ジャクーの戦いが終わって、数日後。
私は新共和国に何も言わずに、人知れず家族のところへ戻っていた。
ステファニーを着替えさせた後、通信機が点滅していることに気が付く。周波数を見てみると、かなり遠い星からの通信だった。通信の相手は、大体想像がつく。
ランプの点滅に気付いたステファニーが、私の服を引っ張る。
「ママ、でないの?」
「代わりに出る?」
「だからみんなおこるんだよ。」
「うーん、分かった。ステフ、向こうの部屋でこれやってて。」
「はぁい。」
ステファニーにジェダイ・ホロクロンを渡して、隣の部屋に向かわせた。
さて、私は面倒事を終わらせないとね。
通信機をプロジェクターに取り付け、そのプロジェクターを床に置いた。通信を繋げると、ホログラムが立ち上がり、2人の男女を映し出す。ホログラムの男は私を見るなり、呆れたような目を向けてくる。
『ネル、また行方を眩ませたな。』
ホログラムの男、アナキンは声に怒りを含ませてそう言う。隣の女性、パドメも困ったような顔をする。そんな2人に、私は何事もなかったかのように笑みを浮かべた。
『それに君が紹介したジョンドという男、元分離派のクリーヴ将軍だった。そういうのは最初に言ってくれ。』
「頼りにはなったでしょ?」
『もっと友好的な紹介だと思っていたわ。』
「あれでもケイナンを救った男だよ。カスミアが一緒じゃなかった?」
それでも2人は複雑な顔をする。
親友の2人が何て言おうと、私は二度と良い子は演じない。私自身を見てくれる人がいるのに、今さら取り繕ったりしない。
「新共和国に手は貸すと言ったけど、仲良くするとは言ってないから。」
『そうだとしても、信頼してもらえるチャンスだったのよ。』
「信頼?新共和国に信頼してもらおうなんて思ってない。そもそも、私が新共和国を信用してない。」
私が新共和国を毛嫌いしているのは、みんな知っているはずだ。最初から信用もしなければ、信用してもらう気もない。まず私に怯える議員が多いから、当分は分かり合えない。
『フェラスはどこだ?君1人の決断じゃないだろう?』
「あぁ、フェラスは野暮用でいないよ。」
『野暮用?』
「パドメは知らない方がいい。」
私の愛する夫は、私と娘の為にある対応をしている。
『ネル、』
「言ったはずだよ。私達を追えば、命はないって。それを無視したのはバカな議員の方だから。」
『まさか殺したの!?』
パドメが悲鳴のような声を上げる。
本当は殺したかったけど、私が対応すれば殺してしまうからフェラスが対応している。議員が雇った賞金稼ぎは、コテンパンにされているだろう。初回は殺さないけど、次はない。
また来るようなら、誰であろうと私もフェラスも手を下す。
「今回は殺してない。次は容赦しないと元老院に伝えて。」
『どうして手荒な真似をするんだ!もっと他にやり方があっただろう!』
「アニー、私もフェラスも清算できない悪事がある。どんなに善行が大きくても、人々は私達の悪事を忘れない。英雄のあんたとは違うの。新共和国にいない方が、お互いの為でもある。」
外面を気にしなくても、私を受け入れてくれる人がいればいい。
ジョンドことクリーヴも、私自身を見てくれる。だから私の呼び掛けも、誠実に応えてくれたんだ。手を貸してくれたのが、何よりの証拠だ。
『どうしても、新共和国を受け入れないのね。』
「パドメには悪いけど、私達に共和国は必要ない。」
『そう……分かったわ。』
パドメは少し寂しそうに、そう呟いた。
ハッピーエンドが全てじゃない。私達全員が許し合うのは無理だ。ただ同じ道を歩かないだけで、私達の気持ちは通じ合っている。
「ごめん。でも、どうしても助けが欲しい時は私を呼んで。フェラスも私も、あんた達の味方だから。」
『その言葉、そっくりそのまま返すわ。』
『ネル、君と僕は、それぞれ1人で解決しようとして道を踏み外した。1人で解決しようとするな。これだけは守ってくれ。いいな?』
アナキンの言葉に、私は頷く。
「じゃあ、切るよ。」
『ネル』
「ん?」
通信を切ろうとすると、アナキンが私を呼び止めた。
『フォースと共にあれ。』
「フォースと共に、パドメ・“アミダラ”、アナキン・スカイウォーカー。通信終了。」
通信を切り、長い息を吐く。
プロジェクターを握り締めていると、咳払いが聴こえた。顔を上げるとフェラスが戻ってきていて、ステファニーを抱き上げていた。
「アナキンと話したのか?」
「うん。」
「スッキリしたか?」
「一応ね。賞金稼ぎ達は?」
「ミスマッチが拘束して、シャンドリラに送った。あのハンルってドロイド、ドロイドらしからぬ行動が多いぞ。大丈夫なのか?」
フェラスの話に、私は笑う。
「だからこそ頼れるんだよ。」
「ママ、たのしそう!」
「ミスマッチは私のお気に入りだもん。フェラスも、賞金稼ぎの対応ありがとう。」
ステファニーを抱き上げ、私はフェラスにキスをする。
ミスマッチはいつでも私の味方だ。私がプログラムを組んだから、味方で当然だけど。ミスマッチがいなかったら、変わるものも変わらなかっただろう。
「2人共愛してるよ。」
「ママだいすき!パパもだいすき!」
「ス、ステフっ……!エレノア、ステフをどうにかしろ。」
「ステフの愛情表現だよ?」
ステファニーは私達を引き寄せ、思いきり抱き締める。
これが娘の愛情表現だ。寂しい思いをさせた分、娘の思うがままにさせてあげたい。1年の空白は、とても大きい。
「あ、フェラス!」
「どうした?」
「話しておくことがあるの。」
「何かあったのか?」
「実はね………」
気持ちを切り替え、私はフェラスにある話をする。
これで、私の長いゲームはひと段落ついた。
だけど、まだ終わりじゃない。私にはまだ先がある。ここで終わらない。
私の理想の人生は、これから始まる。
理想は、叶えるものだ。
次からいきなり飛んで、シークエル編ですwww