秋津守丸九様とのコラボ回となります!
IFストーリーですが、どうぞお楽しみください!
【番外編】慰労会【コラボ企画】
某日。
先日制圧したばかりの惑星で共和国軍を追っ払っていたら、招待状が届いた。
差出人はソフィア・パウロナ、ジェダイ・ナイトだ。招待状を持ってきたのはパウロナのパダワンである、クー・シスフェレスと名乗ったダソミリアンの女の子だった。
というか、あのジェダイ・ナイト頭おかしいのかな。
「ルシル卿?」
「ハンル、これどう思う?」
「招待状デスカ。」
「正しくは果たし状だけどね。」
そう、これは招待状なんて可愛いものじゃなく、果たし状同然だった。
便宜上はお食事に誘われているけど、最後には場所と日時指定がされていて、全面降伏を求める文章が書かれている。挙げ句の果てに、自分のパダワンに手を出すな、と。戦うなら自分が来ると、シスフェレスから伝言をもらった。
私を下に見て、良い度胸してるよねぇ。
「シスフェレス」
「何ですか?」
まだ帰っていないパウロナのパダワンに、声をかける。
「あんたのマスターは煽りが好きみたいだね?」
「いつものことです。」
「大変だね……」
「分かりますか……?」
「分かるよ……」
シスフェレスの困る姿が目に浮かぶ。
オビ=ワンも手を焼いていたみたいだけど、さすがにシスフェレスが可哀想だ。
「ねぇ、提案があるんだけど……」
「提案、ですか。」
「そう。人質にならない?」
「は?」
シスフェレスに、提案の中身を細かく教える。その提案に、彼女は了承してくれた。私の単純な
ジェダイの頃から思っていたけど、あの人は私よりとし歳上のはずななのに、精神年齢が低いままだと思う。子供か、って言ってやりたい。
まず二重人格のことから突っ込んでやればいいのかな?
「さて、始めますか。」
「はい。」
旗艦のブリッジでテーブルを用意して、卓上にデザートを広げる。甘いものも、ほろ苦いものも。とびきり美味しい紅茶も淹れ、シスフェレスと2人で椅子に座る。
彼女は名目上人質だけど、拘束しなきゃいけないなんて決まりはない。
記録はハンルに弄ってもらって誤魔化せばいい。
「好きなもの食べて。」
「これって……」
「セレノーでしか採れない希少なフルーツだよ。」
「ドゥークー伯爵に何も言われませんか?」
「大丈夫。それにここで戦勝会しても、主もドゥークー伯爵も何も言わないから。」
「主?」
「固い話はなし!それで、パウロナは来るかな?」
噂をすれば、パウロナは部隊を連れず一人で侵入してきたと報告を受けた。
フォース・ドレインを見せたのは失敗だったかなぁ。
「ルシル卿、止めますか?」
「いいよ、通して。」
私を呼び出そうとしてきたから、自分から来るように仕向けてやった。これが、シスフェレスに持ちかけた提案だ。シス卿を誘い出そうなんて、パウロナには百年早い。
「全バトル・ドロイド、攻撃を禁ずる。」
「なっ……正気ですか!?」
「我々の敵なんですよ!?」
「“クラウド将軍”、それはあまりにもドロイドが不憫です。その為のドロイドなのですから。」
「あー分かった分かった。じゃあ、パウロナが攻撃してきたら殺して。」
『ラジャラジャ!』
「その命令もどうかと思いますけど……」
「シスフェレス、何か言った?」
「いえ……」
チーム“ミスマッチ”に加え、シスフェレスが同情してきたから仕方なく、だ。
その数分後、パウロナがドアを破壊してブリッジに侵入してくる。
「クーちゃん!無事……え?」
入ってきて、パウロナは勢いを失う。デザートのテーブルを見て、シスフェレスと私を交互に見る。その後、パウロナはライトセーバーをフレイに振り下ろそうとする。
私はそれを慌てて止め、ライトセーバーを没収した。
「待って!私のドロイドを壊したら許さない。」
「“私の”ドロイド?」
