皇帝の与えた猶予は、残り2日。
そんな中、ステファニーはある男を探していた。
「にぃに!」
「おぅ、どうした?」
「ママのところ行く!」
「ちょっと待って……なんで僕?」
ステファニーは“ユグノ”の腕を一生懸命引っ張る。
だが子供の力では動かず、ユグノも困り果てる。
「待て待て待て。おチビさん、パパはどうしたんだ?」
「パパおしごと!」
「お仕事?じゃあアミダラ議員は……」
「ぱどめいない。」
「えぇ……」
ユグノは仕方なくステファニーを連れてブリッジへ行き、モスマに声をかける。
「モスマ議員、エレノアの子供が……オリン将軍はどうしたんですか?」
「それが………オリン将軍とスカイウォーカー将軍は姿を消しました。」
「ええ!?」
「何かに気付いたのでしょうけれど、私達には明かさないままいなくなってしまったのです。」
パドメは違う任務で〈ホーム・ワン〉には不在だった。ステファニーはサーベの目を盗み、1人脱走をしていたのだった。誰もいない中で、ステファニーの心に浮かんだのは母親だった。
「この子、エレノアのところへ行こうとしていたんです。」
「まさか……ステファニー、本当ですか?」
「うん!ママあいたい!」
「ステファニー、ママもパパもお仕事をしています。一緒に待ちましょう。」
「いや!」
「チビスケ待て!」
ステファニーは逃げていき、それをユグノが追いかける。子供が逃げ切れるはずがなく、距離はあっという間に縮んだ。しかし、ステファニーは悪知恵を働かせる。
ブリッジから出た少し先で配線口に入り、床下に逃げ込む。
大人は配線口に入れず、ユグノは焦り出す。
「おい!チビスケ!ステファニー戻れ!!」
「やだ!!」
ステファニーは床下を這い、ハンガーへと向かう。
ハンガーに着いたステファニーは、他の隊員にバレないようにコソコソとシャトルに乗り込む。ボタンが分からず、ステファニーはあちこちのボタンを押して、船を飛ばそうとする。
当然整備士の1人が気付き、止めようとすぐに船に走る。
「あれは……!?オリン将軍の子供!?」
ところが、適当に押されたボタンの1つがハッチ開閉スイッチで、ハッチは閉まりかけていた。
「おい!何とかして止めるぞ!」
「誰かハッチを止めろ!!」
「無理だ!ユグノ!走って滑り込め!!」
「なっ……無茶言うな!」
ジェダイじゃない。ユグノはそう言おうとしたが、間に合ってしまった。
ユグノはハッチに滑り込んで、間に合ったと分かりコックピットに走る。しかしシャトルは発進してしまい、ハイパードライブまで起動していた。シャトルはハンガー・ゲートを抜け、ハイパースペースへと入った。
ユグノは頭を抱えて、項垂れる。
「にぃに?」
「ステファニー!何てことしたんだ!!」
「ふぇ?」
「いいか!君はとんでもないことをしたんだぞ!!」
「うっ、ぐすっ、うわあああぁぁんっ……!」
「ああああああごめん!!頼むから泣かないでくれ!!」
ステファニーが大泣きしてしまい、ユグノは必死に謝る。
だがハイパースペースに入ってしまった為、すぐには戻れない。
「ステファニー、怒って悪かった。もう来ちゃったもんな。僕と一緒にママのところへ行こう。」
「うんっ!!」
ユグノは溜め息を吐き、シャトルのツマミやボタンを正しい位置に直す。彼は覚悟を決めて、スター・デストロイヤーがいるであろう宙域の座標を入れた。
これが、騒ぎの元になるとは知らずに………
────────
〈ホーム・ワン〉に戻ってきたパドメは、ステファニーの行動に衝撃を受ける。
「ステフが!?」
「申し訳ありません、議員。」
「いえ、サーベのせいじゃないわ。」
サーベが目を離した隙に、ステファニーは脱走していた。だが、それは一瞬だった。ステファニーは物分かりが良くてずっと大人しかったが、我慢していただけだったのだ。
母親に会いたくて我慢できなくなったステファニーは、大人の目を盗んで逃げ出した。
「ステフより、ユグノが心配だわ。」
「議員……?」
「ステフはネルの娘よ。でも、ユグノは元分離派だから。皇帝に顔を知られてるかもしれないから、何をされるか分からないわ。」
ユグノの母親は、分離派の議員だった。母親に付いていた彼は、当時議長だった皇帝に会っているかもしれない。ユグノが知っているとすれば、皇帝もユグノを知っているということだ。
パドメはそれを心配していた。
「ネルが止めてくれればいいけど……」
「議員、私達にできることをしましょう。」
「ええ、そうね。」
サーベの言葉に、パドメは肯く。
パドメは部屋を出て行き、サーベの報告に深呼吸した。
その頃、タトゥイーンではレイア達がハンを取り戻し、ルークは1人ダゴバへと向かった。アナキンとフェラスが姿を消したとルークが知ったのは、ハンを取り戻した後のことだった。
パドメは夫と友人が消えたことに、少し衝撃を受けたがすぐに冷静になる。
彼女に、2人を信じる以外の選択はない。
そして、パドメはエレノアのことも信じていた。
エレノアは二度と選択を間違えない、と。