転生・転移主人公の実力至上主義   作:時雨日和

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お久しぶりですね。
別作品とか、同作品だけど別のお話とか放っぽって書いちゃってます。

いや、まあ、はい。ごめんなさい。他のやつ待ってる方申し訳ないです。

ですが、あれなんです。私は軽井沢さんが好きですが、坂柳さんも好きなんです!なので、前の奴はメインヒロイン軽井沢さんでしたが、今回はメインヒロイン坂柳さん(予定)です!続くかわかりませんが!


第一章 実力至上主義開始
第1話 類は友を呼ぶ


俺は夢を見る。

毎日ではない…と言うよりは記憶していないだけかもしれないが、感じている時は大体同じ夢であり、違う夢だ。

 

そこは普通の人間の世界であったり、魔術が確立している世界であったり、はたまた魔術どころか魔法やモンスターとかがうようよいる世界。他にも様々だ。

 

これだけ聞けば同じ夢では無いだろう。確かに殆ど違う。だが、同じ部分は確かにある。

 

それは、全ての夢の主役は俺であり、それらの世界へ連れていかれる時は同じ人物に出会い、行かされる。

 

だから、俺はよくこう思う。この話ももしかしたら俺の見てる夢なのではないか…と。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「ここか…」

 

高度育成高等学校

 

進学、就職率100%と呼び声高い国が運営する超名門校らしい。

"らしい"と付けたのは元々俺自身全くと言っていいほど興味がなかったからだ。実際、この学校の存在も父さんからの勧めで知ったレベルであり、何も無ければ普通に近くの高校へ進学するつもりだった。姉さんもその方がうるさくないし。

 

ただまあ、どうやら俺はやらなければならないことに関しては真面目にやる性格らしく、思考とは裏腹に合格してしまうレベルには真面目だったようだ。

 

だが、やはり終わってしまえばその真面目さは糸が切れたように無くなったようで絶賛気だるげだ。

 

『ちょっ!あの人レベル高過ぎない?!』

 

『ほんとだ!!超かっこいい!』

 

『片目が隠れてるとかミステリアスなのがまた良い!!』

 

『同じクラスになるといいなぁ…』

 

…帰りたくなってくる。女子達の好奇な視線と言葉、男子達の嫉妬の視線。

顔が良いことは自覚しているし、そういう体験が初めてではない。まあ、それも"ああなった"原因の一つと言えば一つだろうな。

 

そんな言葉たちを尻目にゲンナリとしながら歩いていると目の前に杖を使いながら歩いているベレー帽を被った銀髪の女子生徒がいた。すると、つまづいたのか風でやられたか何かは分からないが女子生徒の体勢がよろめく。

俺は少し歩みを速めその女子生徒を支えた。

 

「大丈夫か?」

 

「おや、ありがとうございます。少しつまづいただけですので大丈夫ですよ」

 

「そうか、それならなにより」

 

「お優しいのですね」

 

と、少しだけ微笑みながらその女子生徒は言った。

ふむ、かなりの美少女である。これまでさぞかし人気があったであろう雰囲気も見える。

 

「俺が優しいとか勘弁してくれ、もしかしたら打算で手を貸した可能性もあるんだぜ?」

 

「おや、ふふふ。それを自分から言うのはそのような事が無いという証明ではないですか?」

 

流れで横に並び歩きながら話している。杖をついているせいか、少しゆっくりとした歩速ではあるが別に苦でもなければ気になる速度でもない。

 

「さあ?そう思わせてからの裏をかくなんてパターンもあると思うが」

 

それを聞いた女子生徒はまた優雅に笑った。

 

「ふふ、随分と自分を低く下劣に見せたいのですね。珍しいです」

 

「そういう性格だから仕方ないのと、お前がそういうのに絡まれそうな程美少女ってのがあるがな」

 

「美少女ですか、褒め言葉として受け取って置きましょう」

 

「褒め言葉だからな」

 

「それでは、褒め言葉を貰った相手を知るためにお名前をお聞きしても?」

 

「烏丸鈴桜だ。褒め言葉を渡した相手の名前を知りたいが?」

 

「坂柳有栖です。烏丸君」

 

「坂柳か、お前も新入生だよな?」

 

「はい、と言ってもここは全寮制ですから校門からここまで歩くのは新入生しかいませんよ」

 

