転生・転移主人公の実力至上主義   作:時雨日和

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この子、意外とハイスペックなのよ?


第2話 会話・問答・舌戦

俺は1件の店に入る。後々考えて見れば、カフェという選択肢を言っただけで、確定はしていなかった事に気づいた。

まあ、その後に坂柳から連絡があり、結局カフェだったので、問題ないが…

 

店員に待ち人がいる事と名前を言うと案内してくれた。テーブル席にいた坂柳、そのまま店員にお礼と注文をし、俺は坂柳の向かい側に座った。

 

「待たせた」

 

その言葉に坂柳はニコリ微笑み

 

「いえ、連絡を入れた時ですので思ったよりは。むしろ、烏丸君がここまで早く着くとは思ってませんでした。先生への答え合わせが早く終わったという事でしょうか。それとも、私がこの付近に行く事を読んだのでしょうか」

 

「まあ、そうだな。答えは両方と言いたいが、後者については半分だな。勝手な先入観故にこちらを目指した。

…坂柳は、それを見越してカフェを選んだんじゃないか?」

 

その言葉に坂柳、ふふっと笑った。

 

「それはどうでしょう?烏丸君は私を過大評価しているのでは?」

 

「いいや、少なくともあの説明に疑問を持った点で既に、俺の中で坂柳はクラス内において頭の切れる奴であり、上位の存在である事は確かだ。その様な奴ならそれを考えられると見越しての発言だ。

それに、確信は無い。否定するのであれば、それはそれで俺の推理は外れていた事になる。ただ、それだけだ。俺は名探偵でも何でもないからな、外れたからと言ってどうということは無い」

 

「おや、最初部分は自己紹介でしょうか?」

 

坂柳は楽しそうに言っていた。人の事は言えないが、随分と言葉遊びが好きなようだ。

 

「はぁ…まあ、そう捉えられてもおかしくは無いな。別にそれに関しては否定はしない。

それで、そろそろ本題に移るが…その前に、そろそろ俺の品定めと収集は終わったか?」

 

「おや?何のことでしょうか?」

 

「視線、動かしまくっているからな。言葉や仕草を判別しての品定め。それに伴い、どの言動、感情でどういった言葉を放つか、仕草を取るかを見つける収集。

コールドリーディング…高校生になりたてで出来る芸当じゃねぇよ。これで俺の推理は多少傾いたぞ」

 

坂柳は笑みを崩さないまま俺を見ていた。真っ直ぐに俺の眼を、表情を、逸らさずに。

先程までの雰囲気が変わるのを肌で感じる。表情を変えぬまま威圧感を上げるとは、それを行うのも相当だと単純に思う。

 

そして、絵面がヤバい。悪い方…悪い方だろうか?傍から見れば笑顔を美少女が男を見つめ、男はそれに表情を変えずに見つめ返す。

 

…どう写っているだろうか?少なくとも、良い雰囲気に見える可能性が無いとは言えない。この威圧を感じ取らなければの話だが。

 

「…出逢って数時間、話をした累計の時間では1時間にも満たない相手にここまで…貴方の眼はどこまで見えているのでしょう」

 

「目の前」

 

注文したコーヒーが到着し、一口含む前に放ったその言葉に数秒ぽかんとする坂柳。しかし、すぐにその表情は戻る。

 

「…ふふふ、なるほど、確かにそうですね。ええ、確かに烏丸君の眼は目の前を見ていますね」

 

「当たり前だな。俺は草食動物じゃないから、横とか向いてない」

 

「ふふふ、貴方はやはり面白い方です」

 

「その様な評価をお前から得られたのなら嬉しい限りだ」

 

「その割には表情があまり動いておりませんよ?流石に私もずっと無表情なままでは悲しくなってしまいます」

 

「そうは言っても、そういう性分でな」

 

実際、意識してないなら俺は表情を変えない。まあ、分かっているさ。無愛想で人好きはされない。

顔が良いのは多少なりとも自覚はしているが、負の要素もある事は理解していただきたい。

 

「では、そろそろ本題に入りましょう。

推理の答え合わせを」

 

雑談が過ぎたな。閑話休題と言ったところか。

 

「まあ、そうだな。

結果から言うとなれば、概ね正解だったと言えるだろうな」

 

「なるほど。では、そう結論した根拠となるに至った質問の答えは?」

 

「俺は、毎月支払われるポイントは10万ポイントかと質問した。その答えが答えられないだった。その前にいい質問だと言っていたがな」

 

