竜の群を束ねる女王がドラゴンより弱いとでも思ったか   作:Amur

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深淵を覗きし者

 竜王国――

 

 

 魔法省の中心に『深淵の塔』と呼ばれる建造物がある。

 ここは第八位階魔法に到達した大魔法詠唱者の住居。

 主の名は“深淵を覗きし者”フールーダ・パラダイン。

 

 竜王国女王ドラウディロンと老魔法使いは先日まで滞在していたスレイン法国での顛末を振り返っていた。

 

「感無量です。儂は……儂はついに魔法の深淵を覗いた」

 

「私も神官長たちの説得に骨を折った甲斐がある。とうとう到達したな、フールーダ」

 

「すべては女王陛下のご尽力のおかげです。まさか法国が他国の魔法詠唱者に協力してくれるとは思いませんでした」

 

「あの国とは持ちつ持たれつだからな。私も普段から人類の脅威への討伐作戦などに協力している」

 

 ドラウディロンがスレイン法国上層部に頼み込むことで、ようやく実現した大儀式。フールーダは多数の上位魔法使いによるバックアップによって、極めて限定的だが第十位階魔法の領域に踏み込んだ。

 そのときの魔法爺の発狂ぶりは凄まじいものだったが、ここでは詳細は割愛する。

 

「ですがまだ深淵のほんの入り口……魔法の探究に終わりはありませぬ」

 

「その通りだ。これからも我が国は全力で支援させてもらうぞ」

 

「なんと有難いお言葉……このフールーダ、改めて絶対の忠誠を誓います」

 

 帝国への忠誠はどうしたと突っ込みを入れる者も不在の中、女王は満足気に頷く。

 

 ――なんとか間に合ったといったところか。これで、第十位階魔法を使える者にフールーダが出会っても、それは神との邂逅ではなくなった。独力でないとはいえ、自身も同じ領域に到達したのだから。まあ、法国で第11位階と呼ばれる超位魔法もあるが、あれは無理だろう。位階魔法とは別枠と考えた方がよさそうだ。

 

 

 儀式魔法の組み合わせで寿命を延ばしていたフールーダだが、第六位階では不老の魔法は完全な発動が出来なかった。だが、個人として第八位階に到達したことで、完璧な不老化が成功して寿命の問題がなくなっている。それに加えて大儀式により第十位階魔法の一端に触れた。

 これらにより、フールーダはここ100年で最も満ち足りた顔をしていた。

 

「たまにはジルの顔でも見に行ってやりますかな」

 

 魔法の探究に心配事がなくなったが故の、余裕の台詞である。

 この男、人材交流で竜王国にやって来てから3年以上もバハルス帝国に帰っていない。

 当然ながら、何度も皇帝の帰還命令は来ているのだが、すべて本人が無視していた。

 

 ――ちょっと、ジルクニフが可哀想になってきたな。いや、でもフールーダがここまで高みに上ったのは帝国にとっても嬉しいことだろうし……。

 

 さすがに帝国皇帝が不憫になってきた女王。今度、栄養ドリンク的なものでも送ってやろうかと考えている。

 

「私は魔法省の様子を見てくる。お前に任せた弟子たちの成長具合が気になるのでな」

 

「おお、あの娘たちですか。二人とも素晴らしい才能ですな。昔の儂なら嫉妬しておりました」

 

 ほっほっほと余裕の笑いを零す魔法爺。

 

「はじめはスケルトンにも怯えていましたが、今では二人でエルダーリッチ程度なら余裕で倒せますぞ。女王陛下に教わった訓練方法は素晴らしいですな」

 

「その言い方だと、私が10歳ちょっとの子供もアンデッドと戦わせるかのような誤解を招くだろ」

 

「え?」

 

「おい……?」

 

 ゴホン、ゴホンと咳払いをするフールーダ。

 

「まあ、それはともかく。二人のところには儂が案内しましょう」

 

「誤魔化したな……」

 

 

ーーーー

 

 

 竜王国魔法省の広い廊下を会話しながら歩く二人。

 

「二人ともよく学んでいるのですが、アルシェの方が最近、伸び悩んでいるようでしてな」

 

 ――たしか、アルシェは第三位階でほぼ成長の限界らしいが、どんな手段を使っても才能以上に魔法を習得できないものなのか? ドワーフのゴンドは総合レベルの限界が11でそれ以上の成長はできないと予想されていたが……。

 

 女王はフールーダをチラリと見て考える。

 

 ――この爺さんは独力で逸脱者になった超人。寿命でも執念でも常人とは違う。同じように考えない方がいいか。普通の人間の限界とは成長速度と寿命の問題か? それとも世界に定められた壁があるのか。魔法使いではないが、ブレインは限界を超えたような描写があったが……。

 

