ありふれた錬成師とありふれない魔槍兵で世界最強 作:ゴルゴム・オルタ
タグなのですが、物語の進展と合わせ追加していこうと思います。
理由としては、タグの項目次第でネタバレになるからです。
何卒ご了承ください
異世界トータスに召喚された俺達は、この世界の戦争に参加する事となってしまった。
まず、教皇の案内で教会の麓にあるハイリヒ王国へと向かうことになった。
ハイリヒ王国と教会は親密な関係であり、こういう事態も想定内だそうだ。
教会があるのは神山という山の頂上であるのが分かった。
外に出ると其処には都会ではまず見られない大自然の神秘的な光景が広がり、クラスメイトは感嘆していた。
これで此処が異世界であるのを再認識することになった。
俺達は教皇の案内と紹介の下、ハイリヒ王国へ向かうことになった。
道中なにやらロープウェイのような物で神山を下山した。
麓まで来ると、其処にはこの世界の住民らしき人達が大勢いて、なにやら大歓迎ムードであった。
そのまま国王の住む居城へ足を進めた。
王宮に着くと、国王の玉座へと案内された。
それから話が進み、俺達は王国の保護下で来るべき戦いに備え、力を蓄えるべく明日からでも訓練が開始されることになった。
なんと生活はすべて、王宮で衣食住が保証される事となる破格の待遇であった。
その後、王宮で俺達の歓迎を兼ねた晩餐会が開かれた。
目の前にある異世界料理に興味を持ち、警戒しつつもしっかりと堪能することにした。
流石は王宮で出される料理もあって非常に美味かった。
横目で見ると、料理屋の娘としての本能なのか、優花が料理長らしき人物と楽しく談笑していた。
晩餐会が終わり、各自に一室ずつ与えられた部屋に案内された。
慣れない部屋で多少違和感を感じたが、これは慣れるしかないと思った。
「例え異世界であっても必ず生き抜いてやるさ」
俺はそう言うと、静かに目を閉じ眠ることにした。
翌日、早速訓練と座学が始まった。
俺達の教育係であり教官となる王国騎士団長であるメルド・ロギンスという人物から説明を受ける事になった。
そして、全員にステータスプレートと呼ばれる銀色のプレートが配られた。
なんでも、文字通り、自身の能力を数値化で示してくれるそうだ。
同時にこの世界での身分証明書にもなるという優れものだ。
尚、このステータスプレートなるものだが、アーティファクトと呼ばれる現代では再現できない強力な力を持った魔法の道具だそうだ。
ステータスプレートを起動する手順を習った俺達は、習った通り起動させた。
スマホの画面のように光が現れ、そこに俺自身のステータスが表記されるのであった。
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篠崎竜也 17歳 男 レベル1
天職 ■■■■■■■
筋力:120
体力:140
耐性:90
敏捷:200
魔力:150
魔耐:80
技能:言語理解・魔力放出・■■■■・■■■■■・■■■・■■■■■■
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「・・・なんだこれ?」
ステータスプレートに表示された俺自身のステータスに思わず声を溢れた。
天職が黒字で伏せており全くわからない。
筋力・体力・魔力はそこそこあり、俊敏は異様に高く、耐性と魔耐が少し低い。
おまけに技能は、言語理解・魔力放出以外あるが、天職同様全くわからない。
ある程度レベルを上げていくと天職が判明され、技能が解放されていくのだろうか?
天職とやらが分からない以上、何をすればいいのか全く見当がつかないのである。
ステータスを見るからには、スピードを生かした職業か何かだけは概ね想像できた。
隣にいる南雲のステータスプレートを見ると、天職が錬成師で能力がオール10、技能が錬成と言語理解であった。
当の南雲はがっくり来ていたそうだ。
だが、南雲は俺と違い天職が分かっている事が少しだけ羨ましかった。
分かっているのと分かっていないのでは、何を目標とするべきかで大きな差が出るからだ。
メルド団長の説明は続き、レベルは各ステータスの上昇と共に上がり上限は100だそうだ。
次に天職とは才能の事であり、技能と連動し、その天職の領分においては無類の才能を発揮する事のようだ。
尚、天職には戦闘系天職と非戦系天職に分類され、戦闘系天職持ちは数が少なく重宝され、非戦系天職は百人に一人、又は十人に一人居るというのも珍しくはないそうだ。
因みに、天之河は天職勇者でステータスは見事にオール100、技能もそれに見合った物が揃っていたそうだ。
そして、畑山先生に至っては、非戦系天職の作農師で能力はそこまで高くないが、技能だけでも見ると14もあるのであった。
「さて、各自ステータスは把握したな。これより各天職に見合った装備を選んでもらう。何せお前達は救国の勇者御一行だからな、国の宝物庫大開放だ!」
団長がそう言うと、一同は城の宝物庫へ移動を開始する。
俺は敢えて最後尾に行きメルド団長に近寄ると、自身のステータスプレートの事を相談するのであった。
「団長、少しいいでしょうか?」
「なんだ?どうかしたのか?」
「はい、自分のステータスプレートなのですが・・・」
そう言うとステータスプレートを出し、異常が無いか検証してもらうことにした。
だが、結果はどこも異常は無いといわれた。
「ふむ・・・俺もステータスプレートでこういった表示を示されるのは初めて見るな・・・・」
「そうなんですか?」
「ああ、ステータスだけで見ると、能力は勇者並か同等、そう考えると天職は恐らく戦闘系天職だろうな」
「なるほど・・・・」
「なあに、気にするな!!訓練を積んでレベルを上げれば、その内分かる!!心配するな!!」
何とも豪胆な性格で、非常に気楽な喋り方をする人だろうか。
胡散臭さの塊である教皇イシュタルよりも、俺はこう言った人の方が遥かに信頼できる。
こう言う人物は嫌いではない。
それから俺は遅れながらも宝物庫に行き、装備を選ぶ事にした。
まず装備する防具は軽装に決め、薄着で動きやすい軽い服、両肩と両腕、腰回りと両足に軽い金属性の鎧を装着した。
そして、肝心の獲物となる武器だが、迷わず槍にする事にした。
理由としては、至ってシンプルで非常に馴染むからだ。
昔、師匠に指摘されたのだが、俺は剣より槍の方が向いていると言われ、槍に鞍替えした結果、それ以降槍一筋でやってきた。
元居た世界でも、ソロキャンプで野生の猪に遭遇し、仕留める際に使用した武器も槍である。
槍の項目の武器で探していると、目に入った物があった。
技能の言語理解で、この世界の文字をこちら側の世界の文字で翻訳すると、その槍の名前が分かった。
『魔獣殺しの槍』
俺は吸い込まれるようにその槍を手にすると、意外と手に馴染む感触を覚え、その槍を自分自身の獲物にする事に決めた。
クラスメイトが各自装備を整えたのか、訓練場に移動しそれぞれに合った訓練を開始するのであった。
次回『錬成師の鍛錬』
乞うご期待ください