【完結】理想主義者(笑)の自由奔放記   作:夭嘉

114 / 159
悪女の退場

エンドアの緑の月に下りた後、ユグノはアナキンとルークが火葬した。

 

私は手錠をされたまま、反乱軍と合流した。

 

容姿は生命エネルギーが足りず、若い姿は保てなかった。本来の年齢の姿に、反乱軍の面々は驚きの反応を見せた。

 

ハンには殴られずに済んだけど、いろいろ言われた。パドメは口を聞いてくれず、ずっと避けられている。もしかしたら、嫌われてしまったかもしれない。

 

アナキンも、ルークを連れてモスマ達の下へ向かった。

 

私はフェラスに連れられて、娘を抱き抱えて宴の外にいた。

 

 

「パパ、どこいくの?」

「もうすぐ着くぞ。」

 

 

行き先も教えてくれなくて、私は黙ってフェラスに付いていく。

 

 

「着いたぞ。」

「っ!!」

 

 

着いた先には、シャトルがあった。そこでフェラスは私の手錠を外し、ハッチを開ける。訳が分からず、私はフェラスを見る。

 

 

「どういうこと?」

「姿を消すんだ。」

「え……?」

 

 

フェラスの目は本気だった。

 

 

「考えたんだ。お前が獄中生活を送らずに済む方法を……それが、この結果だ。」

「3人で逃げ出すってわけ?馬鹿言わないでよ。あんたに大きな罪はない。ステフには何も罪はない。問題なのは私。一緒に逃げれば、ずっと追われ続けるんだよ。」

 

 

家族の為に消えようとしたのに、これでは元も子もない。私には数え切れない程の罪がある。何一つ後悔していないけど、家族の為に私は消えなければならなかったんだ。

 

でも私が生きて傍にいれば、家族は追われることになる。

 

何もかも、私が悪いんだ。

 

 

「頼む、乗ってくれ。時間がないんだ。」

「嫌だよ。」

「ママ、けんかしないで。」

「喧嘩じゃないよ、ステフ。安心して。」

 

 

抱いている娘の髪にキスして、私はシャトルから退がる。

 

 

「身体の中はボロボロなはずだ。監獄じゃ保たないぞ。」

「分かってるなら尚更でしょ。」

「アミダラ議員の指示だと言えば納得するか?」

「パドメの……?」

 

 

口を聞いてくれないパドメが、私を助けようとしている。

 

私を心配するパドメだったけど、今回はいつもと違った。今までのパドメなら、私を引き止めていた。でも今回は、私を逃がそうとしている。

 

二度と会えないかもしれないのは、承知の上だろう。

 

 

「エレノア、よく聞け。変わる必要はない。お前はお前だ。」

「フェラス………」

「議員はお前をジェダイでもなく、シスでもない、お前自身を見ている。アナキンもだ。そして、俺も最初に会った頃からお前に魅入っていた。」

「………」

「この感情は、ずっと変わらない。お前も変わる必要はない。変わってしまったら、お前じゃない。愛している、エレノア。」

 

 

フェラスはキスをして、私をステフごと抱き締める。

 

 

「俺は、お前の悪意を止めない。それでエレノアが生きられるなら、一緒に地獄に落ちる。ステフの為に生きるんだ。」

 

 

抱き締められたまま、私は頷く。

 

私には、フェラスとステファニーさえいればいい。アナキンとパドメは巻き込めない。これは、“私達家族”の問題だ。

 

フェラスは離れ、私にハッチを上るように促す。

 

躊躇いながらも、シャトルに入ることを決意した。

 

 

「ママ…」

 

 

シャトルに入ろうとすると、ステファニーが不安そうに声をかけてきた。

 

 

「……ステフ、ママの魔法見たい?」

「まほう?」

「エレノア……?」

「フェラス、愛してる。」

 

 

そう言って、フェラスに微笑む。

 

ステファニーを下ろして、私はブラスターを持ってシャトルに入った。

 

これは終わりではなく、始まりだ。

 

────────

 

数時間後………

 

宴を楽しんでいた反乱軍は、突然の爆発音に我に返った。

 

シャトルの1つが爆破され、ルークが現場へと走る。レイアはエレノアとステファニー、フェラスの不在に気付き、すぐに状況を把握して、ルークを向かわせたのだった。

 

アナキンが他の者では対処は不可能と待機を命じて、ルークの後を追った。

 

夫と息子を見送るパドメは寂しげに、煙が立つ場所を見つめていた。

 

 

「ルーク!止まれ!」

 

 

アナキンに止められ、ルークは立ち止まる。

 

爆破されたシャトルの前に、多くのパイクが立っていた。

 

 

「お前達……!」

 

 

アナキンはオバ・ダイアでパイクと面識があり、目の前の者達がパイク・シンジケートだと気付く。

 

タトゥイーンでエレノアを助けたパイクが、アナキンとルークの怒りを嘲笑った。

 

 

「エレノアを殺したのか!それも子供諸共!!」

「ネルを助けるんじゃなかったのか!?」

「お前達はよく分かってるだろ。あの女は危険だ。生かしておくべきじゃねぇ。撤収するぞ!!」

 

 

他のパイクがシャトルに戻る中、彼はアナキンとルークに対峙し続けた。

 

 

「モール卿やロムには悪いが、俺も守らなきゃならねぇものがある。パイクは変わったんだ。」

「お前達は何も変わっちゃいない!あの時もそうだ!パイク・シンジケートは信用できない!!」

「その言葉、そっくりそのまま返してやる。ジェダイとは二度と組まない。」

 

 

そう言い、男もシャトルに乗り込んでいく。

 

パイク・シンジケートのシャトルは去っていき、ルークは燃えるシャトルの前に膝をついていた。アナキンは怒りに拳を握り締め、エレノアとフェラス、ステファニーの死に涙を流す。

 

2人はエレノア達のフォースを感じられず、本当に死んだのだと思い知らされた。

 

その後、エレノア達の葬儀が行われて、彼女を知る者達は悲しんだ。パイク・シンジケートを始め、多くの犯罪カルテルはエレノアに敬意を表した。

 

ルークは正式にジェダイ・ナイトになり、アナキンを筆頭に新ジェダイ・オーダーが創設された。以前のオーダーとは違い、アナキンは古い掟を不要とした。同じ誤ちをしないように、と。

 

エレノアのように、苦しむことがないように。

 

それは、アナキン自身も苦しんだことでもある。

 

共和国も再建され、元老院も再創設された。モン・モスマが初代議長となり、レイアやパドメも元老院に加わった。

 

こうして、銀河は平穏を迎えようとしていた。

 

平穏が訪れて、誰もがエレノアを忘れていった。

 

一部の者達を除いて─────

 

 





エピソード6編は次がラストになります。
皆様、お付き合いありがとうございますm(_ _)m
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。