 ドラウディロンが考え込みながら歩いていると研究室に到着した。

 竜王国魔法省の各部屋には通常の入り口以外に、大扉が取り付けられている。大型の物資を運び入れる時に使ったり、人間用の入り口では小さすぎる者が通るためだ。

 

 フールーダが中を確認するために入室すると、その姿に気が付くものがあった。

 

「これは我が師。ようこそおいでくださいました!」

 

 出迎えたのは一匹の霜の竜(フロスト・ドラゴン)。人材交流として帝国で数年ほど学んでいたヘジンマールだ。大扉を設置することになった原因の一人でもある。

 元々、同族の中でも変わったドラゴンだったが、人間国家で学んだことで特異な成長を遂げている。通常は種族レベルの方が高くなる竜種には珍しく、職業レベルの方が高くなっているのだ。

 レベルが視覚化できないため、当然ながら本人は気づいていない。

 

「ヘジンマールよ。魔法の探究は続けておるか?」

 

「もちろんです。今では第四位階魔法を行使できるようになりました」

 

「ほう! 評議国の青空の竜王(ブルースカイ・ドラゴンロード)が第五位階の信仰系魔法詠唱者だ。100歳程度の若い竜でそこまで達するとは素晴らしいぞ」

 

「ありがとうございます。元から身体を鍛えるよりも知識を蓄える方が好きなので、魔法は向いていたのだと思います。とはいえ、流石に竜王の方々と比較されるのは心苦しいですが」

 

アーグランド評議国の永久評議員、スヴェリアー=マイロンシルクは魔法こそ第五位階止まりだが、肉体能力と合わせた難度は200以上とも目される大陸でも最高クラスの強者である。

 

「第四位階とはやるじゃないか、ヘジンマール」

 

「女王陛下! お久しぶりでございます」

 

「ああ、久しぶり。弟子のドラゴンたちはどうだ?」

 

「順調です。最初の目標だった<伝言(メッセージ)>の魔法を覚えた者はそれなりにいます」

 

「おお、いいぞ。私はあれが使えないから助かる」

 

「女王様は戦闘力に全振りですからね」

 

「それだと私が脳筋みたいじゃないか」

 

「え……あ、そうです……ね」

 

 ヘジンマールが中心になり、位階魔法を覚える竜族が増えてきた。

 いずれはドラゴンによる高位魔法詠唱者の部隊を作ろうと画策しているドラウディロン。

 

「ところで、ニニャとアルシェがどこにいるか知らないか?」

 

「あの二人なら研究が一段落したので、休憩室にいると思います」

 

 

ーーーー

 

 

 二人の少女が魔法省の一室で雑談していた。

 

 一人は短めの茶髪と青い瞳のボーイッシュな少女。

 彼女はニニャ。これは偽名であり、本名はセリーシア・ベイロンという。

 ニニャという名は貴族に攫われた姉を忘れないという、彼女にとって覚悟の象徴。いまでは女王に受けた恩を返すという強い思いからその名を使用している。

 

 もう一人は金髪の艶やかな髪をした気品のある少女。年はニニャと同じか、少し下くらいだろう。

 彼女はアルシェ・イーブ・リイル・フルト。

 名前からわかる通り、かつてはバハルス帝国の貴族だった。

 

 

「聞きましたよ。先日、アルシェの実家が貴族位を剥奪されたそうじゃないですか」

 

「――予想出来ていたこと。妹たちは一緒に竜王国に連れてきているから問題はない」

 

「両親は移住してこないのですか?」

 

「――おそらく、帝都から離れないと思う。常識の範囲でなら仕送りはするが、貴族並みの生活を送るのは諦めてもらう」

 

「甘やかさなくてもよいのでは? 貴族様なら自分たちでどうとでもするでしょう――おっと、元貴族でしたね」

 

 ニニャが悪い顔で笑う。

 

「――ニニャは相変わらず貴族に厳しい」

 

「違いますよ。私が嫌いなのはクズだけです。ただ、貴族にそんなやつが多過ぎるから結果的に嫌っているように見えるんです」

 

「両親は皇帝が求める能力がなかっただけで、外道ではない」

 

「無能な支配者はそれだけで民にとっての害悪です。あなたの両親の話を聞いていると、鮮血帝の采配は間違っていなかったと思いますね」

 

「――それは否定しない。大改革によってバハルス帝国は繁栄の道を歩んでいる。皇帝のやり方が正しかったという証拠」

 

「さすがに鮮血帝はリ・エスティーゼ王国の国王とは違う。あの皇帝は私の尊敬できる支配者ランキングでドラウディロン様の次くらいに位置しています」

 

 多くのクズ貴族を粛清したジルクニフはニニャからの評価がやたら高かった。反対に貴族に手が出せないランポッサⅢ世の評価は非常に低い。

 当然、その根幹にあるのは姉であるツアレへの王国貴族による非道な扱いだ。

 