坂柳は顎に手をやるとすぐに笑みを浮かべ、口を開く。

 

「つまり、定額ならばその質問に答える事が出来る。ですが、それに答えなかった。その時点ならまだ、濁しただけとも捉えられますがその前のいい質問との言葉で、用意していたと思ったわけですね」

 

「これだけでそこまで考えられるなら流石の一言だ。その通りだ。

だから俺は、何らかの要素で月に支払われるポイントが増減するのではと判断した。その何らかが」

 

「学校の各所にある監視カメラですね」

 

俺の言葉を遮るように言葉を放った坂柳。その言葉に俺は小さく頷いた。

 

「ああ、だと思う。

恐らくは授業態度等を厳正にチェックすると判断する」

 

「私も同意見です。それが、必要か不要かは明日の授業等で判断できますし」

 

「そうだな」

 

俺は残ったコーヒーを飲み干した。

 

「答え合わせはこんなものだ。それで、他に何かあるか?」

 

坂柳も俺同様コップの中身を飲み干して答える。

 

「では、私は今後クラス内を掌握するつもりです。そのために既に少しだけですが、お話も進んでおります」

 

「そうか」

 

「はい。

そこで、ご質問です。烏丸君は如何致します?」

 

坂柳は顔を前で両手を組み、肘をついた。

ちょうどとある有名アニメでそんなワンシーンがあったな。

 

「何が言いたい?」

 

「ふふ、分かっているのでしょう?

私が聞きたいのは、烏丸君はそのクラス掌握戦に参加するか、それを狙う者の下に着くか、中立でいるか。ですよ」

 

「…お前の中では俺がその掌握戦に参加する可能性があると。

なら、何故わざわざ俺にそれを言う?自ら俺の敵になると公言しているようなものだが?」

 

「簡単ですよ。烏丸君にその気が無いから言ったのです」

 

「随分と断言したな」

 

「ええ、そう判断した要因は幾つかありますが、何よりも」

 

そう言って坂柳は端末の画面を見せた。そこには簡単な文章が書かれていた。

 

『○○中学校、生徒会長による暗躍か!!

学校の損失は!?』

 

とある地方誌の記事だった。

 

「これ、貴方の事ですよね?烏丸鈴桜君」

 

「……」

 

俺は無言で坂柳を見ていた。それに微笑みを絶やさない坂柳。

 

「私も最初は半信半疑でした。ですが、最近の社会情報というのはすぐに出てくるものです」

 

「ネットの情報を簡単に鵜呑みにするというのは」

 

「もちろんこれがデマなのは承知しておりますよ」

 

また、坂柳は被せ気味で答えた。

 

「そのすぐ後にこの地方紙でこの件について真犯人が出たことは承知しております。

それに、その様な事件を、しかも学校側に損しかない事件を学校側が受け入れるとも思いませんし」

 

「…それがどうした?それに、それが誤認なら尚更確証には至らないと思うが?」

 

「いいえ、貴方は既にその様な目立ち、人を引っ張るような立場の役職には懲り懲りなのでは?」

 

「分からないぞ?俺がその様な事に屈せずむしろ、躍起になり熱く人を引っ張るかも」

 

「その様な思想をお持ちの人がクラスメイトにすら愛想無く無表情だと?」

 

「……そうだな」

 

ぐうの音も出ない。

 

「これらの事も踏まえ、貴方が掌握戦に出場しないと思いました」

 

「まあ、事実そんなものに興味無いしどうでもいい」

 

「そういうと思いました。なので、私からのお誘いです。

私の下に…いえ、私と共に戦って下さいませんか?」

 

俺は坂柳に向けていた視線を1度外し、天井を見た。

数秒後また坂柳に向けて答えた。

 

「さっきの俺の言葉を聞いていなかったか?俺は興味無いと言った」

 

「ええ、聞いておりました。それでも尚です。貴方のその知性と機転、判断力は目を見張るものがあります。貴方のような方が共にいるのならば大抵の事は目ではありません。

それに、目立とうとせずとも貴方は自然と人を惹きつける容貌をしておりますから」

 

その言葉に少しジト目で見た。

 

「それは自己紹介か?」

 

「ふふふ、否定はしません」

 

「あっそう」

 

「お考えは変わりませんか?」

 

「変わらないな。やらぬとも良いものはやらない主義に変わったんだ」

 

「…では、譲歩致しましょう。烏丸君は考えが変わるまでは中立を貫く。変わった時は私でも、後に出るかもしれない別の掌握戦の出場者に付く」

 

