裏切りの菅笠なんて捨てるんじゃ!!   作:紅乃 晴@小説アカ

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※指摘事項があったため修正しました


序章
小茂田浜で蒙古狩りじゃあああ!!


 

 

時は文永11年。

 

対馬国、小茂田浜。

 

 

日本を征服すべく、前哨戦として対馬には元朝の将軍コトゥン・ハーン率いる軍勢が乗る船が、海上沖にひしめいていた。

 

すでに浜には蒙古による野営が敷設されており、対馬の侍たちが到着した頃には、その野営は一種の要塞と化している様だった。

 

対馬の地頭である志村が声を上げ、侍の勢が蒙古軍へと走り出す。だが、多勢に無勢だった。志村の命で先んじて陣へと赴いていた安達家の当主、安達晴信が討死し、侍たちは蒙古の卑劣な手に憤りを抱き、戦線へと挑んだが個より軍勢で押し寄せる蒙古の手により、次々と勇猛果敢な侍たちが倒れてゆく。

 

てつはうの火が奔り、火の槍が降り注ぐ。小茂田浜の戦いは地獄だった。

 

そんな中、先陣を切った志村たち一行から遅れ、浜の西側へと打って出た侍の姿に、多勢に無勢と余裕を持っていた蒙古軍は恐れ慄く。

 

侍の死体はなく、蒙古の死体が次々と積み上げられてゆく。てつはうで脅すが効果はなく、爆音と閃光により、聴力と視力が落ちているはずなのに、その侍は止まることなく蒙古の兵士たちの首に一刀を刺し込んだ。

 

返り血で全身を赤く染める姿はまさに鬼。

 

巨漢の蒙古兵が、盾と戦斧で応戦しようとするが、間合いに入る前にハヤテのごとく構え放たれた矢によって頭を撃ち抜かれる。

 

刃を翻したかと思えば少しでも離れている相手の頭部を次々と射ってゆく。

 

近づけば目に見えぬ3連の斬撃と、紫電の一閃により胴と手が両断され、蒙古が火の剣を出せば、侍はより鋭く燃える炎の刃を抜き、相手を切り裂く。

 

その様に優勢だった蒙古兵たちは恐れ、退き、かの侍に追従する対馬の武士たちも、その戦いぶりに戸惑いを隠せない。

 

対馬には伝説があった。

 

この地を汚す悪鬼あるならば、それを討つために冥府の国から武士〝もののふ〟が甦らん。

 

 

 

 

 

人はそれを、畏怖と敬意を持って「冥人」と呼んだ。

 

 

 

 

 

 

////

 

 

 

 

 

 

ゴーストオブツシマ。

 

中世日本、侍になって対馬国を駆け回り、押しいる蒙古を斬っては捨て、斬っては捨て、民草を守り、蒙古の将軍コトゥン・ハーンとの戦いを描いたアクションゲーム。

 

主人公、境井仁は冥人として対馬のために邁進し、まるで鬼神のような活躍をもってして蒙古の軍勢から対馬を取り戻したが、その一方で肉親同様に育ててくれた志村と対立。侍としての誉を捨て、外道に堕ちてでも対馬を救おうと孤独の道を歩むという結末に終わる物語。

 

そのゲームに心を打たれた者は多いのではないだろうか?刀を振るい、蒙古を討ち、孤高の戦いを繰り広げる時代活劇。

 

かく言う俺も、そのゲームにのめり込んだ者の一人だ。

 

蒙古の一撃を払い除け、一刀を切り返す。受け流しの極意はコマンドミス。カウンターからの切り払い。赤い攻撃アイコンはスウェーバックで避けて突きでカウンター。

 

基本、対馬のゲームはカウンターなのだ。

 

ジャスガで相手を崩して斬る。避けて相手の隙を突いて斬る。逃げようなら追いかけて倒す。走られたら弓矢を構えて射抜く。蒙古は許さぬ。その心情を胸に対馬を駆け抜けた。

 

そして、ある日突然。

 

俺は対馬国にいた。

 

それも、裏切りの菅笠を持つキャラクター、「竜三」として。

 

 

 

 

 

 

////

 

 

 

 

 

ア゛ァーーーイ゛!!!

 

やっぱり横格からのブッパはやめられねぇぜ!!!!ぶった斬った敵を踏破して新たな敵へと突貫します!!!!

