俺に懐いた猫女が最高の狙撃手だった。   作:じぇのたみ

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トーレントのおもちゃ箱

 夢での怪我は凄まじい不快感を感じさせるが、それは実際の痛みとは全く似ても似付かない。

 まるで、アミュスフィアのペインアブソーバに与えられる仮想の痛みのように。

 だから今俺の全身が痛むのは、どう考えても床で寝ていたせいだ。

 

「身も心も最悪の目覚めだな、全く」

 

 痛みに堪えて体を動かし、カーテンを開ける。

 残酷なまでに眩しい日光が部屋を満たし、朝の訪れを告げる。

 

「ほら、朝田、まだ寝たいなら自分の部屋で寝なさい」

 

 俺のベッドで気持ち良さそうに寝ていた朝田の瞼が、ゆっくりと開かれる。どうやら今度は、魘されずに済んだらしい。

 

「おはよう、朝田」

「おはよう、千晃くん……」

 

 くああ、と欠伸をしながら体を伸ばす彼女の姿には女性らしいしなやかさがあって、不覚にも一瞬見とれてしまった。

 相手は妹みたいなもんなんだぞ。

 そう自分で自分に釘を刺す。

 

「悪いけど今日は飯食ったらすぐアミュスフィア使うから、部屋に帰ってくれ」

「ん~……ふぅ。分かったわ、私も今日は予定があるし」

「そっか」

 

 目玉焼きとトーストだけの簡素な朝食の最中、俺と朝田は互いに何も言うことはなかった。

 

「じゃあな、朝田」

「じゃあね、千晃くん」

 

 そんな当たり障りのない挨拶を最後に扉は閉められた。

 正直なところ、朝田とどう接すればいいのか、俺は答えを掴めずにいる。

 あの事件以来、俺への依存傾向が強くなっていった彼女が独り立ち出来るようにするためには、どうしたらいいのか。

 離れてはいけない。彼女の心は未だに脆過ぎるから。

 寄り過ぎてもいけない。彼女がいつまでも鳥籠に囚われてしまうから。

 泣きながら嘔吐する朝田をつい助けてしまう俺は、彼女が障害を乗り越える機会を奪っているのだろうか。

 俺は、間違っているのだろうか。

 左手と左肩に刻まれた弾痕が鼓動の度に熱と毒を滲ませ、血に乗せて全身を巡らせているような不快感に襲われる。

 最早日課となってしまっている堂々巡りから逃げるように、アミュスフィアを被った。

 

「リンク・スタート」

 

 起動時に脳に流し込まれる量子の川に流されて、降り立つのはSBCグロッケンの中心部。ネオンで彩られたちゃちな噴水がチャームポイントだ。

 俺は修繕のため脱いだ防具の代わりに、全身を覆うようなローブと仮面を着用していた。

 羽織っているフード付きローブは電飾掲示板のようになっていて、一定時間が経つ度に色も模様も変わるようになっている。

 仮面もサイバーチックな仕上がりで、顔を覆う黒のモニターに顔文字を自在に表示出来るお茶目な機能が付いている。

 顔を隠しつつ、無機質な印象を与えることもない。隠れた人気アイテムだ。

 一見派手な着こなしに見えるが、ネオンだらけのこの街で素性を隠すには適していた。

 アバターがM9000番代であるというだけで悪目立ちは避けられないが、全身を隠してさえしまえば、少し小柄な印象しか残らない。

 こうでもしなければ、道を歩いているだけで突き刺さるような視線に晒されることになる。俺はそれが単純に嫌いだった。

 ありのままの姿は、ゼクにすら見せてはいない。奴に金儲けのネタにされる気は毛頭ないのだ。

 

「けど、まだ待ち合わせの時間の数時間前なんだよな」

 

 現実から逃げてきたので、やることなんて決めちゃいない。

 とりあえずストレージ内に放り込まれっぱなしの最新素材達を知り合いに売り捌くことにしようとその場を立つ。

 その時だった。

 

「あら、私を置いてどこに行くつもり?」

 

