ガンダムビルドダイバーズ レンズインスカイ   作:二葉ベス

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VSメデューサ姉妹 前哨戦


第29話:夏の説得。危険と決意と

1:以下名無しのダイバーがお送りします。

ここはガンプラバトル・ネクサスオンライン通称『GBN』に関して雑談するスレッドです。

 

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 ◇

 

836:以下名無しのダイバーがお送りします。

そういや、あのバカルテット解散ってマ?

 

837:以下名無しのダイバーがお送りします。

バカルテットって?

 

838:以下名無しのダイバーがお送りします。

あぁ!

 

839:以下名無しのダイバーがお送りします。

あぁ!

 

840:以下名無しのダイバーがお送りします。

あぁ!

 

841:以下名無しのダイバーがお送りします。

それって、ウイングガンダム?

 

842:以下名無しのダイバーがお送りします。

伝説上の生き物さ!

 

843:以下名無しのダイバーがお送りします。

伝説って?

 

844:以下名無しのダイバーがお送りします。

無限ループやめれ

 

845:以下名無しのダイバーがお送りします。

あれよな、最近動画上げてないけど、ちのちゃんとやってた

 

846:以下名無しのダイバーがお送りします。

あの3枚抜きやばかった試合だろ?

向こうも善戦してた思ったんだけど、相手が悪かったか

 

847:以下名無しのダイバーがお送りします。

ちのってランカーでG-Tuberのだろ?

で、バカルテットってなに

 

848:以下名無しのダイバーがお送りします。

春夏秋冬ってフォースで、

ヴァルガをモビルワーカーでかっ飛ばしてG-Tuberスレで話題になってた

4人いるから、通称バカルテット

 

849:以下名無しのダイバーがお送りします。

ふーん。かわいいじゃん

 

850:以下名無しのダイバーがお送りします。

カフェテリアで揉めてたところを見たって

 

851:以下名無しのダイバーがお送りします。

あー、なんか最近あったらしいな。ガンスタで見ただけだけど

 

852:以下名無しのダイバーがお送りします。

情報が抜けてるな。相手はメデューサ姉妹だ

 

853:以下名無しのダイバーがお送りします。

えぇ……(困惑

 

854:以下名無しのダイバーがお送りします。

あいつらかぁ……

 

855:以下名無しのダイバーがお送りします。

メデューサ姉妹って何? やべぇ奴らなん?

 

856:以下名無しのダイバーがお送りします。

やべぇ奴ら

 

857:以下名無しのダイバーがお送りします。

アマゾネス軍団のボス猿

 

858:以下名無しのダイバーがお送りします。

フォース「オリンポス」のリーダーと次席の2人を総称して、メデューサ姉妹って呼んでる。

なんでも男を極端に嫌ってる口があって、襲われた男は再起不能になったとか

あと人種差別意識も強いから、ELダイバーも相当嫌ってる

 

859:以下名無しのダイバーがお送りします。

あいつらは気に入らない連中を利用してボロ雑巾になるまでこき使ってるんよ

 

860:以下名無しのダイバーがお送りします。

ロロ雑巾かよ

 

861:以下名無しのダイバーがお送りします。

さんざん使い倒した挙げ句、ボロ雑巾のように捨てるんか

 

862:以下名無しのダイバーがお送りします。

で、そのバカルテットがメデューサ姉妹となんで揉めてるの?

 

863:以下名無しのダイバーがお送りします。

詳しくは知らないけど、ELダイバーのセツって子がオリンポスに戻ったらしい

 

864:以下名無しのダイバーがお送りします。

マジで?!

セッちゃんあんなに楽しそうにしてたのに

 

865:以下名無しのダイバーがお送りします。

めちゃ許せんよなぁ、メデューサ姉妹

 

866:以下名無しのダイバーがお送りします。

一応姉のメイヴが4桁台のランカーだから、あんまりそういう事言わん方がいいぞ

 

867:以下名無しのダイバーがお送りします。

後見人はどうしてるん?

 

868:以下名無しのダイバーがお送りします。

ちのちゃんか。まぁ、事態を理解してるだろうよな

 

869:以下名無しのダイバーがお送りします。

迂闊にフォース動かせないしな。

やったらやったでちの・イン・ワンダーランドとオリンポスの全面戦争だぞ

 

870:以下名無しのダイバーがお送りします。

ギスギス・ネクサスオンラインかよ

 

871:以下名無しのダイバーがお送りします。

ちのちゃんなら勝てると思うけど、他がどう動くか

 

872:以下名無しのダイバーがお送りします。

結局静観って感じか。状況悪化したら嫌だしな

 

873:以下名無しのダイバーがお送りします。

それより聞いたか?