「そうだな。それについては俺の自由だしな。だが、お前はそれでいいのか?坂柳。

自分で言っていたが、お前が能力を高く評価している俺と敵対する事になるが」

 

挑発とも取れる俺の言葉に坂柳はふふ、と微笑んだ。

 

「確かに烏丸君は味方に付ければとても心強い方だと思っております。それは、先程までの問答や会話で確証済みです。

ですがーー」

 

一呼吸おいて坂柳の微笑みは消えた。

 

「敵対したならそれはそれで楽しめますから」

 

強者の雰囲気とも言えるだろう。それを遺憾無く発揮する。

なるほど…これはこれは。

 

「…はぁ、これは、とんでもない奴とクラスメイトになっちまったもんだ」

 

「それはこちらも同意見ですよ」

 

坂柳はまた微笑み顔に戻っていた。

 

「分かった分かった。とりあえず俺は何もしないで傍観者でいよう。その気になるまでな」

 

「ええ、承知しました。

さて、そろそろ寮の方に向かいましょうか。色々とやるべきこともあるかもしれませんし」

 

「そうだな」

 

そう言って2人で立ち上がり会計を済ませた。ちなみに、奢ろうとしたら断られた。

 

カフェを出て、2人で向かっている時。

 

「そう言えばだが、ここら辺の学校ってのは同級生を苗字でしか呼ばないのか?」

 

「どういう事ですか?」

 

坂柳は少し小首を傾げながら聞いてくる。

 

「いや何、俺の地元の学校じゃあ、同級生何て下の名前で呼びあってたし」

 

「なるほど。ですが、特にそのような取り決めはございません。人の好き好きだと思いますよ」

 

「そうか、ならこれからは俺はお前を有栖と呼ぶが問題ないか?」

 

「ふふふ、ええ、構いませんよ。では、私も鈴桜君とお呼びしましょう」

 

「好きにしていいぞ。むしろ、そっちの方がしっくりくる」

 

そして、有栖に歩速を合わせているためゆっくりとした足取りで向かいながらも寮へと着いた。

男女共同、多少制限があるものの思春期の学生にこれは如何なものかとの疑問はあるが、まあ、どうでもよかった。

 

2人でエレベーターを乗る。女子の方が上階だった。

 

「そういえば、有栖」

 

「同級生に下の名前で呼ばれるのは慣れませんね…

何でしょうか?」

 

最初の方聞き取りずらかったが、難聴系ではないので聞こえていたが、気にしなかった。

 

「支払われるポイントの増減について、恐らく普通にしていれば問題ないと思う」

 

「突然どうしたのです?」

 

「俺は真嶋先生にもう1つ質問していたんだ」

 

その時に俺の部屋がある階に止まり、扉が開いた。

それで俺は出ようと歩みながら言葉を繋げた。

 

「クラスは優劣によって、属されている可能性が高い」

 

その言葉で有栖は少し目を見開いていた。

 

「また、明日な」

 

「…ふふふ、ええ、また明日。

やはり、鈴桜君と同じクラスになれて良かったです」

 

その言葉と共にエレベーターの扉は閉まった。

 

閉まった事を確認した後、振り返り部屋まで向かった。

 

部屋の前に着き、鍵を開けようとした時、右隣の扉が開いた。中から出てきたのは明るめな茶髪の男子だった。

いやまあ、男子の階だから男子しかいないだろうとは思うけど。

 

俺の髪型の性質上、首を大きく傾けないと見れないのがちょっと難点だな。

その男子生徒もこちらに気づいたのか、こっちを向いた。

 

「1年生か?」

 

「そうだけど」

 

「まあ、隣同士これからよろしく」

 

「あ、ああ、こちらこそ」

 

簡単な挨拶をした後に扉を開け俺は、部屋へと入っていった。

 

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烏丸 鈴桜(からすま りおう)

5月18日生まれ、AB型

 

学力B+

知力A

判断力A

身体能力B

協調性C+

 

評価

学力や身体能力も平均よりもやや高め。そして、何よりも機転と咄嗟の判断力が優れており、面接時の質問に対しても自らの答えを明確に的確な答えを出せていました。やや、良くも悪くも人を惹きつける事に忌避感を覚えていますが、Aクラスに配属しても問題ない逸材です。




やや、乱暴な感じなのが否めませんが、何とかやってみました。

前話のあとがきでも書きましたが、前に書いていた話とどちらが良いとかありましたら是非。

好評だった場合は今後も暇みて書いてみたいと思います。
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