 気まぐれそうなハスキーボイスが意識の外からやってきて、背筋に電撃を走らせる。

 完全に予想外なことに、シノンも既に到着していたようだ。

 

「あと二時間はあったはずなのであるが?」

 

 いつものように軽い口調で話をする。

 声は震えていない。頭も冴えている。

 問題ない。俺は、お調子者のトーレントなのだから。

 手札を晒す無様はしない。

 最悪の夢見のせいで弱気になっている自分を宥めるように、心中で唱えた。

 

「……たまたま散歩してたら見かけたのよ」

 

 流石にそれは通らないだろ、などという野暮なことは言わなかった。

 先程まで座っていた噴水の縁に座り直すと、隣には当然のようにシノンがいた。

 

「それで、今日は何の用で呼び出したのであるか」

「あなたがいつまで経っても連絡寄越さないからよ。狩りに行くの。いい加減ヘカートも撃ち慣れたいしね」

 

 無くはない胸を張って言うシノンの気合いの入り具合とは対照的に、俺のやる気はほぼ無いに等しかった。

 

「装備の補充と修復がまだ終わってないのであるが……」

「えっ……それは想定外だったわ……」

 

 星のような目をぱちくりと瞬かせる。

 

「やってやれないことはないのであるが、別の日の方がありがたいのであるな。 BoBも近いであるからして、損耗はなるべく減らしたいのである」

「それも……そうね」

 

 そう、今日時点で既に後二週もないというところまで、GGO初の公式大会が迫っているのだ。

 普段より町をうろつくプレイヤーが殺気立っているのも、それが原因だろう。

 だが、メインウェポンを提げたままというのは些か間抜けではなかろうか。

 シノンはというと、ヘカートの代わりに以前のメインウェポンである《M700》ライフルを背負っていた。なるほど、多少は頭が回るらしい。

 

「しかしあいつら……あれじゃ対策してくださいって言ってるようなものだろ……いや、それもブラフか……?」

 

 独り言が思考と共に加速していく。

 武器を周りに見えるように装備しているプレイヤーの中には、名のある実力者もちらほらと混じっている。彼らに関しては本命の装備を隠している可能性が高いだろう。ゼクに依頼して何人か探りを入れシノンの顔が近い。

 シノンの。

 顔が。

 近い。

 

「うおっ……!」

 

 思いっきり仰け反ったせいで、もう少しで噴水に頭を突っ込むところだった俺を見て、シノンの凛々しいかんばせが綻んだ。

 

「ふふっ……何もそこまで驚かなくても」

「普通驚くであるよ! なんでそんなに距離感が近いのであるか……」

 

 ぼやきにも近い質問はどうやら彼女にとっても明瞭なものではなかったらしく、戦場で見た即断即決っぷりとは正反対の姿を見せていた。

 

「う~ん……やっぱり特に理由はないはずなんだけど、不思議と貴方と話してると落ち着くのよね」

 

 思わず渋い顔をした。

 こいつ、魔性の女だ。誰にでもこういう事を言っているに違いない。

 しかしそうだとすると、初対面の時の警戒心の説明が付かなくなる。

 熟考の結果として、俺は心中のシノンに、よく分からない女というレッテルを貼ることにした。

 一番恐ろしいのは、俺が彼女に悪感情を一切抱いていないことである。

 脳裏に『惚れた方が負け』という言葉が過り、遅れて怖気が走った。

 やめだ。こんなことを考えるのはやめにしよう。

 

「じゃあ我輩は例の素材を売り捌くから、今日はこの辺で」

 

 ペースに呑まれないうちに離脱してしまえば良いのだ。

 しかし、その程度で山猫から逃れられるはずもなく。

 立とうとした瞬間、俺の肩はケチの付け所のない満面の笑みを浮かべるシノンの、やたら重く感じる左手にホールドされていた。

 

「それ、私も付いて行っていいかしら?」

 

 返事の代わりに、ため息を大袈裟に一つ。

 

 

 

 

 

