主に呼び出され、私は玉座の間を訪れた。
だけど、私はシディアス卿の奴隷も同然。玉座の傍らで、跪くように命令される。主の許可が下りるまで、私は動くことはできない。
エンドアに現れた反乱艦隊は、シールドが解除されるまで帝国軍のデス小艦隊と戦うしかない。
艦隊の戦いが始まった頃、ルークは手錠されて、皇帝の命令でロイヤル・ガードに連行されてきた。
私は皇帝の傍らから、跪いたままルークを見下ろす。
ルークはバッサリ切った私の髪に、少し驚いていた。
「エレノア………」
辛そうな声で呼ばれるけど、私はルークを見ることができない。
「下がれ。」
ロイヤル・ガードはエレベーター前に控え、シスの隷属は皇帝と私から数歩離れたところで跪いた。
「よく来た、若きスカイウォーカーよ。」
主はルークが来たことを喜んでいる。
私が皇帝に従っていたけど、私は所詮一度捨てた駒。皇帝はアナキンの息子で、若く、強い、新しい弟子を求めている。私はルークを手に入れる踏み台にされたんだ。
最初から分かっていた。
それなのに、主に尽く踏み潰されてきた。
「ここに来た目的は分かっている。」
「分かっているなら、僕が暗黒面に惑わされないということも承知しているだろう。僕だけじゃない。エレノアも、簡単に屈したりしない。」
「ルシル卿は余に逆らうことはできぬ。屈したも同然ぞ。」
ルークの言葉を、皇帝は嘲笑う。
「余の弟子となれ、スカイウォーカー。アナキンや“ネル”に代わり、修行を付けてやろう。暗黒面を学べば、お前は誰よりも強くなれるのだ。」
「僕は力なんか求めない。それに、帝国軍が降伏するのも時間の問題だ。」
「甘い男よ。降伏するのは反乱軍だ。外を見よ。お前が仲間を信じ過ぎたせいで、全て滅びるのだ。」
皇帝は玉座のスイッチを押し、スーパーレーザーを稼働させるように指示する。レーザーはすぐに発射され、〈ホーム・ワン〉を掠る。私はレーザーの発射に、目を臥せるしかなかった。
損傷した〈ホーム・ワン〉に、ルークは拳を握り締める。
「お前がシスになれば、反乱軍に慈悲を施そう。」
そんな気ないくせに。何が慈悲だ。反乱軍を助けるわけじゃない。見逃すのは一瞬だけだ。
「っ!?」
反抗的な感情を読み取られ、首の術が発動する。息が苦しくなり、私は首に手を伸ばして踞る。ルークの顔色が悪くなり、悲鳴のような声で名前を呼ばれた。
「申し訳…ありません………」
そう言うと、解放された。
「僕がシスになれば、エレノアは解放されるのか?」
「愚か者め。ルシル卿は余のもの。解放はしない。」
「………」
「ステファニー・オリンがなぜ無事なのか、不思議に思わないのか?」
私の娘、ステファニーには自由が約束されている。
なぜなら、シスである私に懐いているから。ステファニーは、私が悪者だと無意識ながらも理解している。でも、大好きな母親だから離れたりしない。私も娘を愛しているから。
皇帝はそのことを理解して、娘に手を出していないんだ。
「あの子供には暗黒面の素質がある。だが、まだ早すぎるのだ。熟していない果実と同じだ。」
「人の命を弄ぶと、後悔するぞ。」
「弄んではいない。余は命を操るのだ。では、お前にチャンスをやろう。」
皇帝はルークの手錠を外し、ルークのライトセーバーを返す。
「ルシル卿と戦うのだ。」
「そんな、」
「もしルシル卿を殺すことができれば、帝国軍は攻撃を停止する。お前も仲間も自由だ。」
その提案に、私は血の気が引く。
皇帝は、ルークが私を殺すことを望んでいる。
ルークはまだライトセーバーで、誰かを切り殺していない。初の殺しで、しかも相手が私なんて、ルークは人が変わってしまう。
それが、暗黒面への入り口だ。
「お前の父は、妻と親友の為に多くの命を奪った。アナキン・スカイウォーカーに比べたら簡単ではないか。ルシル卿を殺せば、多くの命を救えるのだぞ。」
ルークは皇帝を睨み上げ、怒りを必死に抑える。
私とアナキン、フェラスは感情を抑えることを教えていない。無理に抑えれば、私やアナキンの二の舞になる。だからあえて抑えろとは言わなかった。
重要なのは、最善の道を探すこと。
そして、ルークは一言だけ吐き出した。
「断る。」
「何…?」
皇帝は驚くが、それは私も同じだった。
銀河の為に、ルークは私を殺すと思っていた。だけど、あっさりと断った。理由が分からず、私はルークを困惑の目で見る。
「母と約束したんだ。エレノアを連れ戻して、皇帝を倒す、と。」
ルークの言葉に、皇帝は表情を歪める。
今も昔も、パドメは皇帝にとって厄介な存在だ。パドメは、人の中身を見る。お金や力に左右されない。アナキンを愛しているのが、その証拠だ。
私のことも、諦めずに信じ続けてくれた。
皇帝はその理由を理解できない。
「アミダラ議員……!」
「貴方には理解できないだろう。」
「良かろう。ルシル卿、スカイウォーカーを殺せ。」
「その命令は、っ……!」
殺したくない。
そう思った瞬間、また術が発動する。
「ルシル卿…其方ができぬなら、シスの隷属に命令しても良いのたぞ。」
「っ、は、い……分かりました……戦います………」
「エレノア!!」
「ライトセーバーを起動させろ、ジェダイ。」
立ち上がって赤いライトセーバーを握り、ルークの方へ歩く。
「手心は許さんぞ、ルシル卿。」
「………はい、陛下。」
「エレノア!やめてくれ!僕は戦いたくない!」
ライトセーバーを振り被り、ルークに切りかかる。
ルークを殺したくない。でも戦わなければ、2人共殺される。シスの隷属なんか、作らせなければよかった。
こんな展開、予期できるわけがない。
本気で戦ったら、私はルークを殺してしまう。
今は後悔しかない。