「…小茂田で西の蒙古を打ち倒したと言う侍の正体が、まさかお前だったとはな…」
浅藻の浦で勝鬨を上げた後、村長や民からありったけの感謝の言葉と、村にある僅かな食料で夕餉をいただき、俺と巴はなし崩し的に合流した境井一行と共に、壱の島1番の鍛冶場がある小松の集落へと足を向けた。
疲れ切っているタカや久々の再会を噛み締めているゆなを置いて、俺と仁、そして巴で斥候し、小松を制圧していた蒙古どもを見敵必殺!!
ゆなに叩き込まれた暗殺を駆使する仁。まだ後ろ髪を引かれるような躊躇いを感じられるがその手際は鋭さを増している。
よしよし、蒙古に慈悲はない。それこそが冥人へ至る第一歩よ。ただやり過ぎると志村様や鎌倉に目をつけられるからそこそこにしておこうな!!分散していた小部隊を仁と共に滅してから、声を上げて残りの敵を呼ぶ。ここからはモンキーパークやで!!生き残りは出さん!!増援?許さんッ!!貴様らは俺たちを超えることなど出来ぬぅ!!
ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛イ゛ッ!!!!
そんなこんなで、蒙古の死に体の山を築き上げ、小松を確保した俺たちは安地にいたタカたちを呼び、無事に鍛冶場を確保しましたとさ。めでたしめでたし。
「俺は、お前が生きていると思ってたぞ?」
鍛冶場近くの焚き火を囲みながら、俺たちは久々の再会を喜び合う。
ゆなの「この人たちは冥府より蘇った冥人様たちだよ!!」と、ちょいと原作改変されたセリフが聞けて気分が良くなってるのか。とても楽しい気分だ。
仁も張り詰めていたような顔がほぐれている様子で、手に持っている対馬の酒を煽る。すると、タカと一緒にいた商いの堅二が酒の入った瓢箪(ひょうたん)を持って現れた。
「いやぁー!あっしは感動しました!あそこまで強いお侍様がいるとは!!」
「主も大概な強者だ。蒙古相手に酒を振る舞って仁から目を逸らさせるとは」
「滅相もない。あっしに出来るのは酒盛りと高く酒を蒙古に売ることくらいです」
ささ祝酒です、と言われて堅二から追加の酒をもらう。
近場の川で釣ってきた魚も焼いているので、頃合いのいい魚と追加の酒を隣にいる巴に渡した。彼女も戦い通しだ。疲労も溜まっているようで、美味しそうに魚を頬張り酒を煽った後、俺の膝を枕に眠りについた。
仁の話では石川先生が巴を探しているらしいが、とりあえず当分は所在不明にしておこう。対馬でも屈指のロクデナシだ。たまにはいい薬になるだろうさ。
「仁、小松の鍛冶場で何か頼んでるんだろ?」
「ああ、タカに道具をな。金田の城を落とすには必要だからな」
「行くのか?仁。志村様がいる金田に」
そう問いかけると、仁は酒を煽って頷く。
「無論だ。叔父上は対馬の地頭。そして常に勝利を収めてきたお人だ。対馬から蒙古を一掃するには叔父上の力が必ず必要となる」
まぁ確かに、志村様を助けんと対馬の武家もまとまりがでないからなぁ。安達家があちこちに手回しはしているが、現状維持がやっとと言う限界もある。
すると、仁は瓢箪を置いて改めて俺の方へと身体を向けた。
「竜三、叔父上の救出に力を貸してはくれぬか?」
「おいおい。ここまで来といて、無理と言うと思ってるか?仁」
「ふふふ、思わないな」
楽しげに笑う仁を見て、俺もニシシと笑みを浮かべる。安達家に仕えてからも仁とは交流があった。いわゆる幼馴染であり、友でもある。仁もわかっていただろうが、親しき仲にも礼儀ありと言う言葉に則ったのだろう。
「仁。俺たちも豊玉に抜けなければならない使命がある。小茂田の戦いの際に安達家を襲った賊を追っていてな」
「政子様から聞いた話だ。では、暇を出されたのも?」
「その通り。安達家は金田の城を攻める為に必要な拠点を確保してくれている。手を離すわけにはいかんさ」
「なるほどな。叔父上救出の後に、俺も手を貸そう」
そう言ってくれるのは嬉しいけど、ぶっちゃけこれは俺のわがままだしなぁ。それに仁には仁の物語がある。豊玉からさらに北に行けば、その過酷さは増していく一方になるだろう。
「お前にはお前の使命がある。助太刀は無用さ…まぁ、助けが欲しいときは声をかけさせてもらうさ」
そう答えた仁の肩を叩く。持つべきものは友だなと微笑むと、仁は再び俺に頭を下げた。
「かたじけない。恩に着るぞ、竜三」
俺は言葉で答えず、瓢箪を差し出す。仁も応じて瓢箪を出し、それを軽く合わせ、一緒に酒を煽った。うむ、うまい。あと巴さん?寝たふりは良いけど少し笑うの堪えてくれません?震えが伝わってきます。自分でもキザなセリフ吐いたのは自覚してますから!