 

 メインストリートでさえ荒れた雰囲気を感じるグロッケン、その裏通りともなれば治安は最悪……という訳ではない。

 確かに見た目だけは年月を感じさせる配管が煙を吹き、建築物もあからさまにみすぼらしくはある。

 だが、GGOは所詮ゲームであるということを忘れてはならない。

 そこが町である、つまりこのゲームの安全地帯だと定められている以上、不意討ちはおろかダメージを与えられることもない。

 無論犯罪行為の心配もない。むしろそんなものがあったらサービス停止ものだろう。

 結果として裏路地は、プレイヤー経営のガンショップがひしめき合う下町情緒の漂う場所と化していた。

 

「道を一本裏に入るだけで、こんなにも雰囲気が変わるものなのね……」

 

 シノンは興味深そうに周囲を見回していた。思い返せば、彼女の装備はNPCショップでも揃えられる物で統一されていた気がする。

 いい機会だろう。彼女も裏路地の利便性を知っておくべきだ。

 

「こっちはNPCショップと違ってプレイヤーとの交渉も必要になるけれど、絶対にNPCショップでは買えないレアアイテムが流通してたり、特注の加工の依頼が出来たりするので、GGOで上を目指すなら歩き慣れておいた方がいいであるよ」

「確かに魅力的だけど……こんな曲がりくねった道の隅っこで店を開くなんて、商売やる気あるのかしら」

 

 裏通りの大通りと言えるような場所からはとうに離れ、人の気配の疎らな裏道を、配管の隙間を縫うように歩く。

 俺の案内を頼りにおっかなびっくり歩いているシノンとしては、ここに通うのは気が引けるだろう。

 だが、そんなことが気にならなくなるぐらいの宝の山が、この先に待っているのだ。

 

「固定客抱えればウハウハであるからな、ああいうのは」

「そういうものなのね」

「まぁ、今から行く店はちとイレギュラーなのであるが」

 

 今の言葉をシノンは飲み込めずにいるようだが、現地に着けば分かることだ。特に補足せず足を進める。

 いくつかの抜け道を使い、窮屈なショートカットも躊躇わず、そろそろシノンの堪忍袋が切れる、というところで、目当ての店が見えた。

 

「お、あそこあそこ」

「……あそこ?」

 

 俺が指を指した先には、廃材で外観の作られた、如何にもボロボロですと言わんばかりのこじんまりとした家があった。

 店らしい表札すら見当たらない有り様だ。

 

「あんなところが本当に隠れた名店なの?」

 

 シノンの疑問も尤もなのだが、あそこが正真正銘俺の行き付けの店なのだから仕方がない。

 

「入れば分かるであるよ、すぐに」

「もししょうもない店だったら素材の代金の七割貰うわよ、あの時の約束通りにね」

「ヘカート譲った時点で九割みたいなもんであろう……よっと」

 

 冗談の応酬を交わしつつも、手に多少力を込めて錆び付いた引き戸を開ける。そこには、決して大きくはない店内に、所狭しとショーケースが並べられていた。中身は選りすぐり、高性能で高級な有名実弾銃。

 シノンはそれを見て、やっと納得したようだった。

 

「確かに隠れた名店みたいね……店主が見当たらないけど」

「地下の工房であろうな。ベルを鳴らして待ってれば来るはずである」

 

 レジに置かれたプッシュベルを叩くと、軽快な金属音が埃っぽい店内に鳴り響いた。後はカウンターに寄り掛かりながら店主を待つだけだ。

 現実ならば銃器を扱う店としてあり得ないほどに不衛生で、銃にも悪影響なのだろう。しかしここはバーチャル空間であり、これもまた趣があるというもの。

 木造の内装に整然と並べられたショーケースを真剣に眺める少女。小さな小さな埃の群れは窓から射し込む光に乱反射して、小さな妖精になって漂っていた。

 それは、洒落た古い博物館のような光景だった。

 俺も新しい掘り出し物を探そうかと動き出した矢先に、微かな足音が下から聞こえてきた。

 ようやく店主のお出ましだ。

 