「チハヤ」ってELダイバーに賞金首がかかるかもって話

 

 ◇

 

「ってなわけ。どうかな?」

「文字通り、あたしたちも掛け金ってわけね」

 

 そんなスレがわたしたちの知らぬ間に建っていたとしても、あまり関係ないことで。

 あの後、テラスからカフェテリアへ移動したわたしたちは、ナツキがメデューサ姉妹に提案する条件を確認していた。

 内容というのはこうだ。

 

「フォース戦でわたしたちが勝てたら、セツの解放。もし負けたらオリンポスの隷従……」

「ま、二度と幸せなGBNライフは送れなくなるよね」

 

 他人事のように言っているが、この女はさっきまで夢が叶ったとか、あたしは幸せもんだ、とか散々わたしたちに感謝していた人間だ。そんな適当言ってもいいのだろうかと、やや疑問にはなるが、彼女がそれでいいならわたしも遠慮なく流されよう。

 

「でも、メデューサ姉妹がそれを受け入れると思う?」

「そこなんだよねー! 条件は対等。それよりかは私たちの方がリスク高いよ」

「でも、ナツキはそれで行けると思ったんでしょ?」

「うん。それは間違いない」

 

 憶測だけど。その言葉を口にした彼女の手は少し震えていた。

 ナツキでも不安になることはあるんだ。何故だか少し安心したように、わたしはナツキの手に自分の手を重ねる。

 暖かい。勇気と優しさに満ちていて。少しの不安だってあるだろうに、それでも明るく振る舞って。

 

「ハル?」

「ひとりじゃないよ。わたしたちは、4人で春夏秋冬なんだから」

「うん」

 

 2人だけの空間、というのは得てして3人目はハブられるものである。

 不満そうにわたしたちの重ねた手をペチペチ叩いて、いつの間にか見つめていたナツキの顔から、モミジの顔へと視点が切り替わる。

 

「あんさー。2人だけの空間つくんのやめてくんなーい。イチャつくなら他所でやって」

「イチャつくって……。ハ、ハルとはそんなんじゃないし……」

「そーいうふうには見えなかったけどなー」

 

 チラチラ見てくるモミジの顔が無性に腹立つ。

 な、何さ。何が言いたいのか口に出してハッキリ言ってみてよ!

 挑発的な真似が、モミジの口元を歪ませる最大で最凶の原因だったんだと思う。

 

「あー、言っちゃっていいのかなー? 実はハルが言いたくないことなんじゃないかなーーーーー」

「は、はぁ?!」

 

 図星をなんとか反論してみるけれど、モミジにはそれは悪手。

 わたしのそばに寄ってきて、一言。ナツキには聞こえないように耳打ちしてくる。

 

(ナツキチのこと、好きなんじゃないの?)

「んなっ?!」

 

 今、なんと言ったこの女。わたしがナツキの事が好きとか、そういうのじゃないってば!

 

「なに変なこと言ってるのさ! わたしはそんなんじゃ」

「いいっていいって。あたしは、見守る女だから、さっ!」

「ナツキ。今からでもこの女をキックしよう」

「ハル、何言われたの?!」

「あれれ~? そんなにふたりっきりになりたいの~?」

「うぅうううううう、モミジィ!!!!」

「やっばー、逃げろー!」

 

 この後、めちゃくちゃ追いかけっこした。

 

 ◇

 

「メイヴ様。我々にフォース戦を挑もうという不届き者がやってきたのですが……」

「そう。連れてきなさい」

「はっ!」

 

 メイヴはそう言うと、部下を下がらせる。

 メイヴの実の妹であり、姉を一番だと崇拝する危険なダイバー、タカミネが意見を始めた。

 

「お姉様! 誰とも知らずに、我々に挑む愚か者を蹴ってもよかったのですよ?!」

「慌てることはないわ、タカミネ。あたしの考える通りなら、そろそろなのよ」

「そろそろ、とは?」

「来たわ」

 

 中世のファンタジーによくある古びた王の間。ところどころ壁が割れていたり、苔むしていたり。だが、その邪悪な雰囲気はフォースとピッタリ合っているのだから不思議だ。

 ギギギと錆びついた大きなドアを開ければ、女王2人が偉そうに、人を見下すように座っていた。

 

「頃合いだと思っていたわ。フォース春夏秋冬。いえ、もう冬は抜けてしまったかしら?」

 

 相手の調子に合わせる必要はない。玉座の前に歩いていき、わたしたちは手を結ぶ。

 1人では勇気は出ないかもしれない。だけど2人。3人ならば……。

 ナツキは息を深く吸って、緊張をほぐす。

 

「私たちの相談、受けてもらって嬉しいな」

「お姉様の小粋なジョークにも反応できないんですね」

「今の私たちは『全力』なので、くだらないジョークに耳を傾けてる余裕なんてないんですよ」

「あなたッ!」

「待ちなさい、タカミネ」

 

 女王メイヴは足を組み直して、再度耳を貸してあげるように、口元を手で覆う。

 いちいち上から目線で腹が立つ。だけど今だけは、この瞬間だけは冷静に対処するんだ。

 手を握る力が強まる。多分手のひらは汗でビッショビショだろう。だけど。それでも。ここはクールに対処しなくてはならない。

 