「蒙古だ!!蒙古がくるぞぉー!!」
そんな余韻の中、村の中にある鐘が鳴り響いた。酒の心地よさが一気に飛んで、俺と仁は刀を手に取って立ち上がった。巴?俺らより先に起きて、弓持ってさっさと高台に上がったよ!!
「仁!!」
「わかっている!!」
腰に本差を差して小松の外れまで一気に駆けると、川を挟んだ向こう側から蒙古に追われる馬が見えた。操るのは菅笠を被った浪人だ。
「あれは菅笠衆か!?」
「仁、伏せろ」
振り返る仁は俺の意図を読んですぐに伏せる。全集中!蒙古ぶち殺しの型!!
長弓を構えた俺と巴が放った矢は川を越えて、菅笠衆を追い立てる蒙古の騎兵や頭部をぶち抜く。ビューティフォー。
仁が驚いた様子だが、ははーん?さては貴様初見プレイだな?二週目なら間髪入れずに追撃に走り出してるはずだし。
4匹いた蒙古がほぼ同時に崩れ落ちると、菅笠衆の男は浅瀬を通って集落の入り口へとたどり着いた。残りの蒙古?矢の餌食になってますが何か?基本ヘッドショットの巴は流石にぱねぇです。
「無事か?」
「ああ、助かった…すまない…逃げるので精一杯で…」
仁が話しかけると菅笠衆は息も絶え絶えと言った様子で答えた。本来なら俺が頭をやってるんだけどな!!滅んでないだけ図太いと言うことか。
「何故小松まで逃げ通せてきたのだ」
「小茂田の戦いで、菅笠衆のほとんどがやられちまった…。生き残った奴らもいるが、とにかく食料も金も足りねぇ…。衆総出で食料を探していた時に、蒙古に捕らえられて…」
命辛々、その菅笠衆はなんとか逃げ通せてきたとか。ほぁー大変ですねぇ。今頃砦の中で美味いご飯でも食べてるんじゃないですか?
「連れて行かれたか、どうする。仁」
「金田の城の奪還に、菅笠衆を仲間に加えられれば…」
オイオイオイ、死んだわアイツ(菅笠衆が)
まぁ金田を攻める以上、戦力が多いに越したことはないけど、少々悪食ですわよ、仁さん?
「仁。交換条件というわけか?だが、相手は浪人だぞ?」
「そう言うなら、お主もだぞ?竜三」
ははは、笑える。
とりあえず仁の中では菅笠衆に助力を求める方向で決まっているらしい。まぁメインシナリオだからね!仕方ないね!!敵に回った瞬間にその菅笠に矢をぶち込んでやるから覚悟してろよ(ガンギマリの目)
「仲間は矢立砦に連れてかれた。あそこは岩山のてっぺんで、正面から入るのは無理だ」
菅笠衆の言葉通り、矢立砦は自然の要塞だ。俺単騎で突っ込んで覚醒吐いて全てを破壊しても良いんだけど、その場合捕虜の菅笠衆がアボンする可能性もあるからなぁ。モンキーパークにはペンペン草も残らんのじゃあ。
「タカの道具ができる前に、菅笠衆が死んでしまうぞ」
思い悩む仁。うーむ。これは確かに時間との勝負ですな。俺の竜三じゃなかったら、鉤縄できたタイミングで矢立砦に行こうぜって誘いに来るんだけど、今は俺の竜三だからな!!イレギュラーが起こってるっぽい。まぁそんだけ蒙古も必死と言うわけで…ハッ!?
竜三、そこで電流が走る!!
「仁、とにかく動こう。矢立砦周辺の野営を片っ端から潰していく。相手の目を外に向けさせ、威圧し続けるんだ」
必死ならさらに必死にさせれば良いじゃん(名推理)。後がないと思い知らしめれば、向こうから門開けて許しをこいてくるかもしれんやん?まぁ許さんけどな!!トドメ刺してくれる!!
「良い案だが、できるか?」
「俺とお前なら、な?」
俺の言葉に仁はニヤリと笑って頷く。
「無論だ」
さーって!!仁さん強化合宿、はっじまるよー★貴様もサルの呼吸を身につけるのだ!!防御強化もまだなら攻めて攻めて攻めまくるしかありませんわ!!中途半端なサルになるくらいなら俺と一緒にモンキーパークを開場しましょう!!
万色に発光しつつ、ユーロビート系の曲を爆音で流して、高速回転しながら蒙古を殺して回ろうぜ!!(満面の笑み)
ウッキィィイイィイー!!