ハンが〈ミレニアム・ファルコン〉を立ち上げている中、レジスタンスの1人が船に入ってくる。
「勝手に入るんじゃねぇ!」
「“オーガナ将軍”の命令ですから!」
20代程の男は、自分の意思じゃないとはっきり言い切った。だが、ハンに不満があることに違いはない。チューバッカも、嫌そうな唸り声を上げる。
「将軍が指示したんなら仕方ないと思うぞ?」
「エドワード、この船の船長は彼だ。」
「レジスタンスの作戦指揮下にあるなら、将軍に従うべきだ。」
エドワードとフィンは、お互いに合わないと感じていた。
そこで、レジスタンスの赤髪の男が口を挟む。
「ほら、早く行きますよ!」
「あっ!お前……!」
彼はボタンを押して、勝手にハッチを閉める。
ハンは仕方なく、船を発進させた。
「僕はローレンス・コデュール。よろしくお願いします。」
「おい!何を連れてんだ!?」
ローレンスが挨拶で右手を上げた時、フィンは彼の懐を見て顔を引き攣らせる。彼の懐にいたのは、皮膚の硬いトカゲだった。
「幼体のイサラミリです。フォースを中和させるバブルを出してくれるんですよ。闇市で買ったんですけど、頼りになりますよ。」
「おい小僧、俺の船でバブルを撒き散らすなよ。」
「どうしてやろうとしてるって分かったんですか!?」
「本気でやるつもりだったのか!?そんなことをしてみろ!宇宙空間に放り出してやるからな!」
ハンは釘を刺し、ハイパードライブのレバーを倒す。
船はハイパースペースへ入り、ハンは自動操縦に切り替えた。
「エドワード、ステフはどうした?」
「将軍が絶対に連れていくなって言って、嘘を吐いて置いてきた。」
「はぁ!?」
「あ、僕もダメロン中佐から聞いてます。今頃怒り狂ってますね。」
ハンは呆れながらも、レイアの判断を信じることにした。彼女が言うのなら何かあるのだ、と。ハンの様子を見て、ローレンスは口元に笑みを浮かべるのだった。
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その頃、ディカー基地では……
ローレンスの想像通り、ステファニーが怒り狂っていた。
ステファニーは〈ミレニアム・ファルコン〉に同乗する気だった。しかし弟の嘘を信じてしまい、置いて行かれたのだった。この嘘にはポーも絡んでいて、ステファニーは疑うことなく騙されたのだ。
「私を置き去りにするってどういうこと?」
ステファニーは静かに、尚且つ刺々しく、ハンガーでポー・ダメロンに詰め寄る。
「俺に言うなよ!」
「ステフ、私が行かせたのよ。ポーは悪くないわ。」
「レイアおばさん、私の気持ち知ってるよね?」
「ええ、貴女が冷静じゃないのはよく分かっています。」
レイアの言葉に、ステファニーは口を噤む。
「エドワードが心配なのは分かるわ。けれど、今の貴女は行くべきではありません。」
「ごめんなさい……」
「ステファニー、貴女には話しておかなければならないことがあります。ポー、貴方もです。」
レイアは、2人にある事実を話した。
その事実に、ステファニーとポーは言葉を失う。
「まさか……本当ですか?」
「ええ。レジスタンスがすぐに動くことができたのは、ローレンスのお陰よ。」
「分かった。レイアおばさんを信じる。」
「ありがとう、ステフ。」
ステファニーを抱き締めた後、レイアは司令部に戻っていく。
「ポー」
Xウィングに乗ろうとするポーを、ステファニーが引き止める。
彼女の目は、心からポーを心配していた。
「そういう顔もできるんだな。」
「失礼だね。」
「スター・デストロイヤーで会った君は、ギラついていただろ。」
「あれは……忘れて。気を付けて。」
「ああ。心配ありがとうな。」
ステファニーは微笑むと、ポーに背を向ける。
その直後、別のXウィングからステファニーに声がかけられた。
「ステフ!!」
ステファニーは仕方なく立ち止まる。
彼女はつい先日、その声の主を揶揄ったばかりだった。
「フレディ、生きてたんだ?」
「やめろよ!ずっと逃げやがって!」
彼の名は、フレデリック・ウェズリー。ステファニーが愛する唯一の男である。彼の最大の特徴は、両耳に牙のピアスをしていることだ。
そんな彼に、ステファニーは微笑む。
「あんたを巻き込みたくなかったの。」
「巻き込みたくない?確かにお前は強いかもしれない。だがな、好きな人と一緒にいたいと思うのは普通のことだ。俺を遠ざけるな。」
「………ごめん。生きて戻ってよ。」
「当然だ。」
フレデリックはヘルメットを被るが、そこで静止してステファニーに問いを投げかける。
「ステフの母親は、俺のこと知ってんのか?」
「知らないんじゃない?」
「対面するのが怖いな……」
「殺されはしないと思うから安心して?」
「余計に不安だ。」
フレデリックは窓を閉め、機体の調整に入る。
レジスタンスのXウィング部隊は、ハン達を信じてディカーを発っていった。
シナリオの筆者は、静かにその時を待ち続けた。だが筆者は、1人ではない。何人もの筆者は、刻一刻と始まりと終わりを書き続けた。
物語は、選択次第で絶えず変わる。
それが、運命である。