「それもそうだな。だが、もしかしたら在校生が新入生を見るためにわざわざ校門まで来ていてこれから学校へ行くような物好きもいるかもしれないぞ」

 

「ふふふ、本当に言葉の裏をかくのがお好きな方ですね。面白いです」

 

「こういう性格だからな。相手をするのは面倒だろ」

 

「いいえ、私は楽しいです。烏丸君とのお話はまた違った見方が出来るので」

 

「相当物好きだな」

 

「ええ、そうかもしれません」

 

ここまで話してみて分かったのは坂柳有栖というのは物好きである事と高い知性、観察力を持ったものだと感じた。

実際、俺と話すと大抵は途中で無理矢理切り上げると言った事が大半、残りが話には付き合うが途中と終わりには不快そうな表情をされる。まあ、慣れてはいるがな。

 

そうして坂柳と2人並んで歩いているとクラス表の所まで来た。その間に周りから色々と声が聞こえたがもちろん全てスルーだ。

 

「…ん、あそこか」

 

なぜが自分の名前より先に坂柳の名前が目に付いたがその近くに俺の名前もあった。つまり同じクラスである。

 

「同じクラスですね烏丸君」

 

「みたいだな、なら少なくとも1年よろしくと言ったところか」

 

「そうですね、よろしくお願いします」

 

そう言って2人でまた並んで教室へと向かう。

 

「疾患持ちで階段は大丈夫か?」

 

「問題ありませんよ。

しかし、驚きました。わざわざ病名すら言ってくるとは、それほどまで自信がおありですか?」

 

そう坂柳はクスリと笑いながら言った。

 

「別に、そんな事はない。何となくだ。

杖を使ってるにしては歩き方に違和感は無かったから怪我とか不随では無い事だけが確かだった」

 

「なるほど、ですが私としても心配事がございますよ」

 

「なんだ?」

 

そう聞き返した俺を横に並ぶ坂柳は俺に目を向ける。いや、正確には俺の隠れている『右目を』。

 

「烏丸君のその右目です。顔立ちや髪などから烏丸君は純粋な日本人。なので恐らくほとんどが黒色の左目が本来の烏丸君の目。

それに対して右目が黄色か金色に近い、義眼、いえ移植ですね。わざわざカラーコンタクト等で隠さず前髪で隠しているのは相当思い入れがあるのですね」

 

そう言った坂柳の目は俺を試す、いや見定めているもしくは品定めをしているような感じがする。

確信する。こいつは今まで出会った奴らとは違う。明らかに生きている世界というか、見ている世界が違う。敵意にも近いが、これはどちらかと言うと好意、楽しんでいるような風にも捉えられる。

 

自らにも匹敵しうる何かを坂柳は感じ取ったのか、しかし俺は別段そんなものには興味も関心もあまりない。

確かに普通にするよりは面白いだろう程度だ。だが、何となくこいつからは逃れられそうにないとも思ってしまう。

 

「はぁ…別に大した思い入れなんてねぇよ。コンタクトはいちいち入れたり外したりするのが面倒なのとそんなのに金かけんのが馬鹿らしいだけだ。

髪で隠してんのもあんま見られて目立つのが嫌なだけだ。と言うよりもよく見てたな外にいる時にでも見たか?」

 

「ええ、烏丸君に支えられるときに風で少し靡きましたから」

 

「随分と目敏いな」

 

「お互い様です」

 

「そうだな。

ここか?」

 

話しながら歩いていると"Aクラス"の教室の前まで来た。扉を開けると中には恐らくほとんどのクラスメイトがいる状態だった。

扉が開いたことによりこちらの方に注目が集まる。

 

「そのようですね。では入りましょうか。これからよろしくお願いします烏丸君」

 

「こちらこそよろしく坂柳」

 

そう言葉を交わしてから2人で教室へと入って行った。

 

座席はボードに張り出されていた。ふむ、どうやら窓際の最後列。恐らく学生が1番望む席だろうな、その例に漏れず俺自身も最高だと思う。

そして、その隣の席は坂柳だった。これはあれか、何か運命的なものでも背負わされているのか?と感じるほど今日1日どころか数十分の出来事のうちに坂柳との関係が多すぎる。

 

「どうやら隣同士らしいな」

 

と、隣にいる坂柳に俺は話しかけた。

 

