【完結】理想主義者(笑)の自由奔放記   作:夭嘉

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ジェダイの帰還(Ⅵ)
楽園への序章


〈ホーム・ワン〉のブリッジに、各指導者が集められた。ホスの戦いから1年後のことだった。集められたのは、アナキンやフェラス、パドメを始めとする議員達、数々の戦績を持つ提督や将軍達だ。

 

たが、その中にレイアとルークはいない。2人はランドの呼び掛けに、タトゥイーンに行っていた。ハン・ソロを取り戻す為である。

 

モスマが静聴を呼びかけ、司令部は静まり返る。

 

ブリーフィングが始まり、フェラスにくっついてきたステファニーも口を閉じた。

 

 

「以前、第二デス・スターの建造が発覚しました。現在も、ボサンのスパイが位置情報を特定中です。」

「まだ完成していないんだよな?」

「オリン将軍、未完成ですが、楽観視はできません。今回集まっていただいたのは、“クラウド将軍”について話さなければならないからです。」

「ママっ!?」

 

 

目を輝かせるステファニーとは裏腹に、先に話を聞いていたパドメは暗い顔をする。モスマはそんなパドメに、ステファニーを連れていくように促した。ブリーフィングが再開され、司令部の面々はモスマの話に耳を傾ける。

 

 

「これは、極秘事項です。ボサンのスパイは、彼女のお陰で潜入できたのです。」

「なんだと!?」

「数ヶ月前、ボサンのスパイから暗号通信を受け取りました。第二デス・スターの建造が始まった。ルーシーの手引きで潜入できた、と。」

 

 

ルーシーという名前に、誰もが首を傾げる。

 

 

「私も暗号部も、最初は誰のことなのか分かりませんでした。ですが、アミダラ議員が真っ先に気付きました。ルーシーは“ルシル”の短縮名です。ボサンのスパイは、彼女の手引きで潜入したのです。」

「だが、ネルの意思はないはずだ。」

 

 

アナキンが罠の可能性を指摘する。その可能性は、モスマも懸念したことだった。しかし、フェラスは罠の可能性を否定する。

 

 

「エレノアの意思だ。罠なら、ボサンのスパイは死んでいる。皇帝は気付いてない可能性が高い。」

「フェラス、エレノアは……」

「俺はエレノアを信じる。」

「分かりました。彼女を信じましょう。」

 

 

モスマの言葉で会議は締められ、指導者達はブリッジを出て行く。

 

各々が出て行く中、アナキンはモスマに呼び止められる。

 

 

「スカイウォーカー将軍、他に懸念でもあるのですか?」

「ないとは言えません。ネルが皇帝に大人しく従うとは思えない………嫌な予感がします。」

「彼女は貴方を信頼しています。私も友人として、“エレノア”を信じています。信じる者が少ないのですから、私達が信じなければ。」

「………はい、議員。」

 

 

そこへ、ブリッジの隊員が顔を青ざめさせてモスマを呼ぶ。

 

 

「議員、これを……!」

 

 

隊員がパネルを操作して、プロジェクターを起動させる。

 

そこに映ったのは、意外な人物だった。

 

 

『ではルシル卿、どうぞ。』

 

 

帝国ホロネットの報道官が、“ルシル卿”と呼ばれた女性を呼ぶ。

 

現れたのは、エレノア・クラウドだった。

 

アナキンは、その姿に絶句する。その姿はクローン戦争時のルシル卿そのもので、寒気を感じた。彼女の後ろには、4人のシスの隷属が控えている。

 

しかし、当時とは違う点が1つだけあった。

 

ルシル卿の奥底に、エレノアの意識が残っていた。

 

 

『ありがとう。私は皇帝陛下の言葉を届けに来た。間もなく、銀河帝国に対する反乱活動は停止される。3日間の猶予を与えるから、それまでに覚悟を決めておくように。』

『では、反乱活動を続ける者はどうなるのでしょう?』

『考えるまでもない。』

 

 

ルシル卿は、小さく笑う。

 

 

『3日後には自由意思はなくなる。』

 

 

そう言って、エレノアはホログラムから外れた。

 

隊員はホロネットを切り、深刻な表情でアナキンとモスマを見上げる。

 

 

「自由意思がなくなる?どういう意味だ?」

「あの…」

 

 

隊員は恐る恐る声をかける。

 

 

「なんだ?」

「ソール大尉、遠慮せず言ってください。」

 

 

モスマに促され、ユグノ・ソールは進言する。

 

 

「もしかしたら、違う意図があるのでは?」

「違う意図?」

「僕には分かりませんが、スカイウォーカー将軍にしか分からないこともあると思います。」

「僕にしか…?」

 

 

アナキンは考え込む。

 

先ほどの放送で流れたエレノアの言葉を、頭の中で繰り返す。1つ1つ考え、エレノアの狙いを考える。そこでアナキンはブリッジを飛び出し、フェラスの寝ている部屋に駆け込む。

 

不機嫌マックスのフェラスは、アナキンを睨み付ける。

 

だが、アナキンが気付いた事実にはフェラスが必要不可欠だった。

 

 

「なんだよ?」

「フェラス!ネルの計画を知っているか!?」

「計画?そんなの俺が知るわけないだろ。」

「違う!ネルの夢の計画だ!」

 

 

そう言われ、フェラスは一気に目が覚めた。

 

 

「ああ、知っている。」

 

 

フェラスの返事に、アナキンは確信した。

 

エレノアは、何かを伝えようとしている。

 

その数時間後、ボサンのスパイが殺されたと報告が入った。アナキンはその報告とエレノアの言葉を照らし合わせ、行動を開始した。

 

そして、アナキンとフェラスは反乱軍から姿を消した。

 

2人の行方を知る者は、誰もいなかった。

 

────────

 

どれだけの日数が経ったのか分からない。

 

シスの訓練を再開して、私は再び主の僕になった。

 

シディアス卿が与えた猶予は3日。それまでに、私は主にある術を渡さなければならない。誰にも止められない。私は服従の首輪のせいで逆らえない。

 

だから、こうするしかなかった。

 

ホロネットも、最後の懸けだ。

 

 

「ルシル卿、跪け。」

「はい、マスター。」

 

 

コルサントのインペリアル・パレスにて、私は主の前に跪く。

 

 

「覚悟は良いな?」

「はい、永遠にお仕えします。」

 

 

主は私の意思を確認すると、第二デス・スターに向かうように指示する。

 

新しい究極兵器はもうすぐ完成する。スーパーレーザーも、あと3日で稼働できる。本当はもっと早く稼働できたけど、ボサンのスパイを使って極限にまで完成を遅らせてきた。

 

でも、もう無理だ。

 

スパイは死に、主は完成を急かしてきた。帝国の完全支配まで、時間がない。シディアス卿に手を貸した私には、償い切れない責任がある。私が止めなければならない。

 

暗黒面に押しつぶされそうだ。

 

娘に会いたい。

 

 

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