裏切りの菅笠なんて捨てるんじゃ!!   作:紅乃 晴@小説アカ

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ぶらり豊玉ちん道中省略編

 

お久しぶりですね!!

豊玉冷血男、マシーン蒙古殺しの竜三です。

 

豊玉の道が解禁されてから幾星霜。仁たちメインルートから分かれた俺は巴と共に安達家襲撃の下手人たちを追う旅に出ました。まぁ基本的に浪人を嗾けた奴らを片っ端から探し当てて斬り殺してるだけなんですけどね。

 

豊玉には蒙古の拠点が壱の島とは比べもんにならんほどあるし、蒙古という蛮族の後ろ盾を得た菅笠衆も闊歩してるし、安達家の痕跡を追うたびにエンカウントしては斬り殺して次に行くという日々でした。

 

道中で「冥人との刀比べ」とかいう目標を掲げる五人の浪人と出会ったりしたんですけど、基本的にこいつらは仁がぶった斬るべき相手なので峰打ちで済ませました。最初の一人目の時は巴も驚いていたけど、三人目くらいになると一騎打ち始めた途端にお弁当広げて観戦し始めるもの。ちょっとは手伝ってもらえないですかね?

 

向かって来る浪人を逆刃でしばき倒して、追い剥ぎしてる菅笠をぶった斬って、拠点にいる蒙古をぶった斬ってという中、鑓川が蒙古に襲われている戦場に鉢合わせ。

 

なし崩し的に籠城する仁に協力する形で、鑓川の陣を囲む蒙古の軍勢を背後から巴と急襲。馬鹿でかい投射台とかを破壊するミッションをこなしながら鑓川陣へと向かうと、返り血まみれになった冥人モードの仁と再会。

 

行きがけの駄賃でぶった斬った蒙古の隊長が、鑓川襲撃の主隊長だったらしく、蒙古は敗走。鑓川の野営は無事に守られたのでした。

 

鑓川家の陣で、久しぶりに仁と話したがどうやら鎌倉への文は出せたようであとは生家にある鎧を取りに行くだけらしい。巴も俺も豊玉での下手人狩がほとんど終わっていたため、仁の里帰りに同行を申し出る。正直に言えば仁が薬草の専門家であり乳母の百合に毒の製作を依頼しないように見張るためであるが。

 

生家のある青海村に赴いた俺たちは、百合に迎え入れられ久々の休息を得ていた。

 

 

////

 

 

「百合のことは、残念だったな」

 

「ああ、だが…満足して逝けたようだ」

 

仁が生家に帰ってきてから数日後。すでに老体であった百合は家長であった仁の父との思い出に浸りながらこの世を去った。供養は略式となってしまったが、蒙古を討ち滅ぼしたのちにしっかりと安置するつもりだ。

 

「竜三、志村殿の城の奪還。お主の力がいる」

 

青海から程近い場所にある温泉に二人で浸かりながら、仁は竜三にそう言った。百合に毒を作る手立てをと考えていたが、後の世に遺恨を残すと竜三に言われて仁は思いとどまったのだ。

 

「力は貸す。だが、俺の目的は上県にいる安達家襲撃の黒幕だということを忘れるなよ?」

 

「無論だ。叔父上も協力の暁には褒美をくださるようだ」

 

「だと良いがな。蒙古にしてやられた痛手は大きい。まずは対馬の復興が先だ」

 

「そうだな…竜三、お主が隣にいてくれて、誠に心強いぞ」

 

そう言った仁に、竜三は小さく笑みを向ける。

 

「ああ、それは俺もさ。仁」

 

温泉から見える空は茜色に染まっていて、その景色は仁の胸に深く刻み込まれた。

 

衝撃が走ったのはそれから数日後だった。

 

竜三と一度別れ、城攻めの準備が進む最中。志村の部隊がコトゥン・ハーンの下知状を手に入れたのだ。

 

下知状は菅笠衆に向けて書かれており、志村の戦陣を菅笠衆に襲撃させる命令が記されていた。そして、抵抗する場合は高野山砦にて捕らえた「竜三」を始末せよ、と。

 

仁は考える前に動き出していた。

 

姉に代わって協力を申し出たタカの助力により、砦への潜入に成功。だが、それは仁を誘き出すための罠だった。潜入を読まれていた仁は背後へ忍び寄っていた敵によって気絶させられてしまったのだった。

 

 

 

////

 

 

 

「仁、生きてるか?」

 

飲まず食わずで干されていた仁は、その声に目を覚ました。目を開けると、そこには磔にされていた仁を覗き込む竜三の姿があった。

 

「りゅ…竜三…」

 

「随分とやられたな?仁。俺たちが来るのがもう少し遅れていたら、タカが一人でも乗り込んでいきそうになっていたぞ?」

 

ようやく覚醒し始めた意識を奮い立たせ、仁はあたりを見渡す。そこには弓で射られた見張りの蒙古兵と惨殺された兵士たちが横たわっている。死体から矢を引き抜く巴もいて、竜三の隣ではタカが心配そうにあたふたとしていた。

 

「…竜三…すまぬ…心配を…かけたな…」

 

「ああ、まぁ気にするな。とりあえず何か食わんとな。城攻めまで持たんぞ?」

 

タカが木立で固く縛られた仁の縄を切る。その最中、穏やかだった竜三の気配が変わった。霞んだ目を開けて、竜三が見据える先を見る。

 

そこには部隊を連れて現れた「コトゥン・ハーン」の姿があった。

 

 

 

 

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