「ええ、そのようです。しかし、通学から接点のある人物とここまで関係が深くなるとは、偶然にしては出来すぎていますね」

 

と、それに応じて微笑みながら返す坂柳。

俺はそれにそうだなと返しながら2人で席へと向かった。

席に座って思った。なるほど、この席が人気になる理由を改めて実感するな。前や斜めの席の生徒によっては教師からの視線に入りずらく、窓から入る日光によって心地の良い暖かさを感じればすぐにでも睡眠へと移行できるだろう。

 

「気持ちよさそうですね。烏丸君。そんなにその席になれて嬉しいですか?」

 

…僅かに口角が上がってしまっていたか。やれやれ、どうやら俺は自分が思っている以上には顔を出ているようだ。

 

「中々に心地良いぞ。今すぐに眠ってしまいたくなる程度にはな」

 

「ふふっ、まるで幼い子供のようですね。烏丸君にも可愛らしい一面もあったのですね。意外です。ですが、先生が来るまでそこまで時間も無いでしょうし我慢しなくてはですね」

 

「確かにその通りだな」

 

その後も他愛のない会話や遠目から見ている奴らの声や視線をスルーしながら担任の先生が来るまで待っていた。

そうすると、ガタイの良い男性教諭が入ってくる。

 

「はじめまして、Aクラスの諸君。私がこのクラスの担任となった真嶋智也だ。担当教科は現代文だ。この学校では、クラス替えは存在しないので、君たちとは3年間の付き合いになる」

 

…クラス替えがない…か。

 

「それではこれから、入学案内の時に配ったこの学校についての資料と学生証カードを配布する。

学生証カードについてだが、クレジットカードのように施設の利用や商品の購入などに使用できる。そのために自らのポイントを消費する。この学校においてポイントはお金だと思ってくれて構わない。学校内や敷地内にあるものはなんでもポイントで購入可能だ。使い方は機械にこのカードを通すか、提示する。簡単だから迷う事はほとんどないだろう。

そして、ポイントは毎月1日に自動的に振り込まれる。君たち全員、平等に10万ポイントが支給されているはずだ。なお、気づいていると思うが1ポイントにつき1円と同価値だ」

 

その真嶋先生の言葉にクラス中が軽くどよめいた。それもそうだろう。1人に10万円、このクラスだけでも400万円、学年だと1600万円。それだけの大金だ。それだけの大金が入学してすぐの学生に配られた。その事実に流石に驚くだろう。

 

「大金を与えられて驚いただろう。これは我々から君たちへの入学祝いだと思って受け取ってくれ。ちなみに言っておくがこのポイントは卒業と同時に回収され、ポイントが卒業後の資金になることはないので貯めるのは損だぞ。

これで私からの説明は以上だ。質問を受け付けるが?」

 

真嶋先生がそう言うが、流石に今は振り込まれた大金に驚きまともに思考が回ってないのだろう。誰も質問しなかった。

 

「質問はないようだな。この後1時間弱後に入学式が行われる。それまでは自由時間だ。これから3年間過ごすクラスメイト達と親睦を深めるために互いの事を知っておくのも良いだろう」

 

そう言って真嶋先生は教室を出た。それからすぐ坂柳が立ち上がった。

 

「真嶋先生の言ったように、これから3年間私たちは同じクラスのままとなります。少しでもお互いの事を知って親睦を深めるためにもこれから自己紹介をこの時間でするのはどうでしょう」

 

坂柳のその提案にあちこちから賛同の声が上がる。なるほど、大したカリスマ性だ。こういう事を率先してすぐに行動に移せる。そういった点から見ても坂柳は良い指導者になるだろうな。

 

「それでは私からいきましょう。私は坂柳有栖です。生まれつき疾患持ちで、日常生活に杖は欠かせないような体で皆さんにはご迷惑をおかけすると思いますが、仲良くしてくださると嬉しいです。3年間よろしくお願いします」

 

当たり障りの無い自己紹介が終わると拍手が起こり、あちこちから歓声すらも上がる。それが収まると坂柳は俺の方を向く、それに釣られるようにほかのクラスメイトも俺の方を向く。次は俺の番なのだろう。それに応えるように俺は立ち上がる。

 

