東方繰返幻想   作:北風北

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見てくださった方、ありがとうございます。


幻想郷へ

 僕は意識があるのか無いのか、どちらとも言えないような不思議な感覚の中にいた。

 ············ん?

 ···そう言えば確かバスに撥ね飛ばされたような。しかし体の痛みはない。少し前まですごく苦し かった事は覚えていたけど···僕は今何をしているんだろう?

 

「·········っ!? ···っハァ! ゲホッゲホッ! ···ハァハァハァ······」

 

 ···今、息とまってたのか。

 だんだん呼吸は整ってきたが、余程長い間息を止めていたようだ。

 まだ少し息苦しさが残っている。

 

「苦しくてそれどころじゃなかったけど、体は痛くないし傷すらない、それにここはどこなんだ? 」

 

 僕の体には撥ねられた時についた傷がない。気を失っている間に治ったとしても速すぎるだろ  う。

 そして一番の問題点が僕が今いるこの場所だ。確かあのときは道路にいたはずだ。

 しかし今は木々が鬱蒼と繁っている森の中にいる。

 少し吹いている風と森の臭いにより、生きている事を感じさせられる。

 

「···誰か居たりしないのかなぁ、少し叫んでみるか」

 

 息を大きく吸い込むと

 

「···おぉーーーい! ! ! 」

 

 取り敢えず叫んだが人が居る気配がない。仕方ないのでここから出るために歩きだそうとした次 の瞬間。

 凄い悪寒が全身を駆け抜けた。

 ゆっくり振り替えると十メートル程後ろに今まで見たことがない獣がいた。

 あれは何か危険だと直ぐに体が反応して気がつけば走り出していた。

 しかし一瞬だった。

 

「···ぐっ! ! 」

 

 僅か十メートルの距離で逃げ切れるわけもなく、痛みを感じたときには背中から血を吹き出して 倒れていた。

 もう逃げられない。

 バスの時と同じ痛みが襲ってくる。

 

「···結局···生きてるのか、死んでるのか···わからなかっ···」

 

 獣が飛びかかって来たところで本日二回目の意識が飛ぶ――――

 

 

 ―――筈だったのだが。

 

 また痛みすらなく不思議な感覚をさ迷っていた。

 恐る恐る目を開けると、知らない天井がそこにあり僕は布団に寝かされていた。

 

「···あれ?」

 

 もう頭がパンクしそうだった。

 一体今自分がどういう状況なのか。

 そして、その答えをくれる人物はすぐとなりにいたのだった。

 

「あら、目が覚めたの···それに外来人ね」

 

 その人はえらく冷めた調子でそう言った。

 

「どうせ事情が飲み込めていないんでしょうし少し説明するわ」

 

 その人の名前は博麗 霊夢と言うらしく、神社の巫女らしい。

 結果僕は死んでおらず彼女に助けられたのだ。背中の傷を中心に巻かれた包帯らしき物も彼女に よるものらしい。

 助けた経緯については森で見かけ目の前で死なれるのも後味が悪いやらなんやら、と言うことら しい。

 まぁ、命の恩人ということになる。

 

「···そう言えばさっき外来人って言ってたけどそれってどういう···」

 

 こちらの問いにたいして彼女は面倒臭そうだったが説明してくれた。

 どうもここは前住んでいた場所とはずいぶんとかけ離れた所らしい。

 話によると妖怪や神様なんかも居るらしい。

 今までの生活が普通だった僕にとってこの夢のような話を聞いているうちに疲れと眠気が一気に 襲ってきた。

 

「···ようこそ幻想郷へ」

 

 僕の意識が途切れるまさにそのときそう言われた気がした。

 




浬が幻想郷に来ました。次もよろしくお願いします。
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