【完結】理想主義者(笑)の自由奔放記   作:夭嘉

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嵐の前の静けさ

聖堂へ戻ると、状況が変わっていた。

 

アナキンとオビ=ワンは暗殺者を捕まえたけど、その女は他の暗殺者に殺されたらしい。恐らく口封じだろう。彼女は秘密の1つや2つありそうだった。

 

パドメはアナキンに護衛されて、ナブーへ一時的な隠遁をすることになり、オビ=ワンはもう一人の暗殺者を調べることになった。客観的に見ているが、私にも任務を振られた。その任務は、ドゥークー伯爵の動向を探れとというものだ。

 

その理由が、私が未だにドゥークー伯爵と連絡を取っているからだ。

 

8年前、ドゥークー伯爵はジェダイ・オーダーを去っている。伯爵は故郷へ帰り、実家の資産を継いだ、と聞いた。ここまでは、最高評議会も知っている。でも最高評議会が知りたいのは、ドゥークー伯爵が関与していない確証だ。

 

皮肉なことに、パドメがドゥークー伯爵の関与を疑った。

 

 

「エレノア」

 

 

マスター・フィストーに呼び止められ、私は笑顔で応対する。

 

 

「はい、マスター。」

「気を付けろ。暗黒面の力が大きくなっている。」

「承知してます。」

 

 

背を向けて、プラットフォームの小さなシャトルに乗り込む。

 

さーて、どうやって任務をすっぽかそうかなぁ。

 

私は戦争がしたいわけじゃない。夢が叶えば、それでいい。戦争が始まったら夢もクソもないけど。

 

 

「おっと……」

 

 

こんなところに、ガンレイ総督のシャトルがある。

 

こんな……ケイト・ニモーディアの2パーセク手前で、ガンレイは何やってんだ。

 

 

「あー、もしもし?ガンレイ総督?」

『お前……!ジェダイ!!』

「はいはいジェダイだよ。何してんの?」

『………』

 

 

ホロ通信を繋ぐと、ガンレイは私の姿に顔を青ざめさせる。

 

 

「あ、別に深掘りする気はないから安心して?」

『な、何が目的だ!?』

「何もないってば。強いて言うなら、情報が欲しいかな。」

『情報?何のだ?』

「クローダイトの賞金稼ぎについて。あんた賞金稼ぎのことは詳しいでしょ?」

 

 

偶然会ったついでに、例の暗殺者のことを振ってみた。

 

オビ=ワンとアナキンが捕まえた暗殺者は、クローダイトの女性だったらしい。パドメを暗殺しようとしてたということは、彼女は賞金稼ぎだ。依頼を受けているだろう。

 

じゃあ、誰が依頼したのか?

 

肝心のケイト・ニモーディアは、共和国を離脱していない。

 

ところが、この状況は10年前と重なる。10年前、ケイト・ニモーディアの元老院議員は関与を否定した。パドメと最高議長の話によれば、今回も真っ先に否定したという。当時も、今回の件も、恐らく通商連合の一人走りだ。

 

そうなれば必然的に、今回の依頼したのもガンレイだ。

 

 

『私は何も知らん!』

「本当に?」

『本当だ!もう良いだろう!?解放してくれ!』

「仕方ないなぁ、分かったよ。」

 

 

通信を切られ、私は操縦席の背凭れに踏ん反り返る。

 

 

「………マスター・ドゥークーに連絡しようかなぁ。」

 

 

ドゥークー伯爵は、彼が聖堂を去る前にお世話になったから、あまり突っつきたくないんだよね。

 

けど、まだジェダイである私は、最高評議会に従わなければならない。

 

 

「背に腹は変えられないか……」

 

 

ジェダイをやめるなら、今しかない。

 

今までジェダイとして真面目に生きてきたから、最高評議会は私のジェダイ・マスターへの昇格が検討されていたらしい。私にパダワンを充てがうことを考え、すぐにでもマスターの称号を与えることを、マスター・ヨーダとマスター・フィストーが話し合っていたという。

 

マスターの称号なんてどうでもいいけど、今ジェダイをやめたら白紙だろうなぁ。

 

 

「やーめ、た!!!」

 

 

ドゥークー伯爵に連絡するのは中断し、思い付いた惑星の座標を入れ、ハイパードライブのレバーを押す。

 

もう考えることが面倒臭い。こんな何もないところで考えていても、夢は叶わない。夢を叶える為には、行動しなきゃ。

 

 

「瞑想瞑想……」

 

 

ハイパースペースに入っている間、時間は余る。時間は有効に使おう。夢の為に、未来を予期しておかなければ。

 

フォースと繋がり、私は意識の底へ落ちていく。

 

暗い闇の中で見えたのは、未来の私。何度も見て、何度も憎悪を感じている。自分自身を見ているはずなのに、自分が恐ろしく見える。

 

何より、赤いライトセーバーが己への恐怖を引き立てた。

 

アラートで呼び戻され、私は操縦席へと座る。

 

 

「気持ち悪っ……」

 

 

今まで感じたことのない暗黒面の力に、吐き気がする。でも、その吐き気の向こうが心地良いんだ。吐いた後の爽快感と同じように、苦痛を乗り越えた先に快楽がある。

 

舵に頭を突っ伏して、吐き気を堪える。

 

まだ吐けない。吐くのは、私が暗黒面に呑まれてからだ。今吐いたら、我慢してきた意味がなくなる。

 

ハイパースペースを出た後、シャトルは大気圏を抜けて惑星タコーボに着陸する。

 

人の少ない街に紛れ、第3の隠れ家に入り、ドアにロックをかける。

 

第3の理由は、他にもいくつか隠れ家があるからだ。タコーボの他に、ガレルやオルデラン、シャンドリラにもある。ジェダイのことを忘れたい時用に作り、時々来ていた。

 

ここ、タコーボの隠れ家もそうだ。

 

任務から逃げたくて、この隠れ家に来ている。しばらくは見つからないだろう。その内通信が来るだろうけど、今は非日常から離れたい。

 

 

「オカエリナサイマセ、エレノアサマ。」

「ただいま。」

 

 

出迎えたのは、サービス・ドロイド。私が留守の間に管理をさせている。無人のままでも良かったけど、人が住んでいるように見せたかったんだ。

 

早く全てを変えたい。

 

私の夢の為に。

 

 





遅くなって申し訳ありません……
マジ進まんm(_ _)m
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