ええ、筆が乗って乗ってまあ…
それと、いつも言うのを忘れていましたが、誤字報告ありがとうございます。私の拙い文章ですので、これからも多々あると思いますので…
次の日、俺は登校する。
昨日の1件があり、クラスから少し遠目で見られている。しかし、俺が着席した時声をかけてくる者がいた。
「烏丸」
「葛城か、なんだ?」
葛城である。その後ろに取り巻きの戸塚がいる。
「昨日の事でだ。お前が気にするのなら場所を変えるが」
「必要ない。俺にそのように聞く時点で少なくともお前にとっては聞かれても問題ない。しかし、俺には聞かれたら困るかもしれないという事だろう。だが、問題ない。ここでどのような事を皆に聞かれようと俺はさして気にしない。なぜなら昨日の事で既に評価は下がっている」
「り、理屈っぽ過ぎるだろ」
戸塚が呆れ気味に話すと、葛城がその後に話し始めた。
「…わかった。ならば話すが、昨日の事だ。何故あのような言い方をした?」
やはり昨日の件か。これは、恐らく俺を注意し、改善させることによりクラスからの注目度を集め、支持率を上げる作戦か…もしくは、単純に俺を心配してか…
さて、どちらだろうな。
「何故…か…確かに少々言い過ぎた面もあるかもしれない。だが、別に考え無しにそのような言い方をした訳では無い。それが分かるか?」
「なに?」
「いや、すまない。分からないから聞いてきていたのだったな」
「烏丸お前!葛城さんを侮辱しているのか!?」
「別にそのようなつもりは無い。だが、クラスの中心に立とうとしている者が自らの考えも持たず、分からないから教えろ。などと人に問うのは些か浅慮なのではと、思っただけだ。『~ではないかと思うがどうなんだ?』という問い方をするのがそれらしく思えるがな」
俺の言葉に対して戸塚は睨みつけてくる。
「そうだな。俺の考えが浅はかだった。すまない」
「か、葛城さん?!こんなのただの揚げ足を取ってるだけですよ!実際は何も考えてないんですよ」
「いや、烏丸は無意味に物事を行うタイプではない。必ず考えがある。少なくともあのように、普段とは違う態度を取るような事ではな」
「随分と俺の事を持ち上げているようだな」
「俺は事実を言ったに過ぎない。
それで、そうだな、俺が感じたのは威圧的でありながら的確な指摘をして、クラスを支配…は言い過ぎだな、纏めあげるのではと考えた」
「つまり、お前は俺がクラスのリーダーになるために行った。そう言いたいんだな?だが、お前は知っているだろう?俺はクラスのリーダーになるつもりは無いし、誰がなろうと興味は無いと」
「だが、人の心というのは移ろいやすいものだ。以前に言っていた事が覆ることなどよくある事だ。それに加えて、あの時俺に言ったことが嘘である可能性も捨てきれない」
中々に疑り深い。まあ、当然ではあるし、葛城が言っていることも一理ある。
「お前が言いたいことは分かる。だが、俺は以前に言った事に対して嘘偽りも無ければ心変わりもしていない。
故に、真実を語る…と言いたいところではあるが、全て語るつもりは無い。だが、俺の昨日の発言はクラスを思ってのことだ。それだけは素直に語る」
「…全てを語らないのなら信用にならない。何故言えない?」
「真実をすぐに語るのは重要性が減る。何もかも俺が答えると思うな。嘘偽りは無くとも秘密にしたい事だってある。お前はそうでは無いのか?」
「烏丸!葛城さんが言えって言ってるんだから言えよ!」
やれやれ、1人で騒がしいな。
「それは恐喝か?言いたくも無いものを無理矢理言わせようとするのは、中々に酷な事だと思うが…それとも命令に当たるか?
まあ、何にせよ」
と言葉を続けようとしたところで葛城が割って入る。
「やめろ弥彦。俺の質問にそんな強制力はない」
「し、しかし、葛城さん。こいつ明らかに馬鹿にしていますよ!」
ふむ、別にそのような事実はないのだが?
