“不時着”という着陸をしたハン達は、それぞれ役割を分担する。
ハンとチューバッカは爆弾の設置。エドワードはレイの救出。フィンはローレンスを伴い、ファースト・オーダーの機密情報の奪取。
それを得る理由は、エレノア・クラウドの情報を得る為である。
フィンはローレンスを連れて、制御室へ向かった。
「フィン先輩」
「先輩はやめろ。なんだ?」
「何か騒がしくないですか?」
トルーパーが駆け回り、2人は慌てて陰に隠れる。
「誰か来るぞ。」
「ブラスター持ってます?」
「一応な。」
「3数えたら出ましょう。いいですか?」
「ああ。」
小声で会話して、ローレンスはカウントを始める。
「1…2……3!!」
「待て!俺だ!」
「フィン!良かった!」
2人が飛び出した先には、エドワードとレイがいた。レイはフィンを抱き締めて、安堵する。そして、ローレンスを見て目を細める。
「貴方誰?」
「僕はローレンス・コデュール。じゃあ僕は制御室へ向かうので、貴方達はソロ将軍と合流してください。」
しかしフィンとエドワードが頷くはずがなく、2人はローレンスに反論する。
「作戦と違うぞ!」
「なんで俺がこいつと…!」
「仲良くしてくださいよ。レイ、2人をお願いします。では、後で!」
ローレンスは1人で行ってしまい、3人は見つめ合う。
「とりあえず、ソロ将軍のところへ行こうか。」
「ああ。」
「ローレンスもレジスタンスのメンバーなの?」
「そうだ。」
「行くぞ!」
エドワードに急かされ、フィンとレイは走る。
レイは走りながら、嫌な予感に襲われていた。何かを失うような、恐怖が押し寄せてくるようだった。2人には言えず、レイはそれを胸の奥に隠した。気のせいだと、自分に言い聞かせていた。
レイ達が施設に辿り着き、シャフトの天板でハンが、カイロ・レンと何かを話していた。チューバッカはシャフトの外から2人を見守って、不安そうな表情をする。
「どうしよう……」
レイが人知れず、小さく呟く。
彼女の視線の先には、ハンとレンがいる。2人がいるのは、レイのいる場所より遥か下だ。降りる術もなく、彼女は黙って見ることしかできない。
「………」
ハンとレンは話した後、和解したかのように見えた。
レンは、ハンにヒルトを差し出す。
「っ!?」
だが次の瞬間、赤いプラズマの刃がハンの腹を貫いていた。
「ダメ!!!」
レイの叫びが、シャフトに響き渡る。ハンの身体はシャフトの下に落ちていき、チューバッカは怒りでレンを撃った。待機していたトルーパーも現れ、レイ達は施設から逃げ出す。
外へ出ると、レジスタンスのXウィングが基地を攻撃していて、イラムの核は不安定になっていた。
レイ達は森を走り、少しでも施設から離れようと足を動かした。
しかし、その先には、レンが待ち受けていた。
「ベン!!!」
エドワードの声に、レンは嫌そうな顔をする。
「俺はカイロ・レンだ。エドワード・オリン、まともな訓練もしていないお前に、俺は殺せない。」
「何だと!?」
「そんな……エディのお父さんはマスター・オリンなのよ!弱いわけないじゃない!!」
「よせ!レイ!!」
レイはエドワードの制止を聞かず、レンにブラスターを撃つ。当然防がれてしまい、レイはフォース・プッシュされ雪の上に倒れる。エドワードが駆け寄った傍らで、フィンはルークのライトセーバーを起動させた。
しかし、それはレンの怒りを増幅させただけだった。
「この……裏切り者が!」
2人はライトセーバーをぶつけ合い、エドワードは嫌な汗を流す。
「フィン!!」
エドワードは間に入るように、エレクトロスタッフでフィンを守る。
「邪魔だ!!」
「やめろ!ベン!!」
「俺はベンじゃない!お前を殺せば、エレノア・クラウド”が現れるかもな!!」
エドワードのエレクトロスタッフは簡単に壊され、レンは赤いライトセーバーを振り上げる。
「エディ!!」
「レイ!?」
レイがルークのライトセーバーを拾い、起動させる。型も分からず、ただ構えるだけだが、レンはレイを畏れていた。その強いフォースに、エドワードも驚く。
その時、レイの後ろからブラスターが放たれ、レンの肩にレーザー弾が当たった。
「っ…!?」
その場にいた全員が、振り向いた。
「ローレンス!?」
「………」
ローレンスは、今度は無言でレンにスタンビームを撃ち続ける。レンはライトセーバーで防ぎ続けるものの、脚や腕に度々当たってしまっていた。
「このまま消えようと思ったけど、我慢の限界。いや、我慢してた“私”が馬鹿だったよ。」
ローレンスは喋りながらも、歩き続ける。
そして、ローレンスの声は徐々に男のものから女の声に変わり、彼の身体は身体の末端から緑色の炎に包まれた。身体の形も変わり、炎が消えたところから元の身体が露わになる。最後に顔の炎が燃え尽き、本来の顔が晒された。
その顔は、誰もが知る顔だった。
「母さん………?」
「エレノア・クラウド!!」
エレノアの顔を知るレンとエドワードは、ほぼ同時に反応する。
“ローレンス・コデュール”の服はそのままだが、露わになった顔は“エレノア・クラウド”本人だった。
「どうしようもない子だね。」
そう言うエレノアの見た目は40代の淑女だが、その瞳は金色に染まっていた。
それは暗黒面に深く身を置く証で、エレノアが“ダース・ルシル”として存在している証明でもあった。彼女の心の中にあるのは、憎しみだけ。標的は、スノークただ1人だ。
遥か昔、エレノアがダース・シディアスを憎んでいたように。
エドワードは母であるエレノアを知っているはずなのに、彼女が自分の母親とは思えなかった。
「この……!」
レンは無防備なエレノアをフォース・チョークしようとするが、いつまで経っても変わらなかった。
「無駄だよ。フォース・チョークのお手本を見せてあげる。」
「っ…な…やめろ……!!」
呼吸ができなくなったレンは、首を押さえて膝をついてしまう。
エレノアの表情は、とても醜く歪んでいた。
エドワードは、見たことがない母親の姿に絶句する。話には聞いていたが、彼は到底信じられなかった。母がシスの暗黒卿だったという事実を、軽く考えていたのだ。
だが目の前のエレノアは、紛れもなくシスとして立っている。
フェラスやアナキン、パドメというストッパー達亡き今、誰にもエレノアを止められない。
“ダース・ルシル”が、再び銀河を脅かす。