2人で話し合い、私はパドメに許してもらえた。有事の際は相談するようにと約束させられ、家族の為に無茶なことはしないと誓った。
そして、モスマ議長が戻ってきて本題へと入った。
関係者がホログラム通信で招集をかけられ、ブリーフィングが始まった。
「ところで……」
ブリーフィングを始める前に、私はホログラムの1人に目を向ける。
「誰がアナキンを呼んだの?」
「私です。彼はジェダイ・グランド・マスターですから。」
モスマ議長が呼んだらしい。
おかしいなぁ、ジェダイは戦争に無関係のはずなんだけどなぁ。
『何か問題でもあるのか?』
「呼んでないのに来たことが問題。立て直したジェダイ・オーダーはどうしたの?」
『ルークがいるから大丈夫だ。それよりも、なぜ僕を頼らない?』
「私の問題だもん。」
「2人共、そこまでよ。本題に入るわ。」
パドメの制止で、私とアナキンは口を閉じる。
仕方ない、我慢しよう。
今回集まったメンバーは、アナキンの他に、アクバー提督、レイア、ヘラ、その他元反乱軍の将軍達だ。これから起こる戦いで、全て終わる。この面子が、それを物語っていた。
『カイレル偵察部隊によれば、帝国軍はジャクーに集結しつつあるそうだ。』
アクバー提督の報告に、私は首を傾げる。
「なんでジャクーなの?」
『ネル、少しは士官のことを知った方がいい。ジャクーはガリアス・ラックスの故郷だ。』
「どっかで聞いたような名前………」
『ラックス元帥は皇帝の後見人でした。表向きはレイ・スローネ提督が指揮していますが、黒幕はラックス元帥でしょう。』
「それで、どうするの?」
黒幕はラックスだけど、戦うことに変わりはない。帝国軍が集結しているなら、新共和国にとってチャンスだ。最後の戦場はジャクーだ。
「すぐに防衛艦隊をジャクーに派遣します。」
「地上部隊は私が行く。」
『僕も地上に、』
「ダメ。あんたはインターセプター。優秀なパイロットは空にいるべきだよ。地上に来るならレイア。」
ちょっと前に聞いたけど、気候操作網を利用してナブーが攻撃されたらしい。第二デス・スターを破壊して僅か20日後のことだ。ナブーが真っ先に攻撃されたのは、恐らくシーヴ・パルパティーンの故郷だからだろう。
シードの戦いでは、あのソルーナ女王も戦闘機に乗り込んだという。
ナブーの君主はみんなタフすぎる。
レイアは、その戦いに参加している。
「観測所から潰していこう。」
『しかし、まだ機能しているのでしょうか?』
将軍の1人が、馬鹿みたいな質問をしてくる。
「あのさ、帝国軍がまだ活動してるんだから、観測所が機能していてもおかしくないでしょ。」
「ネルの言う通りです。可能性のあるものは、確認するべきです。」
パドメが賛同してくれて、アクバー提督が部隊を分けていく。
地上部隊を率いるのは私とレイアで、艦隊を率いるのがアナキンとアクバー提督だ。ヘラや他の将軍達は、また別の任務がある。
「シンドゥーラ将軍、スター・デストロイヤーの鹵獲をお願いします。部隊の編成は貴女に一任します。」
「了解しました。」
防衛軍は、圧倒的に大型艦の数が少ない。中型艦は多いけど、スター・デストロイヤー程の戦艦は〈ホーム・ワン〉くらいしかない。スター・デストロイヤーを鹵獲した後、それを防衛艦隊に取り込む。
このジャクーの戦いは、とてつもなく大きな戦いになるだろう。
「まだまだ戦力は欲しい。軍事知識豊富な人がもっと必要だね。」
『心当たりがあるのか?』
「ええ、ありますとも。元分離主義派の指導者の生き残りは、ユグノだけじゃないんだよ。」
私はにっこり笑って、将軍達を見回す。
「ジョンドと名乗る、デヴァロニアンの男がいる。禁制品を扱う裏社会の人だけどね。」
『そんな危険な男を呼ぶつもりか!?』
高齢な将軍が、私に反論する。思わず笑ってしまうと、顰蹙を買ってしまったようだった。彼だけでなく、モスマ議長やアナキンも頭を抱えていた。
「言いたいことは分かるよ。犯罪者に借りを作りたくないんだよね?でも帝国軍と新共和国軍、どっちに付くか問われたら新共和国しかないでしょ。」
『ネル、』
「あーだこーだ言ってる場合?」
「分かりました。貴女を信じます。」
大まかな作戦が決まり、ブリーフィングは解散された。
将軍達が通信を切る中、アナキンだけは接続を切らなかった。何か言いたげで、私を訝しげに見ている。それはモスマ議長も同じなようで、パドメやレイアと一緒にあえて席を外した。2人きりになった後、アナキンは私の意図を追及してくる。
『ネル、何か知っているな?』
「何のこと?」
『惚けるな。ダース・シディアスと付き合いの長い君が、何も知らないはずないだろう。』
やっぱり、アナキンには隠し切れない。
主が私の話を聞いたように、私も主の話を聞いている。
シディアス卿は自分を銀河の中心、帝国の皇帝になって銀河を支配すると計画した。そして皇帝になり、シディアス卿は後継者のことを考えた。しかし、後継者計画は失敗している。
それなら自分が死んだ後はどうするのか?
私はその答えを知っている。
「皇帝のいない帝国は、どうあるべきだと思う?」
『急に何なんだ?』
「帝国が負けた場合のことを考えていたとしたら?」
『あの人のことだから、独占欲は強いんだろうな。まさか、帝国を消したりしないだろう?』
「………」
『………冗談じゃないのか?』
アナキンの想像は当たっている。
皇帝は自分が死んだ場合、皇帝不在の帝国は意味がないと考えた。そして自分を倒した敵を潰すように、指示を残している。
帝国軍に残された戦力が少なくても、大した問題じゃない。最悪、相討ちになる。むしろ皇帝は、相討ちを望んでいる。
味方の帝国軍を滅ぼすのは、皇帝である自分を守れなかった罰だ。
その罰は、私にも降りかかった。
「冗談で済んだら、帝国軍は静かにしているよ。皇帝は相討ちを望んでる。私が会議前にスター・デストロイヤーの鹵獲を提案したのは、どっちも残す為。」
『やけに詳しいな。』
「ちょっと待って。」
リスト・コムで操作すると、クリーン・ドロイドが破棄を中断して、私がバラしたドロイドの頭部を持ってくる。
なぜ私が細かく知っているかと言うと、この赤いドロイドが主な原因だ。
「センチネルって言ってね、皇帝の遺言を伝える為のドロイドなの。」
『君は何を言われた?』
「それは教えられない。けど、これだけは言える。シディアス卿は自らの死を予期してた。」
そう教えてやると、アナキンは深刻な表情になる。
私があえて皇帝に与していたのも、この展開を予期していたからだ。皇帝の先の先を予期して、無関係でいようとした。
でも、フォースの意志は傍観を許してくれなかった。
それなら最後のシスとして、私が直々に行動させてもらおう。