「このブリッジにいるバトル・ドロイドは、全部私のお気に入りなの。壊したら殺す。」
「マスター、彼女のオモチャを取り上げたら後が面倒ですよ。ほら、座ってください。」
「まさか………クーちゃんも一枚噛んでるの?」
「こっちから提案したの。私を呼び出すなんて、ジェダイの分際で生意気だからね。」
「はぁ!?もういい!クーちゃん!帰るよ!!」
もういいとか言っている割に、お土産にデザートを手にするんだよね、この人。まぁいいけど、やっと騒がしいのがいなくなった。さすがにもう来ないでしょ。
「ではルシル卿、私達は“撤退”します。」
「クーちゃん!?」
「またね、シスフェレス。次に会う時は真面目に戦おうか。」
「はい。」
その時、パウロナは急に止まり、私もシスフェレスも疑問符を浮かべる。しかし、先に反応したのはシスフェレスだった。私もパウロナの変化に気付き、溜め息を吐いた。
“彼”が来る。
「よぅ、クラウド。」
「やぁ、久しぶり。いつぶり?」
「半年ぶりだな。」
「それで、パウロナがここに来たのはあんたの指示?」
「そうだ。」
面倒なことになった。もっと警戒しておけばよかった。彼の相手はしたくない。
ライトセーバー戦になれば、パウロナより骨が折れる。
「シスフェレス、先に戻れ。」
「分かりました。」
シスフェレスが出ていき、彼はライトセーバーを起動する。
「お前のペースに呑まれる気はない。ここで倒しておくのがベストだ。」
「私を倒す?シスの暗黒卿を?」
「昔馴染みだからと、チャンスを与えてやったんだ。期待は裏切られたが、これはこれで気が楽になった。エレノア・クラウド、お前を拘束する。」
「あははは!馬鹿じゃねーの!?私があんたを友達として見てたと思う?最初から、胸糞悪い外道ジェダイだったよ!」
「それは良かった。俺もお前のことは、堕ちたジェダイだと思っていたからな。」
その言葉に、私も赤いライトセーバーを起動する。
お互いがお互いを信じていなかったということだ。これで、私も後腐れなく殺せる。未練なんて、微塵もない。
「初めて意見が一致したね。」
「そうだな。だが、残念だ。お前がドゥークーの下にいなければ、多少は仲良くできたと思ったんだけどな……?」
私の中で、何かが切れた。
神経を逆撫でされた気分だった。こいつはソフィアと違って、人の嫌がることを直球で言ってくる。隠しもしない嫌がらせに、私は怒りを抑える。
シスである私が必死に怒りを抑えることは、これ以上ない屈辱だ。
屈辱には、屈辱を返してやる。
「今ならその“昔馴染み”の好で、見逃してあげる。私の前から消えて。さもないと、ここでフォース・ドレインを使う。」
「っ!?」
「近くにクローンがいるんでしょう?今なら黙っててあげるから、すぐに、私の、前から、消えて。」
ブラスト・ドアを勢いよく指差し、ドロイドにブラスターを向けさせる。
「クラウド」
「何?」
立ち止まるパウロナに、苛立ちが増す。
「ソフィアからの伝言だ。“裏切り者”、だとさ。」
「………早く消えて。」
私の殺意を感じ取ったのか、彼は笑みを浮かべてブリッジを出て行く。
撤退するというのに、笑みを浮かべる彼は油断ならない。いつもそうだった。彼は私を嫌というほど翻弄する。
パウロナの艦隊は撤退し、惑星は完全に私達分離派の領域になった。私はいつものように戦勝会をした後、一人部屋に篭る。プロジェクターを立ち上げて、古いデータからホログラムを映し出した。
そこには、オビ=ワンに殴られて不貞腐れる私とパウロナがいた。
オビ=ワンやパウロナの話は聞かない。アナキンの話も。決別すると決めたんだ。
私はダース・ルシル、シスの暗黒卿だ。
continue……
重ね重ね、秋津守様に感謝を申し上げます。
とても楽しませていただきました。
本当にありがとうございます(*´꒳`*)