「烏丸にそんな気は無い。それに、お前がそのような態度を取ることで、俺にも影響がある事を考えているか?」
「っ!?」
ふむ、俺が言おうとしている事を葛城は理解していたか。言われて戸塚も気づいたようだ。ハッとしている。
「すまなかったな、烏丸。」
「なに、気にはしていない」
「助かる。
実際、昨日お前が指摘した事は正しく、こちらとしても助かった。だが、言い方というものをもう少し考えて欲しかった。これは、今後のお前の事を案じて言っている。そのような事では、いずれ孤立するぞ」
やはり、そういう事だったか。葛城は俺の身を案じていた。何とも優しい奴だな。好感が持てる。
だが…
「ふむ、では、優しい言葉で取り繕い、仲良しこよしで話せば良いと?だが、そのようなぬるま湯のような事では、今後に不安があるぞ?現実はそう甘くはないし、簡単なことでは無い」
「それは分かっている。だが、お前の行った行為は、熱した石に冷水をかけるかのような行為だ」
「まさに焼け石に水だと?中々に上手い事を言うが、むしろそれが功を奏する結果になるとも言えるが?」
「なに?」
俺と葛城の問答が続く中で、それを遮る者がいる。
「まあまあ、お2人さん。朝っぱらからそんなバチバチしなさんなって」
「…橋本」
「なっ?!橋本!?邪魔すんなって!」
クラスのムードメーカーでもある橋本だった。
「いやいや、別に邪魔してるわけじゃないぜ?」
「だったら黙ってろよ。
…いや、ちょうどいいじゃん。橋本にも聞いてみましょう葛城さん。昨日の烏丸の事について」
その戸塚の発言で俺と葛城が橋本の方を見る。
橋本はそれになんてこと無くいつもの表情で答えようとする。まるで、そうなる事が分かっていたかのように。
「昨日の烏丸の?ああ、別にそんなに悪く思ってないな」
「はあ?なんでだよ」
「いや~、確かに言い方もあれだったし、厳しい発言だったと思う。でも、逆によ、それでハッとしたというか、目が覚めたっていうか。最初はマジでビビったけど、後からあいつなりの優しさ何じゃねぇかって思ってよ。
だから、烏丸!俺、授業中に気抜いてた時とかあった。これからはそんな事の無いようにするぜ!"優秀なAクラス"って胸張れるようにな!」
…予想外であった。まさか、しっかりと受け止めていて、なおかつわざわざ俺に直接言いに来るとは思わなかったな。
橋本、ムードメーカーで少々お調子者である事が要因か…感じ取ってくれている者がいることを嬉しく思うぞ。
「ふっ…何を当たり前の事を、当然だろう。それに」
「あー!!こいつ笑ったぞ!皆!!烏丸が、烏丸が笑った!」
ふむ、俺はあの有名な歩けない少女か?
『なに?!マジか!?』
『え?烏丸君が笑ったの?!見たい見たい!!』
『うわー!いつもの無表情だー!見逃したー!!』
このような反応をされると心外だ。俺だって表情な変わりづらいだけで笑う時だってある。稀であることは自覚しているが。
「…別に笑ってない」
「嘘つけよお前。何だよ、中々面白いじゃんか。それに、俺はある意味、あの時のはお前の本音だったんじゃねぇかって思うぜ。だから、そういう事を知れただけでも俺は少し嬉しかったんだぜ?だから、俺はこれからお前の事は鈴桜って呼ぶからよ、鈴桜も俺の事正義って呼んでくれよ」
「ふむ、気が向いたらな」
「それ絶対呼ばない奴じゃねぇか!」
そんなワイワイと騒いでいるせいか、興が冷めたように葛城と戸塚は離れていく。その後少ししてから有栖が来る。
一言挨拶を交わした後、少し経ってもうすぐ真嶋先生が来てHRが始まる時間。そんな時に隣の有栖が俺の制服の袖を引っ張る。
「なんだ?」
「笑っていた様ですね」
「心外だな。まるで、俺が笑わない者のように捉えているようだが、俺は笑う時だってある」
「…そういうのでしたら、もう少し頻度を増やしてください。
……ずるいです」
「何をそのように拗ねたような表情をしている」
「拗ねてません…」
年相応の愛らしい表情。普段とは違う可憐さを持ったそれを、いずれもまた見てみたいと思った。
