最初は青娥編になります。(^^)
今、目の前には料理が並べられている。
向かいの女性と話しているため、まだ料理には一口も口をつけていない。
「いや、だから何でこんなことに···」
「···浬はいい素質を持ってるって、何度もいったじゃない」
「その素質っていうのが今一分からないというか······」
先程からこんな会話の繰り返しである。進展がない。しかも、名前で呼ばれてるし。
······いや、進展は···あったか。あの後、彼女についていくことであの山から抜けることが出来たのだ。
そこまではよかったのだが、人がたくさん居ると思われる都? のようなところに案内してくれるのかな、と思っていた僕はこの道場らしき場所に来てビックリした。
ある程度でかいが、中に人が一人もいない。
···人は住んでいるのだ。まぁ、彼女のことなんだが。
それで僕をここに連れてきてどうするんだろうか。
「私と同じ仙人になって、この国のいろんなところをまわりましょう」
彼女、青娥さんは笑顔でそう言ってきた。
···仙人? ってなんで? と言うかなろうとしてなれるものなのだろうか。
「仙人は不老不死で、あらゆる仙術を使い、強靭な体を得ることが出来るわ」
まぁ、幻想郷やこっちの世界に来て色々あったから、今更仙人と聞いても驚くほどではないんだが。
「それはすごい、と思いますけど何で僕なんですか? 」
そんなに凄い人なら弟子なんてたくさんとっててもおかしくないと思ったんだけど···
やっぱり、こういう時代は仙人とか本当にいたんだな。
「弟子はあまりとるきになれなかったのよ···だから浬は多分、最初で最後。
いい素質も持ってるみたいだしね」
「素質ってどういうことなんですか? 」
KAMIにも同じような質問をした覚えがある。
「あら、自分のことなのに分からないの?
私から言わせれば···そうね、神様から抜け落ちた1本の髪の毛、みたいな感じかしら」
あ、別に狙ったわけじゃないのよ。
神なんて、とらえかたは人それぞれだし、そもそも······
青娥さんは何故か慌てていたが、僕はそれよりも気になることがあった。
そう、『自分のことなのに』僕は自分のことを何一つ分かっていない。
青娥さんは人目見て分かっていたようなのに。
「今は弱々しいけど、修行すればきっと強くなるわ」
青娥さんはそんなことを言っているが、別に僕は弱くても······
弱くても···? 弱かったらどうなる···?
そんなことを考えていると頭の隅に一つの言葉が浮かんだ。
『そこで生きていく内に"力"を身に付けてほしい』
···確か神がいってた言葉だ。
"力"を身に付ける······
そして大切な記憶を······
――――――浬ったら、私の人形を見て怖がらないでっていつも言ってるじゃない
···っ ! ···ダメだ、何か大切なことを忘れてる気がする。
······それでも、KAMIがいってたように強くなれば···
「······」
「············」
「··················」
じっと料理を見つめる。
冷めてはいないだろうか。
玉を使いこなすことは出来るだろうか。
青娥さんにすがっても良いのだろうか。
自分にとって何か大切なこと、思い出すことが出来るだろうか。
僕は······強く···
「僕は···強く、なれますか? 」
ここで、あ、やっぱり無理かも、とか言われたら立ち直れない。しかし、
「ええ、仙人である私が保証するわ。
私と共に来てくれますね? 」
そういってくれた。
青娥さんがはしで掴んだ美味しそうなおかずの一つを差し出してくる。
「はい、青娥···師匠」
強くなれるなら、それにすがろうと思う。
あの3人のもとに帰るまで······
あ、美味しい。
料理はまだ、冷えてはいなかった。
「霊夢たちの影が薄いからって忘れちゃダメですよ」
霊夢「···············」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
「······は、はぃい」ブルブル
魔理沙「wwwwwwwww」
アリス「······はぁ」