タコダナに着陸した後、レイ達はハンに連れられてマズ・カナタの城へ向かおうとしていた。
チューバッカは怪我をしている為、船で待機をするようにハンに指示される。
「ねぇ、エディ」
「なんだ?」
「ご両親がフェラス・オリンとエレノア・クラウドなら、貴方も不思議な力……フォースを使えるの?」
「ああ、使える。お前は……冒険が嫌いなのか?」
船の近くで、エドワードはレイに平凡な質問をする。
銀河を旅することは、誰もが夢見ることだ。しかし、レイはジャクーの世界しか知らない。そんなレイは、緑豊かなタコダナに感激している。
ところが、レイにとって銀河を旅することは二の次だった。
「冒険はしてみたいわ。けど、ジャクーで待っていなきゃいけないの。」
エドワードはレイの感情を読み取る。彼がレイに感じたのは、寂しさと孤独。レイはずっと両親を待ち続けている。
エドワードは見えたものを記憶の隅に封印し、ハン達とマズの城へ向かう。
「あんたの船じゃダメなのか?」
「安全な船を探す。俺とチューイはスキャナーで船を見つけた。奴らも見つけるさ。」
ハンはそう言って、門を潜る。
女海賊カナタの像が見え、ハン達は城に辿り着く。
「いいか、マズをジロジロ見るなよ。特にエドワード、お前だ。マズが嫌がるからな。」
「マズ・カナタって、こんなデカい城に住んでるのか?」
「ここは酒場だ。この酒場を1000年経営している。いいか、マズには俺が話す。どうした、エドワード?」
扉を開けようとするハンは、困った顔をするエドワードに声をかける。
「いや……実は俺、彼女と知り合いで………」
「知り合いだと?」
「いろいろあって……ステフが………」
「………」
言いにくそうなエドワードに、ハンは肩を竦める。
そして、ハンは酒場のドアを開けた。
「ハン・ソロ!!!!!」
マズの声に、酒場の客は皆ハンを見る。しばらく騒ついた後、客は食事の手を再開させる。ハンは溜め息を吐き、酒場に足を踏み入れた。
「全く……やぁ、マズ。」
「私の恋人はどこだい?」
マズは近付いてきて早々、ハンにお気に入りのウーキーの居所を問う。ハンが船の整備中だと答えた後、マズはエドワードを見上げる。
「エディ、あんたがここに来ると思わなかったよ。」
「………不本意だ。」
「何かあったの?」
「ステフがちょっと迷惑をかけただけだ。」
「ちょっとじゃないけどねぇ。」
「マズ、」
「頼みがあって来たんだろう?早く言いな。」
一行は奥の席に通され、レイ達は食事を頂いた。
ハンが経緯を話し、レイアにドロイドを届けるように頼むが、マズはその頼みを拒んだ。自分で行って、彼女は自分の手で渡せと告げる。ハンは拒まれてしまい、思わず言葉を詰まらせた。
「あんたは戦いから逃げてきた。やっと嵐の中に戻るのかい?」
「戦いって?」
「暗黒面との戦いさ。邪悪は遥か昔から、形を変えて存在してきた。シス、帝国……」
マズの話に、フィンの目は恐怖を映し出す。
「そして、今じゃファースト・オーダーだ。奴らの闇が、銀河系を覆い尽くそうとしている。その現実に立ち向かい、戦わなきゃいけない。私達みんなでね。」
「奴らに勝てっこない。」
「フィン?何を言っているの?」
何かを言おうとしたフィンだったが、マズはテーブルの上を這ってフィンの目を覗き込む。レンズを換え、彼女はさらに瞳を覗き込んだ。
「あんたの目は、何かから逃げている目だ。」
「俺はファースト・オーダーから逃げている。奴らには勝てない。みんな殺される。」
「あそこの2人。彼らが外縁部まで運んでくれる。」
「貴方はレジスタンスでしょう?戦わなきゃ!」
フィンはレイに何も言えず、席を立って逃げてしまう。レイはそれを追い、エドワードは頭を抱えて目を臥せる。
「エドワード、大丈夫か?」
「いや……」
「エディ、外の空気を吸っておいで。」
「分かった……」
エドワードは外へ出て、近くの岩に座る。
彼は、酒場に入ってからずっと胸騒ぎがしていた。外へ出てもそれは変わらず、エドワードは頭を抱える。酷い頭痛に、彼はフォースの声に耳を傾けた。
「なんだ……?」
荒い息を整えて、エドワードはフォースの導きに従い城の裏庭に入った。
そこで見つけたものに、彼は目を見開く。
「エピ!?」
「あれ?坊ちゃん?」
「エピだ!!」
エドワードはエピを抱き締め、彼はドロイドのボディをまじまじと見る。塗装は半分以上剥がれているが、エドワードは確かにミスマッチのエピだと再認識した。
それから、彼はタコダナにいる理由を聞く。
「何やってんだ?」
「エレノア様に追い出されまして……」
「は?」
「自分はドロイドだから直せばいいと言ったんですけど、断固として譲ってくれなくて……村を彷徨っていたらマズに拾われたんです。」
更に、エピは衝撃的な話をエドワードにする。
「坊ちゃん、エレノア様がファースト・オーダーに襲われたことはご存知です?」
「ああ。」
「あの襲撃は奇襲でして、ミスマッチはエレノア様を守る為に、オレとハンル以外は破壊されてしまったんですよ。」
「待て、母を守る?」
「ヤベ、口が滑った。」
その時、城の表口が騒がしくなった。
エドワードはエピと一緒に表へ出ると、客は空を見上げていた。
「あれを見ろ!」
「なんだあれは!?」
その光景に、エドワードは背筋を凍らせた。
赤い光線が何本も見えて、その赤い光はいくつかの星を破壊する。破壊されたのは、ホズニアン星系だ。ホズニアン星系には、共和国の首都惑星があった。
この瞬間、共和国は滅ぼされたのだ。
同時に、エドワードはフォースの乱れを感じ、悲鳴と苦痛に襲われた。酷い頭痛に、彼は立っていられず倒れてしまう。エピが慌てて駆け寄るが、エドワードは気を失ってしまった。
この日、共和国は滅び、銀河から無いに等しかった秩序が消え去った。
残された希望は、BB-8の持つ地図だけ。
誰もが希望を見失いかけていた。