 

時は鎌倉時代!!文永って何年だっけ!?知らん!!場所!?小茂田浜ですけど!?とにかく闘志にアドレナリンぶんぶん突っ込んで蒙古の軍勢と戦っております、裏切りの竜三です!!

 

まだ裏切ってないし、裏切る気もないけどな!!

 

飛び込んできた蒙古の首めがけて紫電一閃!!相手は死ぬ!!近くに雷落ちたけど蒙古に当たったからヨシ!!

 

「竜三殿が先陣をきったぞ!!続けぇー!!」

 

後ろの方で対馬の侍さんたちも、俺の猿ムーブに感化されたのか気合十分で押し寄せてくる。相手は総崩れだった。そんなに俺の猿ムーブが効いたのだろうか?ならもっとモンキーにならないとな!!対馬のモンキーを舐めるなよ!!

 

ウッキー!!!今年は文永11年!!!!ア゛ーーーイ゛!!!エ゛イッ!!!

 

憤怒の舞のブッパはやめられねぇぜ!!

 

と言う感じに小茂田浜の戦い。物語の序盤である志村様と仁とは別ルートとなったが、仕方あるまい。それに俺は〝菅笠衆〟ではないのだ。

 

菅笠被ったら死亡フラグ一直線じゃないですかヤダァ、ということで仁との刀比べをやる前に対馬のあちこちを回って、ゲーム中に仁が会得するであろう奥義のほとんどは履修できました。

 

迫り来る巨漢の蒙古兵!!だが残念、この間合いは半弓の距離だ!!全集中(仮)の域で半弓の狙いを定め、二人の巨漢の蒙古兵のど頭に矢を叩き込む。南無三、次に生まれた時はもう少し間合いを考えような。

 

背後に迫る蒙古兵の刃。青い光が見える!そこだぁ、とジャスガして隙ができた相手の首筋に一閃。崩れ落ちる相手に、他の蒙古は恐れ慄く。

 

さて、ここまで来たらわかるだろうが、俺こと竜三は〝転生者〟だ。

 

どちらかと言う子供の時に仁と遊んでいた竜三が崖から落ちて頭を打って思い出したというか、憑依に近いかもしれないが、とにかく現実世界で眠ったはずの俺は気がついたら竜三となっていたのだ。

 

竜三といえば逃れられない仁への裏切りと死闘。このまま何もせずに放っておけば死亡フラグ一直線。それを避けるためにあれこれと鍛錬に励み、野盗を狩り、鍛錬に励み、熊と戦い、鍛錬に励み、民草を助けていたら、気がついたら安達家の家来として召し抱えられていたでござる。アイェェエ…しかも、息子さんたちと共に小茂田浜に絶賛出陣中なのだが、肝心の安達家当主が序盤で焼きダルマにされてしまってからが大変だった。

 

息子たちの怒気に気押されるまま小茂田浜の激戦区へと繰り出したと同時に、蒙古の軍勢と遭遇。ゲームでは蒙古に敗れ悲惨な最後を遂げる安達家の息子たちだが、政子様を対馬バーバリアンにするわけにはいかん。

 

あの人、ゲームでは無類の武闘派だけど普段はめちゃくちゃ温厚なのよ。当主もいい人で、刀比べで仁にバレないように手を抜いてたの見抜かれた時も、安達家の家来として召抱えてくれたし。安達家には恩義がある。ここで二人を死なすわけにはいかん。

 

ということで蒙古軍のど真ん中へと斬り込んだわけだが、途中から考えることすら億劫になっていた。敵が多い!!凄く多い!!ああん!?てつはうなんて効かんのじゃボケ!!死に晒せ!!隠密的な蒙古を袈裟斬りにして踏破すると、今度は火矢が雨のように降りかかってくる。

 

侍たちが倒れていく中、二人の息子を死守しつつ火矢を放つ蒙古のビックリドッキリメカを捕捉。射手を長弓で打ち抜いて、浜に停泊している蒙古の船を片っ端から燃やして、てつはうや蒙古の弓をいなして斬っては捨て、斬っては捨て。

 

 

 

そして気がついたら、対馬の侍は敗北していた。

 

 

 

 

 

 




対馬おもしろいよね

ノリと勢いと面白さに全振りしました。気が向いたら続けます。
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