「……まあ、今では共にフールーダ様の弟子です。もし、困ったことがあるなら言ってください。私にできることなら力になりますよ。私は……姉弟子ですから」

 

 少し顔を赤くしながら妹弟子を心配するニニャ。

 

「――ありがとう」

 

 ニニャがアルシェにツンデレをしていると、フールーダを伴ったドラウディロンがやって来た。

 

「ニニャ、アルシェ。久しぶりだな」

 

「女王陛下!」

 

 風のように駆け寄るニニャ。

 

「フールーダに聞いたぞ。二人とも私の期待通りに成長しているようだな」

 

「すべては女王様のおかげです! 豚貴族を始末して姉さんを救ってくれた上、こんな最高の環境で学ばせていただけるなど、感謝しかありません」

 

「お前たち姉妹をこの国に誘ったのは私だが、豚貴族を始末したのは義憤に駆られたどこかの冒険者だろう?」

 

「おっと、そうでした。申し訳ありません」

 

 にんまりと笑いながら詫びるニニャ。

 

「話は変わりますが、女王様がリ・エスティーゼ王国を叩き潰すときは、私も軍の末席に加えていただきたいです。愚かな貴族を根絶やしにしてみせますので」

 

「お前それ、他の者の前で言うなよ。明らかに危険人物だぞ」

 

「承知しております」

 

 基本的な貴族嫌いが変わっていないニニャには際どい発言も多かった。とはいえ、気心の知れた者の前でしか本音を漏らさない程度の分別はある。

 

「そもそも、今のところ我が国が王国と戦争する予定はない」

 

「そうですか……。王国民にとって女王陛下に支配していただくほど幸せなことはないというのに」

 

 ニニャが心底残念だと零すが、冗談ではなく本気で言っているようだ。

 

 ――いや、たしかに恩は売ったが、こいつ極端すぎないか。聖王国の凶眼の狂信者みたいになっているぞ。

 

 冒険者見習いの頃から力への憧れがあったニニャだが、その腕力で無理を通して道理を引っ込ませるドラウディロンには崇拝ともいえる忠誠心を持っていた。

 

 姉弟子の危ない発言を無視してアルシェも挨拶を返す。

 

「ご無沙汰しております。ドラウディロン・オーリウクルス女王陛下」

 

「うむ。精進しているようだな、アルシェ」

 

「――それが……女王陛下。努力はしているのですが、最近はあまり成長している実感がないのです。ここが私の限界かもしれません」

 

「アルシェよ。まだ若いお前が限界を見極めるなど早すぎる。私など100年以上も停滞期間があったのだぞ。しかし、それでも諦めなかったからこそ今がある」

 

 フールーダが説得力のあり過ぎる言葉で諭す。魔法狂いによる暴走がなければ、その姿はまさに叡智を宿す大賢者だ。

 

「そうだ。それに、仮に魔法の位階が上がらなくとも、お前ほどの頭脳なら多くの知識を身に着け、賢者としての道もある」

 

「ありがとうございます。女王陛下、お師匠様……」

 

 

ーーーー

 

 バハルス帝国――

 

 

「フールーダが帰ってきただと!」

 

 帝国皇帝、ジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクスは書類に向けていた顔を勢いよく上げた。

 

「はい。もうすでに皇城に到着され、こちらに向かっているとのことです」

 

「そうか。まったく、事前連絡もなしとは相変わらず困ったやつだ」

 

 どんなことがあっても余裕の表情を崩さない彼だが、さすがに喜びを隠しきれていない。

 本来はリ・エスティーゼ王国に戦争を仕掛ける予定だったが、帝国全軍に匹敵する戦力とされるフールーダが不在のため、侵攻作戦は止まっていた。これで王国併合を進められると安堵するのも当然と言える。

 

 

 

「お久しぶりです、陛下」

 

「心配したぞ、フールーダ。帰還命令を送っても返事すらなかったからな」

 

「申し訳ありませぬ。どうやら手違いがあったようですな」

 

 平気な顔で嘘をつく魔法爺。

 ジルクニフはそうだったか、と内心の怒りをおくびにも出さずに許す。

 当然、こんな言い訳を信じる者などいないが、皇帝が何も言わない以上、誰も指摘しない。

 

 独裁国家の国家元首、それも鮮血帝とまで恐れられる人物の帰還命令を3年以上も無視する暴挙。本来であれば処刑されてもおかしくないが、フールーダを相手にそれは出来ない。師であり、帝国発展の功労者でもあるというだけでなく、仮に幽閉する素振りでも見せれば即座に転移で国外に逃亡されるからだ。

 

「それで竜王国に行った成果のほどはどうなんだ?」

 

