?正気かよ」

「どの道樹海の案内は必要だ。」

「・・・・・」

 

コハクはハジメにそう提案するもやや乗り気で無い様だった。

其処に俺が言葉を増やし納得させるのであった。

樹海は亜人族以外で無いと必ず迷うとさえ言われている。

道案内が居れば心強い物は無い。

 

「・・・・分かった。おい残念ウサギ。お前等に樹海の案内をしてもらう。」

「はいです!!!まっかせて下さい!!!」

 

泣いたり喜んだりと感情の起伏が激しい少女だ。

そう俺は思ったのだった。

そういえば自己紹介をしていなかった事に気が付いた。

 

「改めまして皆さん、私はシア・ハウリア、兎人族ハウリアの長の娘です!!」

「俺はハジメ。南雲ハジメだ」

「ユエ・・・・」

「ハジメさんとユエさんですね。そちらの方は?」

「篠崎竜也だ。タツヤで良い」

「コハクだ・・・精々務めを果たせ娘」

 

こうして、俺達4人はライセン大峡谷にてシア・ハウリアとの会合を果たすのであった。

 

俺とコハクはそのままだが、シアはハジメとユエの3人乗りでバイクに乗った。

バイクの席順だが、ハジメを挟むように前にユエが座り、シアが後ろに跨る感じである

最初はバイクに驚くシアであったが、段々慣れて来たのかハジメの背中に抱き着いてはしゃいでいたりする。

この時、ハジメの背中にはシアの凶器が当たっており何とも言えない表情をしていた。

それを横目で見ていたコハクは何となく理解したのか、俺の背中にある物を押し付けてくるのであった。

日が高いうちに何をしてんだよ言いたかったが、まんざらでもない感じであった。

 

「ハジメさん、もうすぐ父様達がいる場所です!!」

「分かったから耳元で怒鳴るな!!」

 

俺達の目の前には、今まさに魔物の襲撃を受けている数十人の兎人族達がいた。

シアの話だとあの魔物の名前はハイベリアと言うらしい。

それを見たコハクは零式神を放ち、ハイベリアと呼ばれるワイバーン擬きを迎撃するのであった。

霊式神から放たれる蒼い炎に成す術も無く魔物達は地に堕ちていくのであった。

突然の出来事に何が何だかわからず、立ち竦む兎人族達であった。

そんな中、彼らにとって聞きなれた声が渓谷に木霊するのであった。

 

「父様~!!みんな~!!助けを呼んできましたよぉ~!!」

 

シアは喜びのあまり後部座席から立ち上がり手を振るのであった。

小刻みに跳ねるたびにハジメの後頭部に、シアの柔らかくて大きい胸部装甲が直撃し衝撃を与えるのであった。

初めて会った時からそうだが、唯でさえシアの服装はきわどい物である。

最早服と言うより下着に近いほど肌の露出が多いぐらいである。

当の本人であるハジメは何とも言えない顔となっていた。

兎人族達の目の前まで行き、そこでバイクを停車させた。

 

「シア!無事だったか」

「はいです父様!!」

 

濃紺の短髪で初老の男性ではあるが、頭にはウサミミを生やしている。

ウサミミのおっさんとか誰も得しない為、俺達は敢えて目を逸らすのだった。

シアから事情を聴いたのかその男性は俺達の前に立ち向き合うのであった。

 

「ハジメ殿にタツヤ殿でしたか?私はカム。シアの父にしてハウリア一族の族長をしております。我が一族の窮地をお助け頂き、族長として深く感謝致します」

「一応礼は受け取っておく。樹海の案内と引き換えだ。てか随分とあっさり人間の俺達を信じるんだな」

「それはシアが信じる方々ですし、我らも信頼しなくて恩を返せませんから」

 

ハジメはまあいいと言うと、ライセン大峡谷から脱出できる場所を目指し歩き出すのであった。

現在、ハウリア一族は四十数人である。

中には幼い子供や女性もいる。

ぞろぞろ歩いて移動していればそれを狙ってやってくる魔物が来るわけだ。

彼らに危害が及ばない為に俺達が護衛として同行するのであった。

暫く歩いていると、岸壁に沿って壁を削って作ったのであろう中々に立派な階段が見えてきた。

この辺までくれば魔物の襲撃も無く、やや長いが階段を上っていくのであった。

階段のある岸壁の先には樹海も薄らと見え、歩いて半日足らずで樹海の入り口の様である。

長い階段を上り終えると、岸壁で野営をしている人影が見えてきた。

恰好から見ると帝国兵の様である。

恐らくシア達兎人族を追ってやって来たのだろう。

だが、全くの無警戒で此方には気が付いていないようであった。

 