「やぁーっと来たかトール、武器と防具の修繕だろ? ワタシ様に任せときなって」

「久しぶりであるな、パッチィ」

「おーおー、久しぶりぃ。お前の注文が一番楽しいからな。ワタシ様、待ちくたびれてたんだぜ」

 

 レジの奥、ダミーの本棚を蹴っ飛ばして登場したのは、長めの金髪をポニーテールに結わえ、眼鏡は無けれど知性の溢れる緑の眼を持つフランス人形。

 鍛冶専用のボディーアーマーに身を包むM9000番代(同類)だ。

 GGOには可愛いアバターのプレイヤーのみが入れるギルドがあるという噂が俄に立っているが、それは半分真実である。

 M9000番代のみで構成されているスコードロン。俺とこいつはそこに所属している。まぁ、俺とこの銃鍛冶はほとんどスコードロンの集まりに顔を出すことはないのだが。

 

「それで本題なのであるが、大変申し訳ないことに修繕だけじゃないのであるよ」

 

 俺は手早く仮想キーボードを操作し、予め書いておいた、文字でぎちぎちの注文書を送信した。

 

「……ヘルメットの再作成!? いや見積もったのはワタシ様だけどさぁ……しかもゼクシードの支払いとは……あいつ思い切ったなぁ」

「後は……こいつらの買い取りを」

 

 トラップに落ちたあの日に手に入れた素材の表も遅れて送信した。ゼクと共に何重にも確認したから、種類も数も間違いはないはずだ。

 それを見た瞬間、店主は眉をひそめた。

 

「おいおいおい、これは流石にワタシ様の金庫も空になるわ」

「じゃあ……修繕費の分はそのまま買い取って貰って、残りの素材は防具の強化に回して欲しいのである」

「重量は?」

「勿論据え置きで」

 

 店主はおおげさに頭を抱えたが、不機嫌とは正反対。最高の笑顔を浮かべていた。

 

「いつも通りのとんでもねぇ無茶振りだな!」

「でも出来るであろう?」

「おう。ワタシ様の腕はグロッケン一だからな、任せとけって」

 

 馴れ馴れしく俺の肩を叩く。いつもならこれで退店して、連絡があるまで待機するのだが、今日は少しばかり事情が違った。

 

「それで……トールの後ろにいるカワイコちゃんは誰?」

 

 シノンは急に話を振られて驚いたようだったが、流石というべきか、スナイパーらしく一瞬で平静を取り戻した。

 

「シノン。スナイパー」

「その無愛想、昔のトールを見てるみたいだな……ここは"実質"一見さんお断りの銃鍛冶店、『ケースハードゥン』。ワタシ様は店主のパッチィ、どうぞよろしく!」

「よ、よろしく」

 

 自己紹介から間髪なく求められた握手に、シノンはおずおずと応え、そして疑問を口にした。

 

「あの、実質ってどういう……?」

「ああ、礼儀も知らんバカからはぼったくるってだけの話だよ。トールの友達にはそんなことしないさ。それで……ご注文は?」

 

 声音を変えてパッチィはシノンに問う。

 翡翠色の目が、無機質に煌めいた。

 もっとも、シノンはその目の真意に気付いていないようだが。

 

「あの、今持ち合わせがなくて」

「いいからいいから、もし何でも買えるなら、この中で何が買いたい?」

 

 身を乗り出して聞くパッチィ。

 シノンも内心では欲しい銃があったらしく、次の答えは早かった。

 

「……じゃあ、《MP7》を」

 

 店内は、あまりにも静かだった。

 何も言わず、カウンター横のちゃちな椅子に腰掛けて『試験』の様子を眺める俺。

 完全な無表情で、鏡のような眼をシノンに向けるパッチィ。

 空気が変わったのを察し、マフラーで口元を、表情を隠すシノン。

 一分にも満たないのかもしれないし、一時間以上だったのかもしれない静寂を破ったのは、パッチィだった。

 

