東方繰返幻想   作:北風北

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続きです。



人の住む里

 

 それから一週間後

 

「······グス···」

 

 霊夢に引き摺られた時の傷が少し痛むが、ほぼ完治していた。

 あのあと霊夢には笑われるし魔理沙には驚いた顔をされたし···

 

 ···というか二人の反応逆の方があってる気がするけど······

 

「···············まぁ霊夢がやったんだから仕方ないか」

 

 

 霊夢なら今人里に降りてるハズだ。

 ······人里、行ってみたいなぁ

 何て思いながら神社でゴロゴロしてると

 

「ん? 呼んだ?」

 

「ビクッ!!」

 

 あれ? 霊夢なら今居ないハズじゃあ···

 少し焦りながら起き上がると案の定、霊夢の姿があった。

 

「何よ、そんなに焦って」

 

「べ、別に焦ってないよ。霊夢こそどうしたの?」

 

「私は忘れ物をとりにきただけよ」

 

 まぁ、霊夢は分かってないみたいだったから良かった。

 霊夢は小さな手提げのような物を見つけると、もう行く準備をしていた。

 

 

 ···あっ、この際だから頼んでみよう。

 

「今から人里に行くんだよね? 僕もついていって良いかな?」

 

「·········別にいいけど···」

 

 霊夢は少し考えた後に許可を出してくれた。

 人里に何か居るんだろうか?

 まぁ久しぶりの外だから何でもいいや、そういう事を考えている内に支度を終えた。

 

 

 どんな所かなぁ

 出発して少したってから人里らしき所がうっすらと見えてきた。

 

「もしかして、あそこに見えるあれ?」

 

 遠くに見える景色を指差しながらそう言ってみる。

 

「···良く見えるわね。場所がわかってる私でさえ見えにくいのに」

 

 僕には見えにくい、何て事は無かったんだけど···

 まぁ、いいか。

 そんなことを言い合ってる内にどんどん近づいてきた。

 

「この先からがもう人里って事になってるわ。私は買い物済ませておくから自由に歩き回ってて良いわよ」

 

 そう言うと歩き出した霊夢だったが、直ぐにこちらを振り向いた。

 

「最後に言っておくけど、絶対に一人になっちゃダメだからね」

 

 ん? 何でだろう···

 その場で固まっていると、突然誰かに声をかけられた。

 

「···あんた、ここら辺じゃ見ない顔だね」

 

 それはパッと見40歳ぐらいのオジサンだった。

 

「少し前に幻想卿に来たばかりで、この人里に来るのもはじめてなんですよ···ハハ」

 

 苦笑いを浮かべながらそう言うとオジサンも笑って答えてくれた。

 

「そうかい、所でここに来る前はどこで生活していたんだい?」

 

「博麗神社っていう所なんですけど···」

 

「···あぁ、あの博麗の···」

 

 オジサンはそう言って少し微笑んでいた。

 

「···初めてなのだろう、案内位はさせてもらうよ?」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

 ···幻想卿で霊夢や魔理沙以外と話すのは初めてだから少し緊張するな

 まぁ、前みたいに話せればいいか···

 

 ······ん? 前みたいに? ···いつの話だろうか。

 ···気にしてたら、それだけ時間の無駄かな。

 今どこかに向かっているようだけど、大事な部分を聞き逃していたようだ。

 

「あ、あの···」

 

 どこに向かっていたか聞こうと思ったが、それよりも目のはしに止まった小さな紙が目に留まった。

 

「···すみません、これは何ですか?」

 

「え? ああそれは気をつけて下さいっていう警告の張り紙だよ」

 

「気をつけるって一体何に···」

 

「何かってそらぁ、この辺りに出る化け物のことさ」

 

「人里なのに化け物なんて出るんですか!?」

 

 確か霊夢に聞いた話では人里では妖怪なんかは居たとしても人を襲うことは出来ないハズだ。

 ···だとしたら妖怪じゃない何か···?

 

「お、あんた中々勘が鋭そうだ、その顔妖怪じゃないって思ってるだろう?」

 

「実はここに書いてある······」

 

「············」

 

「·········」

 

「······」

 

 

 

「ふぅ、一通りは案内し終えたかな。またここに来ることがあったら気軽に話しかけてくれよ」

 

 そう言ってオジサンと別れたが、肝心なこと忘れてたなぁ。

 

「······名前、聞いてなかった」

 

「何かあったの、ぼーっとしてるわよ」

 

「っ! 霊夢いたんだ」

 

 ぼーっとしてたらしい僕は霊夢の存在に気付いて無かったようだ。

 

「あ、もしかして······」

 

 僕を人里に行かせるのに乗り気じゃなかったのはさっきの張り紙の件があったからかもしれない。

 成る程、と思うと同時に霊夢ってやっぱり優しいなぁ、とも思えていた。

 

「な、何よ?」

 

「いや、何でもないよ。でもいつもありがとう」

 

 

 そう言って笑うと、

 

「······そうね」

 

 顔を背けられたが、その顔は笑っているような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んでくださり、ありがとうございます。
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