スター・デストロイヤーがデス・スターに到着して、娘は女性将校に手を引かれて部屋に連れられてきた。
私を見たステファニーは目を輝かせて、私に駆け寄る。
「あっ、こら!」
「大丈夫。」
ステファニーが私に抱き付くと、女性将校は困った表情を見せる。
「ママ!」
「ママ……?」
「あんたも知らないわけじゃないでしょ。フェラス・オリンは私の夫だった。フェラスの娘ってことは、私の娘でもある。この子は私の娘。」
驚いた彼女はすぐに冷静さを取り戻し、腰に手を伸ばす。
だけど、私はそれをやめさせた。
「娘に手を出せば、容赦しない。」
「信じられない……帝国を騙し通せると思わないでください、ルシル卿。」
「………ステフ」
「なにぃ?」
「ちょっと待っててね。」
女性将校を外に追い出し、ステファニーを部屋で待機させて私も部屋を出る。
ドアをロックした途端、女性将校は私にブラスター・ピストルを向けた。
「裏切り者!!」
「私は裏切ってない。あんたくらいの階級なら、私のこれも知ってるでしょ?」
襟から覗く首のタトゥーを見せて、皇帝に服従していると告げる。また、逆らえないことも教えた。それでも納得しない彼女は、ブラスターを下ろさない。
「私には分かる!貴女は家族の為に従うふりをしている!娘の為に、どれだけ手を汚そうと構わないんです!」
「あんたの母親のことを言ってるの?残念だけど、ブラスターじゃ私を殺せない。それに、あんたは復讐の方法を間違ってる。」
「私は、っ!?」
一瞬でブラスターをライトセーバーで切り壊し、彼女の心臓をプラズマの刃で貫く。
ヒルトのスイッチを切ると、彼女はゆっくり倒れていく。壁に寄り掛かっていたものの、彼女はズルズルと倒れた。
「なんで貴女が苦しそうな顔をしているんですか……」
「好き好んで人を殺すわけないでしょ。」
「申し訳ありませんでした…ルシル卿……」
彼女はそう言って、目を閉じた。
死んだ女性将校を見下ろしていると、トルーパーが駆け付けてくる。
「ルシル卿!お怪我は!?」
「ない。彼女の遺体は丁寧に弔って。」
「了解しました!」
まだ若かったのに、殺してしまった。だけど彼女を生かしておけば、私の企みがバレる。あの子のせいで、銀河を危険には曝せない。
彼女は運ばれていき、私は部屋のロックを解いて中に入る。
ステファニーは私に抱き付いてきて、安心したような表情を浮かべた。
「ママ……」
「ステフ、ごめんね。もうちょっと待っててくれる?」
「ママといるぅ…」
しばらく会わない内に、ステファニーはよく喋るようになったみたいだ。自分の意見も言うし、自分でちゃんと言葉にする。でも、今は聞いてあげられない。
まだ問題が残っている。
「ステフ、良い子だから待てるよね?」
「うん……」
「すぐに戻るから。」
ステファニーにキスをして、私は部屋を出て行く。
向かう先は、監房ブロック。ステファニーの付き添いとして来た男が、そこに捕らわれている。ルークやアナキン、フェラスでもない。彼らが来れば、嫌でも分かる。
一体誰が来た?
「捕虜と会う。席を外して。」
「了解しました!」
私は独房の中に入り、ドアが閉められたのを確認して監視カメラをフォースで壊す。
その様子に、捕虜の“ユグノ”は警戒する。
「何をしている?」
「カメラを壊しただけ。」
座っているユグノの正面に立つと、私は思いっきり睨み下ろしてやった。
「なんで来たの?私の娘まで巻き込んで。」
「僕のせいじゃない。ステフが自分で行動したんだ。」
「私があんたを信じるとでも?」
「スカイウォーカー将軍とオリン将軍が消えた。」
「は……?」
ユグノの言葉に、私は思わず問い返す。
「アナキンとフェラスが消えた……?」
「惚けるな。司令部も知らない。何を企んでいる?」
「………それ以上言わないで。」
背を向けて独房を出ようとすると、腕を掴まれる。突然のことに驚き、私は彼の腕を捻り組み伏せた。後ろ手で、ユグノを強引に押さえ込んだ。
「エレノア…!」
「私は皇帝に逆らえないの。お願い、助けようだなんて思わないで。」
「最初から諦めるのか!?貴女らしくない!」
「やめて……」
声が震えてしまった。暗黒面が怖いんじゃない。皇帝、主が怖いんだ。
ユグノを離して、私はドアのロックを解いて独房を出る。
「時間がない。このゲームも、もうすぐ終わる。その気持ちは、ありがたく受け取るよ。」
「エレノア!!」
叫ぶユグノを無視して、私は独房のドアを閉める。
助けなんかいらない。どうせ、私は皇帝が死ぬまで逃げられない。服従の術は、片方が死ななければ解けないのだから。
それでも自由になりたいと願うのは、私の性だ。
誰にも縛られたくない。
────────
エレノアが出て行き、ユグノはドアを叩く。
「クソっ!!」
ユグノは最後に一発ドアを殴り、項垂れる。
誰も来る気配はなく、ユグノは独房の奥に座り込む。
ステファニーの付き添いで来たが、エレノアの為に手を尽くすつもりだった。だが、エレノアはユグノを拒んだ。ユグノは幼い頃の恩を返すつもりが、拒絶されてどうしようもなく悲しかった。
涙を堪えて、ユグノは制御盤の蓋を剥がす。
「え……?」
ユグノは、唖然となる。
なぜかドアが開き、独房前の見張りはいなかった。ユグノは罠を疑ったが、すぐに違うと断定する。もし罠なら、もっと人払いをするだろう。監房ブロックの出口にトルーパーがいるのが、その証拠だ。
そう考え、ユグノは独房を出る。
「おい!貴様、うわあああっ!!」
「やめろ、うぐっ……!」
ユグノはトルーパーを倒し、監房ブロックから抜ける。
彼の目指す場所は、ただ1つ。決戦の場のみ。
その決意を胸に、ユグノはトルーパーのブラスターを持って走る。
残り時間────僅か。