「ハジメ、コハク。これからする事は分かっているな?」

「ああ、帝国だろうと敵対するなら潰すまでだ。」

「私はどちらにしろ殺すことに変わりない」

「ユエ、念の為にシア達の護衛に就いててくれ」

「・・・わかった」

 

俺は指示を出すと、連中に向け歩いていく。

どうやら帝国兵も俺達に気が付いたのか、此方を見て動き出してきた。

その後方にはシア達を見て、俺達を奴隷商人か何かと思い近寄ってきた。

 

「兎人族の連中、まだ生き残っていやがったとはな」

「奴隷商人にしちゃ若いがガキかありゃあ?」

「女は殺さすな、男はまあ多少やっても良いがな」

「兎人族だけじゃねえぞ、狐の亜人・・・しかも白髪と来た!!」

 

どうやら連中はコハクの事を奴隷と勘違いしているようだ。

下心丸出しで下種な眼差しに不快感を感じた。

此れで連中を殺す理由が一つ増えたものだ。

 

「渓谷からはるばるご苦労なこった、そいつら全員帝国で引き取らせてもらう」

「・・・いくらだ?」

「代金か?それなら払うぜ言い値でな」

「金ならいい。それとは別の物で払ってもらう」

「おいおい、本当に商人かお前?金以外何があるんだよ」

 

俺は余りに無警戒過ぎる男の前に槍を出すと、心臓を目掛けて深々と刺すのであった。

男は自分が何をされたのか分からず声を上げずに絶命した。

余りの事態に帝国兵もシア達も唖然としていた。

 

「代金は・・・・お前たちの命だ」

 

俺は男から槍を引き抜くと、そう言い放った。

男は自分が死んだことも分からずその場に崩れ落ちるように倒れこんだ。

その光景に帝国兵達は状況をようやく理解したのか武器を手に迫ってきた。

誰が言ったか分からないが「やっちまえ!!」と典型的な小物染みた台詞を叫び戦闘態勢に入った。

5人ほどいたが、ハジメがドンナーで撃ち殺し、コハクが刀で首を斬り物言わぬ死体にした。

残った一人は完全に及び腰であった。

俺はそいつの前に立ち、他の兎人族の行方を聞くことにした。

 

「他の兎人族はどこだ?」

「それなら・・・・帝国に移送済みだ・・・・」

「そうか・・・・」

「い、嫌だ。し、死にたくない。た、助けてくれ!!」

「・・・・・・」

「金なら払う!!だから!!」

「もういい、死ね」

 

俺はそいつの心臓目掛けて槍と突き刺した。

一瞬で絶命し、槍を引き抜くと血を払いその場を後にした。

元居た世界では殺人は完全にご法度だが、不思議と何も感じなかった。

連中はシア達だけでなくコハクまで手を出そうとしていた。

家族を大切な者に害をなす連中から守るために力を振るう。

ただそれだけだ。

コハクは兎も角、ハジメも同じ感じであったらしい。

もっとも無差別殺人などする気も起きないが。

余りの光景にシア達は絶句していたが、俺はこう言い放った。

 

「平和主義で温厚なのもいいが、それだけじゃ大事な者は守れはしない」

「タツヤ殿・・・・」

「アンタらがどう思うと勝手だが、弱い奴は真っ先に死ぬ。覚えておけ」

 

そう言い放つと俺は、帝国兵が使用していた馬車を見つけ、それを兎人族の移動手段にする事に決めた。

女子供、老人を優先で荷馬車に乗せ、男は馬に乗る者と分けて樹海に向け移動を開始した。

帝国兵の死体は、俺のルーン魔術とコハクの蒼炎で火葬し灰にしてやった。

こうして俺達一行はライセン大峡谷を後にし、ハルツィナ樹海に向け進むのであった。

 




最近、アズールレーンの建造で戦艦の加賀さんをお迎えする事が出来ました。
欲を言うなら天城さんと土佐も欲しいぐらいです。
あとはひたすら3-4周回で一航戦を得るまでです。
小説の執筆も兼ねて頑張っていきます
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