「ふふ……聞いてくだされ。儂は深淵の入り口を覗きました」

 

「ん? すまない。それは魔法詠唱者として成長したと解釈してよいのか?」

 

「ええ、その通りです。……そうですな。実際に見ていただくのが早いでしょう。今から魔法省に行きますが、よろしいですか?」

 

「ああ。構わない」

 

「では失礼して――<上位転移(グレーター・テレポーテーション)>」

 

 

 転移先は帝国魔法省の最奥にある塔の地下五階。

 主席宮廷魔術師であるフールーダか、その高弟のみ入ることを許された重要区画である。

 

「ふむ……。ここに来るのも久しぶりですな」

 

 先に来ていた皇帝が駆け寄ってくる。

 

「フールーダ! いまのは私を転移させたのか!?」

 

「その通りです。竜王国に行く前は不可能でしたが、現在の私なら造作もないことです」

 

「なんと……。これは我が国の戦争のあり方が変わるぞ!」

 

 術者のみの転移と他者も転移させられるのでは、戦における戦力運用が大きく異なる。

 ジルクニフが興奮するのも無理からぬことだ。

 

「この程度で驚いてもらっては困りますぞ。では次に……<第7位階死者召喚(サモン・アンデッド・7th)>」

 

 フールーダの魔法により、黒色の鎧で全身を覆う騎士が召喚される。

 知る人ぞ知る伝説のアンデッド、デスナイトである。

 

「!? なんだ……この禍々しい騎士は」

 

「こいつはデスナイト。難度でいえば100を軽く超えるアンデッドです」

 

「難度100……。成熟したドラゴン並みの強さではないか」

 

「そうですな。こいつ一体で王国の都市、エ・ランテル程度なら陥落できますぞ」

 

「召喚したということは倒されても魔力がある限り、何度でも呼べるのか?」

 

「おっしゃる通りです」

 

「――ふ、ふははははは! 凄い、これは凄いぞ、爺! なるほど、3年も帰国しない理由も分かる。より高みに上ったお前がいれば王国を飲み込むなど容易い。感謝するぞ、女王ドラウディロンよ!」

 

 想像以上の戦力アップに思わずハイテンションで高笑いする皇帝。

 他の臣下たちにはまず見せない姿である。

 

「多数を教育する環境はバハルス帝国に及びませんが、少数の高位魔法詠唱者をさらに伸ばすことについては竜王国の方が上と言わざるを得ません」

 

「認めたくはないが、これを見せられれば信じるしかないな」

 

「長期間、国を空けている私が言うのもなんですが、高弟たちも何人か竜王国に行かせてはどうでしょう?」

 

「うむ……。一度に大勢いなくなられては困るが、数人ずつであれば検討しよう」

 

「ありがとうございます。……それと陛下。ドラウディロン様から贈り物を預かっています」

 

「ん? あいつから私に贈り物だと」

 

 フールーダが小型空間(ポケットスペース)から取り出したのは一抱えほどの木の箱。開けると中には青い液体の入った瓶が並んでいる。

 

「ポーションか? 不純物が見られない。ずいぶんと質がよさそうだな」

 

「はい。先程、名前が出た王国のエ・ランテル。かの都市における最高の薬師、リイジー・バレアレを竜王国に招聘したことで、この質のポーションがすぐ手に入るようになりました」

 

「ほお……。女王のやつも手広く人材を集めているようだな」

 

「こちらは疲労や疲弊に効果のあるポーションです。多忙な陛下にどうぞとおっしゃっていました。もちろん効能は確認済みなので危険はありませんぞ」

 

「ふん……あの女にしてはまともな贈り物だな」

 

 口では悪く言いながらも、疲れ切っていることは事実なので高品質ポーションは普通に嬉しいジルクニフ。

 

「それではこのデスナイトは消しておきます。私は高弟たちの様子を見に行きますが、陛下を送る先は執務室でよろしいでしょうか?」

 

「ああ、頼む」

 

 そうして自身の執務室に送ってもらうジルクニフ。

 だが、浮かれている彼は油断していた。

 フールーダが高弟たちの様子を見に行った後は、自身のところまで来てくれると思い込んでしまったのだ。

 だが、実際は弟子たちの様子を一通り見て回ると、その日のうちに転移で帰国した竜王国魔法省特別顧問。

 

 その後、王国を攻める計画をわくわくしながら練っていたジルクニフだが、フールーダが勝手に帰ったと聞いて激怒。

 腹いせに飲んだお土産のポーションは本当によく効いて、涙が出そうになったという。

 




第2話時点のフールーダ
「デスナイト……! 伝説に謳われる究極のアンデッド!」

第7話時点のフールーダ
「デスナイト? まあまあの強さの中位アンデッドですな」

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