「うん、合格!」

「ご、合格……?」

 

 シノンは状況が飲み込めていないのだろう。先程とは打って変わって怪訝な表情を晒していた。

 満面の笑みで棚からMP7を取り出すパッチィを尻目に、俺が解説してやることにした。

 

「シノン殿がこの店……というか、パッチィの作る装備に相応しいかテストされてたのであるよ。あれは気難しい人であるからして、一歩間違えたら出禁である」

 

 MP7は、《FN P90》の対抗馬として開発された個人防衛火器(PDW)だ。

 アサルトライフルと同様の内部機構を採用したこの銃は射撃精度が高く、短い銃身長のおかげで取り回しも良いため、近距離と中距離の両方で活躍することが出来る。

 遠距離戦に特化したスナイパーのサブウェポンとしては、ジグソーパズルのピースのようにぴったりと噛み合うだろう。

 

「ケースハードゥンって知ってるか」

 

 MP7をカウンターの上に置いたパッチィが、そう不意に口にした。ポケットから紙巻き煙草を一本取り出し、手慣れた様子でマッチを擦って火を付けた。

 薄暗い店内で、そのぼんやりとした赤い光はやけに馴染んでいた。

 

「昔の銃は銃身を丈夫にするために、熱した後一気に冷やすってのをやってたんだ。そうすると、まだら模様が浮き上がる。自然に付くものだから、全く同じ模様は存在しない。だからこそ美しい」

 

 紫煙を吐き出す。

 

「ワタシ様はさ、所謂テンプレ装備が嫌いなんだよな。やれ時代がどうだの有名人の誰それが言ってただの、下らないにもほどがある。テメェの身の丈も分からんバカに丹精込めて装備を作ってやるつもりはねぇのよ」

 

 パッチィは三分の一ほどの長さになった煙草を床に捨て、ぐりぐりと踏みつけた。店主が店を汚すのは流石にどうかと思うのだが、どうせ跡も残らないと言われてしまえばそれまでだ。

 

「その点あんたらは最高だ! しっかり自分の武器を、生き様を、誰の口出しもなく自分で定めてる。ワタシ様も喜んで働いちゃうぜ! とりあえずシノン!」

「は、はい?」

 

 狂気的なまでに爛々と輝くパッチィの眼光に、シノンは気圧された。

 

「どういうカスタムにする? スナイパーのサブ武器なら軽量化メインで……いっそ装弾数を削るとか! ストックも取り外せばハンドガンくらいのサイズになるから、ワタシ様はそっちもおすすめだな! 反動も大きくなっちゃうけど、押さえ込むSTRはありそうだしいいと思う!」

「あ、あの、私」

「ああ、お代は気にしないでいいぞ! 初回無料がうちのモットーだから! ……そうだ、いっそのこと、防具もうちで面倒見るか!」

 

 マシンガントークに手も足も出ないシノンが、助けを求めるような視線で見つめてくる。

 これは、俺も通った道である。全身をパッチィの装備で揃えれば、NPC製の装備しか使用していなかったシノンの力は更に大きく向上するはずだ。

 だから俺は手出しをするべきではない……のだが。

 

「あの」

「ト、トーレント……助けて……」

「手足の装甲は捨てて、背面に集中させるってのはどうであろうか?」

「うーん、ワタシ様的にはありだと思うけど、それでも重量的には厳しくて……」

 

 椅子を寄せて、会議に首を突っ込む。

 俺が加わることでシノンの発言の回数は減り、多少は楽になるだろう。

 シノンはそんな俺の意図を察したようで、ため息を一度つき、それからは真剣な眼差しで議論を始めた。

 今日は、長い一日になりそうだ。

 議論の結果、シノンの装備は二週間をかけて製作する事となり、彼女がBoBに参加出来なくなった鬱憤は俺の脛にキックという形で叩き込まれた。




書き貯めが尽きましたので、ここからはマイペース更新となります。一応毎日書き進めておりますので、なるべく早く仕上げられるよう全力を尽くします。
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