【完結】理想主義者(笑)の自由奔放記   作:夭嘉

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あけましておめでとうございます(今更)

落ち着いたので、やっと更新です!
遅くなってすみません(´;ω;`)


暗黒面の誘惑

エドワードは、雪降る荒れ果てた森の中に立っていた。

 

ここは、エドワードの夢の中だ。彼自身も夢だと認識しているが、現実味を感じていた。だが、夢であることに違いはない。

 

夢であると再認識した彼は、誰かに呼ばれた気がして振り向く。

 

そこには、母であるエレノアがいた。

 

 

『エドワード』

 

 

夢の中のエレノアは、鋭い視線で息子を見つめる。

 

 

『暗黒面の力を使いなさい。』

 

 

エレノアの虹彩は金色で、シスであることを示していた。吹雪の中だというのに、金色の瞳は霞むことはない。エドワードはそれが恐ろしく感じた。

 

 

『俺が暗黒面の力を……』

『エディ、ファースト・オーダーに対抗するには、暗黒面の力を使うしかないの。』

『何を言ってるんだ……?』

 

 

エドワードは困惑する。なぜなら、エレノアは我が子に暗黒面の力を使わせなかったからだ。ステファニーも暗黒面の力を使うが、彼女は完全なる我流。エレノアは娘にも教えることはなかった。

 

そんなエレノアが、息子を暗黒面に誘うはずはないのだ。

 

 

『母さんはそんなこと言わない。』

『そうだね。でも、私は“ダース・ルシル”。我が子を守る為に、暗黒面の力を使う。』

『やめろ!!!』

 

 

エドワードの叫びも虚しく、エレノアの姿は薄れていく。段々と吹雪が強くなり、薄れ行くエレノアの姿は雪に掻き消された。

 

そこで、エドワードは寝台から飛び起きる。

 

彼が寝ていたのは、レジスタンス基地の一部屋だった。

 

 

「エディ」

 

 

名前を呼ばれ、エドワードが声の方を見るとステファニーが寝台の隅に座っていた。エドワードの背中は汗びっしょりになり、呼吸は荒くなっている。そして、彼は姉の肩を揺する。

 

 

「ステフ!母さんが……!」

「エディ、ただの夢じゃないって分かるでしょ。」

「え……?」

「ママが私達を暗黒面に誘うわけないでしょ。」

「俺は何も、」

「何を見たのかは分かる。司令部に来て。“オーガナ将軍”が待ってる。」

 

 

エドワードは汗で濡れた服から着替え、ステファニーの後に続いて司令部へ向かう。

 

彼は歩きながら、あることに気付いた。エドワードは、暗黒面が冷たく苦しいものだと感じた。今までも何度も暗黒面からの誘いがあったが、今回は呑まれそうだったのだ。

 

それを姉に言えば、ステファニーは当然のように知ってると答える。

 

 

「怖くないのか?」

「別に?私は自分の意思で暗黒面に踏み込んでるから。」

「なんてことを、」

「馬鹿な真似だと思うなら、あんたは使わない方がいい。」

 

 

司令部に入ると、レイアはフィンと話していた。丁度ブリーフィングが終わったところで、レイアはステファニーとエドワードの存在に気付く。

 

 

「久しぶりね、ステフ。」

「お久しぶりです。」

 

 

ステファニーは“将軍”であるレイアにお辞儀をする。

 

それから、レイアはステファニーの後ろにいるエドワードに声をかけた。

 

 

「エドワード、目が覚めて良かったわ。」

「オーガナ将軍、助けていただきありがとうございます。」

「いいえ、お礼は必要ないわ。依頼を受けてくれてありがとう。マスター・オリンのことは残念だったわね。お悔やみを言うわ。」

 

 

フェラスのことは、レイアの耳にも入っていた。そして彼女が何より心配だったのは、エレノアのことだった。

 

 

「エレノアが心配だわ。」

「ママは大丈夫です。」

 

 

ステファニーは淡々と言うが、レイアはそうは思えなかった。

 

 

「将軍、何を心配しているんですか?」

「エレノアはシスでした。暗黒面に呑まれていたら、私ではどうにもできません。」

「レイアおばさん、ママの悲しみは、ママがちゃんと分かってる。」

「ステフ……」

「ママは、私とエディだけは傷付けない。例え怒りに支配されていてもね。」

 

 

ステファニーは、幼少期を思い出しながらそう断言する。

 

彼女にとって、家族以外はどうなろうと関係ない。父親を失ったステファニーは、今まで以上に母と弟の為に必死だった。

 

持っていたグラスをプロジェクターの上に叩き置き、ステファニーは司令部から出て行った。

 

 

「困った子だわ。」

「………」

「エドワード、どうしてプライム星系が破壊されたのか分かりますか?」

「どういうことですか……?」

「BB-8の報告とは別に、ファースト・オーダーの動向をレジスタンスに知らせたのはあの子よ。ステフが共和国の議員に連絡させたのです。」

 

 

エドワードは、レイアの言おうとしていることが分からなかった。

 

だがレイアの次の言葉に、彼は姉が何をしたのか悟る。

 

 

「ステフはあえて共和国から連絡させたのよ。」

「ステフ………!」

「あの子の怒りは凄まじいわ。」

 

 

レイアは悲痛な表情で、ステファニーを憂う。

 

 

「やはりエレノアが必要だわ。」

「しかし、母さんは……」

「時は一刻を争います。ステファニーを止められるのはエレノアだけよ。けれど、エレノアを止められるのはステファニーと貴方だけです。これは貴方達家族の問題よ。エドワード、どうか力を貸して。」

「はい、そのつもりです。」

 

 

エドワードはレイアの言葉を聞き入れ、司令部を後にする。

 

レジスタンスはフィンの情報を元に、スターキラー基地を攻撃する準備を進める。ハンもレジスタンスに協力し、〈ミレニアム・ファルコン〉のメンテナンスを急いだ。

 

誰もが、希望を信じていた。

 

 

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