「俺は烏丸鈴桜だ。ある事情で右目を隠している髪型になっているが気にしないでくれると助かる。社会科目が得意だが勉強に関してはそこまで誇れるものでもない。まあ、なんだ、これからよろしく頼む」

 

終わると拍手とまた歓声が起こる。それに俺はため息をつきながら座る。

 

「人気ですね。烏丸君」

 

「お前もな」

 

それから自己紹介は滞りなく進み、入学式へ。

 

「階段、下りも平気か?」

 

体育館への移動中流れでまた坂柳と並んで歩いていた俺は話しかけた。

 

「ええ、問題ありませんよ。慣れてますから」

 

「そうか、辛いなら言えば手伝うくらいはするぞ」

 

「あら、本当に烏丸君は優しいですね」

 

「…はぁ、もうそういうことでいい」

 

2人で並び、ゆっくりとした足取りで体育館へと向かい、入学式を受けた。

 

その後の日程も滞りなく終わり、放課後となる。よって各々がそれぞれ好きに行動している。

 

「烏丸君」

 

そんな中で俺は坂柳に呼び止められた。

 

「なんだ?」

 

「少し、お時間よろしいでしょうか?お話したいことがありますので」

 

「…それは、この場で話せる事か?それとも、別の場所の方が良いか?」

 

「そうですね…出来ることなら場所を移した方がよろしいかと。この後何かご予定が?」

 

「まあ、強いて言うのなら推理の答え合わせと言ったところか」

 

「…ふふ、なるほど。ではその後なら構わないでしょうか?恐らく、同じ内容ですので」

 

「……」

 

なるほど、案の定坂柳も気づいたか。要件としては、俺が今からするのと同じ答え合わせだろう。大方、先生の話に感じ取った部分があった時、俺の様子も確認したんだろう。

それで、俺も何かに勘づいたと感じ取った。時折横からの視線を感じてた訳だしな。

 

「わかった。じゃあ、先に適当な場所でも見つけて待っていてくれ。カフェとかあるだろうしな。それで、着いたら俺に場所を連絡してくれれば終わり次第向かおう」

 

そう言って俺は携帯を取り出す。察したように坂柳も取り出してお互いの連絡先を交換する。

 

「じゃ、また後でな」

 

「えぇ、また後ほど」

 

俺は坂柳と別れた後、職員室へ向かった。職員室側から来る生徒はほとんどいなかった。

まあ、当たり前だろうな。

 

職員室の扉を叩いた後に、近くの先生に許可を取り入室し、真嶋先生の元へ行く。

 

「真嶋先生。今よろしいですか?」

 

真嶋先生は手を止め、俺の方を向いた。

 

「烏丸か。問題ないが、どうした?」

 

「予定では、2つ。回答次第では幾つか増えますが質問をと思いまして」

 

「回りくどい言い方だが、まあ、いいだろう。答えられるものなら答える」

 

言質は取った。

 

「それでは、質問を。真嶋先生は、説明の時『毎月1日にポイントが支払われる』と言いましたが、そのポイントは10万ポイントですか?」

 

「…ほう、なるほど。いい質問だが、それについて答えることは出来ない」

 

これで、確信は得た。

 

「わかりました。では、次に移ります。クラス分けについてですが、クラスによって優劣が付けられていますか?」

 

「…残念ながら、先程と同じく答えることは出来ない」

 

…ふっ。

 

「お忙しい中ありがとうございました。色々と知ることが出来ました」

 

「いや、生徒のために時間を割くのが教師の務めだ。答えられず悪いな」

 

「いえ、問題なく。先生にも立場と仕事がありますから仕方ありません」

 

「そうか、帰り道気をつけて帰るように。明日からは本格的に授業も始まるからな」

 

「はい。それでは、失礼します」

 

礼儀正しく職員室を出た。自然と笑みが零れる感覚がした。実際に笑っているのかかは自分自身でも判断つかないが、内心は嬉嬉として愉しんでいる。

 

さて、と携帯を確認したが、まだ坂柳は着いていないのか、連絡は来ていない。カフェに行くことは確定しているため、それがありそうな方向へ歩いていけばそのうち来るだろうと思いながら学校を出た。

 




もう1話だけ上げます。

一応導入だけ書いて様子見るので、出来れば感想お待ちしてます。

特に、前に書いた方と今回どちらが良いとかありましたら是非。
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