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それから時が経ち、5月も1週間と少し経った頃。つまり、中間テストまで2週間を切った所だ。
夜、部屋で勉強していたところ、少し集中力が切れてきた所で、気分転換に自動販売機でジュースを買いに行った所。面白そうな者を見つけた。
隣人である綾小路が何か寮の壁に張り付き何かを覗いている様であった。
「ふむ、あれは堀北兄妹か。中々に修羅場だな」
小声ではあるが唐突に聞こえた声に綾小路は肩をビクつかせる。
「っ!?お、お前は、烏丸…」
「こんばんはだな。綾小路」
「こんばんは…なんでこんなところに?」
「ふむ、それはこちらのセリフではあるが…なに、気分転換に飲み物を買いに行ったらお前の覗き姿が見えたが故…な」
「だからって…って」
その時、綾小路は走り出し、堀北兄の腕を掴んだ。ふむ、中々の反射神経だ。
「何だお前らは?」
「綾小路くん?!と…誰?」
「ふむ、何ただの見物人だ。どうぞ、俺に構わず続けてくれ」
「…まあ、いい。あんた今堀北を投げ飛ばそうとしただろ。ここはコンクリだぞ、わかってんのか。兄妹だからってやって良いことと悪いことがある」
「盗み聞きとは感心しないな」
「いいからその手を離せ」
「それはこちらのセリフだ」
2人の睨み合いが続き、沈黙がその場を襲う。
「やめて、綾小路くん…」
堀北妹の絞り出したような弱々しい声。それに応じるように綾小路は掴んでいた腕を離した。
その瞬間堀北兄は綾小路に裏拳を放つ。それを綾小路は身体を仰け反らせかわした。
ふむ、お互いかなりの身のこなしだ。実力者同士の勝負は凄まじい。だが、そうも言ってられないようだな。
堀北兄が綾小路に蹴りを放とうとしている。綾小路もそれに反応してかわそうとした時、俺はその蹴りを放ち切る直前に、放とうとした脚を止めようとした。
だが、それを察知した堀北兄はすぐにそれを中断し、少し後ろに飛んだ。
「ふむ、流石ですね生徒会長」
「お前こそ、躊躇なく行なおうとするとは、中々えげつないな烏丸」
「ほぉ、俺が知られているとは光栄ですね」
「入学初日に仕組みを見抜いたような奴を知らぬ筈がない」
「…え?」
「それと、お前。綾小路と呼ばれていたな。お前もいい動きだ。初撃をかわしたこともだが、その後の蹴りも烏丸が止めずともかわされていた。まるで、おれな何をしようとしたか理解しているように。何か習っていたのか?」
「ピアノと書道なら」
「ふむ、天体観測を少々」
「お前には聞いていない。綾小路、お前もDクラスか?中々ユニークな男だな。鈴音」
「堀北と違って、無能なんでね」
「鈴音、お前に友達が居たとはな。意外だ」
「彼は…友達なんかじゃありません。ただのクラスメイトです」
哀れ、綾小路。友達認定されていない。
「…可哀想だな、綾小路。どれ、このジュースをやろう」
「いや、要らねぇよ」
「…相変わらず、孤高と孤独を履き違えているようだな。それから、綾小路。お前が居れば、少しは面白くなるかも知れないな」
そう言って堀北兄は俺たちの横を通り過ぎ、闇へと消えていく。
「上へ上がりたいのであれば死にものぐるいで足掻け、それしか方法はない。特に、そこの烏丸は危険だぞ」
「ふむ、危険認定されてしまったな。まあ、良い。
さて、帰るとするか、お前たちも長居し風邪を引かないようにな」
振り返り、帰ろうとした時、呼び止められた。
「待って…あなたは…何者なの?」
「ふむ…まあ、折角ここで会ったのも何かの縁だ。自己紹介をしよう。1年Aクラスであり、そこの綾小路の隣人。烏丸鈴桜だ」
「初日で仕組みが分かったって、本当?」
「ふむ…まあ、2、3割程確証は無かったが、結果的に言うのであれば、そうだと言えるのだろうな」
「っ!?」
「まあ、またいずれ出会う事にはなるだろうからな。またの機会にゆっくりと話すとしよう」
そう言って俺は寮へと帰って行った。
原作の話に繋げるのって難しいなぁ…ほんと…