「私たちが勝ったら、セツをフォースから脱退させること。そして二度と追わないこと。そして、そっちが勝ったら、私たちはフォースを解散。そのままオリンポスに加入する。これでどう?」

「そんなので、私たちの憎可愛いELダイバーを人質に取るつもり?!」

「勝っても負けても、あなた達には一切危害は加わらない。文字通り、私たちだけの戦争です」

 

 第二次有志連合戦はGBN全体を賭けた、いわばデスゲームと言っても差し支えないだろう。

 だがそんなGBNの危機は過ぎ去ったと言ってもいい。だからわたしたちの戦争は、有志連合戦はこんな小規模でいい。セツを取り戻すためだけの、小さな小さなウォーゲーム。

 

「リスクはあなた達の方が上、ということね」

「そうです」

「ふぅん……」

 

 わたしたちを品定めするような、全てを見透かすような、そんな蛇睨みがこちらを見つめる。

 餌を見極めて、自分に得があるか、そうでないかを見定める大切で、こちらにとってはカエルの気持ちになったような息もつかせぬ苦しさ。

 心臓が早まり、呼吸が浅くなって息苦しい。

 主導権は向こうが握っている以上、いいも悪いも、メイヴの一言によって決まる。それが、どんなに怖いか。

 だけど、わたしたちは1人なんかじゃないんだ。3人寄れば勇気だって10にも100にもなる。

 数時間とも言える長い蛇睨みは実際数秒だったのだろう。メイヴの息を漏らす音が、部屋の中に響く。

 

「気に入らないわね」

「え?」

「リアルも賭けなさい。それでこのウォーゲームを開催する」

「リアル?!」

 

 文字通りの意味だった。

 負ければ、わたしたち3人のリアルの情報をすべてメデューサ姉妹に提供する。メイヴの出した条件とは、ネットの死よりも恐ろしい、リアルの特定だった。

 

「それは……」

「それが出来ないなら、この話はおしまいよ。帰り支度をしなさい」

 

 ナツキの握る手が強まる。想定していない出来事だ。それを了承できるかどうか聞いてないのだから、勝手に口が滑るわけには行かない。

 きっとリアルの情報を手に入れれば、彼女たちはどんなことでも情報を人質として強要してくるだろう。そのための掛け金。そのためのリスク。

 こんなの、1人じゃ下せない判断だ。ナツキの背中には荷が重すぎる。

 

 もう失いたくない。二度とこの手からこぼれ落としたくない。

 勇気は分けてもらった。今もこの手にはぬくもりが残っている。だから、わたしは。わたしだって、春夏秋冬のメンバーだ。

 

「その賭け、分かったよ」

「「ハル?!」」

「ふーん……」

 

 切り出したのがわたしだったから意外だったのかもしれない。

 だけど、わたしだって春夏秋冬を思う1人だ。4人じゃなきゃいけない。だから、危険な賭けにだってノッてやる。

 メイヴは満足そうに、口元を歪ませる。

 

「2週間後。ラグナロク・エリアで待ってるわ」

 

 わたしたちは、最初の賭けを勇気で勝ち取った。

 

 ◇

 

「マージ焦ったわー。ハルがそんなこと言い出すとか」

「ね。私もどうかなりそう」

「あはは、なんかごめん」

 

 緊張の糸が切れたように、カフェテリアの1席で深々とだらける3人の図は、まさしく不良そのものだっただろう。

 中に元ギャルが1人いるし、多分わたしたちは不良そのものだ。知らないけど。

 

「いいよ。どーせあの場の全員、答えられなかったし」

「ハルを除いてね」

「でも、2人とも良かったの? リアルの情報って」

 

 勝手に言っといて何言ってるんだとは思うだろうけど、あの場の押し込められる空気感を打開するためには誰かが賭けにノることを決意しなくてはならなかった。それがたまたまわたしだっただけだけど、流石に大きく出過ぎたかな。

 

「いいんだよ! あたしらが勝てばいいんだから!」

「だね。ありがと、モミジ」

 

 慰めの言葉はすごく胸にしみた。そうだ、わたしたちが勝てばいいんだ。

 でも、そのためには、もっともっと強くならなきゃいけない。

 

「正式に承認が来たけど、形式は殲滅戦。アライアンスも含めて全機参戦可能。正直無理だよね」

「うん。強くなんなきゃね」

「つーっても、この戦力差はどーにもならんくね?」

「それは、そうだけど……」

 

 アライアンスを含めると分からない部分は多いが、戦力差はざっと1対50。実力も並のダイバーではなく、1人1人が強力な相手になるだろう。どうにかして勝ちをもぎ取る方法。それを模索しなくてはならない。

 

「ていっても、個人の力量じゃこれはちょっと」

「うーん……」

 

 3人寄れば文殊の知恵と言うが、それでも思いつかない時は思いつかないものだ。

 だとしたらどうすればいいと思う? 答えはこれだ。

 

「見つけたー! もう、みんな揃って何考えてるの?」

「ちの……?」

 

 その答えは、強力な助っ人だ。




親御さん、ついに乱入
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