エンドアの緑の月に下りた後、ユグノはアナキンとルークが火葬した。
私は手錠をされたまま、反乱軍と合流した。
容姿は生命エネルギーが足りず、若い姿は保てなかった。本来の年齢の姿に、反乱軍の面々は驚きの反応を見せた。
ハンには殴られずに済んだけど、いろいろ言われた。パドメは口を聞いてくれず、ずっと避けられている。もしかしたら、嫌われてしまったかもしれない。
アナキンも、ルークを連れてモスマ達の下へ向かった。
私はフェラスに連れられて、娘を抱き抱えて宴の外にいた。
「パパ、どこいくの?」
「もうすぐ着くぞ。」
行き先も教えてくれなくて、私は黙ってフェラスに付いていく。
「着いたぞ。」
「っ!!」
着いた先には、シャトルがあった。そこでフェラスは私の手錠を外し、ハッチを開ける。訳が分からず、私はフェラスを見る。
「どういうこと?」
「姿を消すんだ。」
「え……?」
フェラスの目は本気だった。
「考えたんだ。お前が獄中生活を送らずに済む方法を……それが、この結果だ。」
「3人で逃げ出すってわけ?馬鹿言わないでよ。あんたに大きな罪はない。ステフには何も罪はない。問題なのは私。一緒に逃げれば、ずっと追われ続けるんだよ。」
家族の為に消えようとしたのに、これでは元も子もない。私には数え切れない程の罪がある。何一つ後悔していないけど、家族の為に私は消えなければならなかったんだ。
でも私が生きて傍にいれば、家族は追われることになる。
何もかも、私が悪いんだ。
「頼む、乗ってくれ。時間がないんだ。」
「嫌だよ。」
「ママ、けんかしないで。」
「喧嘩じゃないよ、ステフ。安心して。」
抱いている娘の髪にキスして、私はシャトルから退がる。
「身体の中はボロボロなはずだ。監獄じゃ保たないぞ。」
「分かってるなら尚更でしょ。」
「アミダラ議員の指示だと言えば納得するか?」
「パドメの……?」
口を聞いてくれないパドメが、私を助けようとしている。
私を心配するパドメだったけど、今回はいつもと違った。今までのパドメなら、私を引き止めていた。でも今回は、私を逃がそうとしている。
二度と会えないかもしれないのは、承知の上だろう。
「エレノア、よく聞け。変わる必要はない。お前はお前だ。」
「フェラス………」
「議員はお前をジェダイでもなく、シスでもない、お前自身を見ている。アナキンもだ。そして、俺も最初に会った頃からお前に魅入っていた。」
「………」
「この感情は、ずっと変わらない。お前も変わる必要はない。変わってしまったら、お前じゃない。愛している、エレノア。」
フェラスはキスをして、私をステフごと抱き締める。
「俺は、お前の悪意を止めない。それでエレノアが生きられるなら、一緒に地獄に落ちる。ステフの為に生きるんだ。」
抱き締められたまま、私は頷く。
私には、フェラスとステファニーさえいればいい。アナキンとパドメは巻き込めない。これは、“私達家族”の問題だ。
フェラスは離れ、私にハッチを上るように促す。
躊躇いながらも、シャトルに入ることを決意した。
「ママ…」
シャトルに入ろうとすると、ステファニーが不安そうに声をかけてきた。
「……ステフ、ママの魔法見たい?」
「まほう?」
「エレノア……?」
「フェラス、愛してる。」
そう言って、フェラスに微笑む。
ステファニーを下ろして、私はブラスターを持ってシャトルに入った。
これは終わりではなく、始まりだ。
────────
数時間後………
宴を楽しんでいた反乱軍は、突然の爆発音に我に返った。
シャトルの1つが爆破され、ルークが現場へと走る。レイアはエレノアとステファニー、フェラスの不在に気付き、すぐに状況を把握して、ルークを向かわせたのだった。
アナキンが他の者では対処は不可能と待機を命じて、ルークの後を追った。
夫と息子を見送るパドメは寂しげに、煙が立つ場所を見つめていた。
「ルーク!止まれ!」
アナキンに止められ、ルークは立ち止まる。
爆破されたシャトルの前に、多くのパイクが立っていた。
「お前達……!」
アナキンはオバ・ダイアでパイクと面識があり、目の前の者達がパイク・シンジケートだと気付く。
タトゥイーンでエレノアを助けたパイクが、アナキンとルークの怒りを嘲笑った。
「エレノアを殺したのか!それも子供諸共!!」
「ネルを助けるんじゃなかったのか!?」
「お前達はよく分かってるだろ。あの女は危険だ。生かしておくべきじゃねぇ。撤収するぞ!!」
他のパイクがシャトルに戻る中、彼はアナキンとルークに対峙し続けた。
「モール卿やロムには悪いが、俺も守らなきゃならねぇものがある。パイクは変わったんだ。」
「お前達は何も変わっちゃいない!あの時もそうだ!パイク・シンジケートは信用できない!!」
「その言葉、そっくりそのまま返してやる。ジェダイとは二度と組まない。」
そう言い、男もシャトルに乗り込んでいく。
パイク・シンジケートのシャトルは去っていき、ルークは燃えるシャトルの前に膝をついていた。アナキンは怒りに拳を握り締め、エレノアとフェラス、ステファニーの死に涙を流す。
2人はエレノア達のフォースを感じられず、本当に死んだのだと思い知らされた。
その後、エレノア達の葬儀が行われて、彼女を知る者達は悲しんだ。パイク・シンジケートを始め、多くの犯罪カルテルはエレノアに敬意を表した。
ルークは正式にジェダイ・ナイトになり、アナキンを筆頭に新ジェダイ・オーダーが創設された。以前のオーダーとは違い、アナキンは古い掟を不要とした。同じ誤ちをしないように、と。
エレノアのように、苦しむことがないように。
それは、アナキン自身も苦しんだことでもある。
共和国も再建され、元老院も再創設された。モン・モスマが初代議長となり、レイアやパドメも元老院に加わった。
こうして、銀河は平穏を迎えようとしていた。
平穏が訪れて、誰もがエレノアを忘れていった。
一部の者達を除いて─────
エピソード6編は次がラストになります。
皆様、お付き合いありがとうございますm(_ _)m