【完結】理想主義者(笑)の自由奔放記   作:夭嘉

132 / 159
我が名は………

司令部に入るなり、レジスタンスの視線が私に突き刺さる。

 

他の隊員には目を向けず、私は真っ直ぐレイアの下へ向かった。

 

 

「エレノア」

 

 

レイアの弱々しい声が、私の名前を呼ぶ。

 

 

「私は“エレノア”じゃない。」

「………無理はしないで、“ルシル卿”。」

「無理?これが私なの。無理しているわけじゃない。」

 

 

背を向けると、レイアは私の後を追ってくる。レジスタンスの面々は作業に戻り、私達は司令部を出て行く。スリープモードのエピを回収して、基地のハンガーへと踏み込んだ。

 

 

「エレノア」

「………」

「聞きなさい、ルシル卿。」

 

 

今度はきつめの口調で呼び止められた。その表情はいつものレイアではなく、“オーガナ将軍”としての顔だった。その態度に、思わず嫌な顔をしてしまう。

 

 

「現実から目を逸らしても、何も変わらないわ。」

「そんなこと分かってるよ!!」

 

 

つい声を張り上げてしまい、私はレイアに謝る。

 

 

「ごめん……」

「戦いはまだ終わっていないわ。エレノア、」

「ステフはスノークに毒されてる。」

「貴女のせいじゃないわ。」

「私のせいだよ。知ってるでしょ?ファースト・オーダーが台頭した時、私は沈黙を貫いた。私がスノークを無視したから、奴は娘に手を出した。全部私のせい。」

 

 

ステファニーは自分で暗黒面に踏み込んだと言い張るだろうけど、間違いだ。唆したのはスノークだ。娘の怒りと憎しみを煽り、暗黒面に踏み込ませた。

 

その結果、ステフが元老院議員を脅し、共和国はファースト・オーダーに滅ぼされた。

 

ベンだけではなく、ステファニーもスノークに毒されてしまった。

 

 

「エレノア………」

「………」

「後悔しているのね。」

「私がシスに戻っても、ステフもエディも変わらないと思ってた。寧ろ、あの子達はあの子達でファースト・オーダーと戦うと思ってた。」

 

 

考えが甘かった。私がシスとして再臨しても、子供達は何も変わらないと勝手に考えていた。レイアやハンもいたし、心配なんかしてなかった。

 

だけどハンが離れていき、ベンも暗黒面に呑まれ、ステファニーも私に感化されてスノークに踊らされた。

 

バラバラにさせたのは、他でもない私だ。

 

 

「今からでも遅くないわ。一緒に戦って。」

「レイア、一緒には戦えない。私が始めたから、私が終わらせる。」

「貴女1人の責任じゃないのよ。」

「お願い、黙って見過ごして。私がここにいたら、エディまで闇に囚われる。」

 

 

息子まで囚われてほしくない。暗黒面はとても重い。呑まれるのは、私だけでいい。

 

 

「レイア、オク=トーにレイを向かわせるんだよね?」

「なぜそれを……?」

「エピを通して見てたから知ってる。」

 

 

R2-D2とBB-8の持つ星図が、オク=トーへの地図だというのは知ってる。

 

なぜなら、私はあの星でルークと決別したからだ。

 

 

「エディも同行させて。ステフも。」

「………荒治療させる気?」

「ルークの為でもあるんだよ。」

「貴女が行くという選択はないのね。」

「シスはジェダイの敵。私が助けることはできない。」

 

 

フェラスのライトセーバーを懐から出して、レイアに差し出す。

 

 

「ステフに渡してほしい。」

「貴女が渡すべきよ。」

「私にそれを触る資格はない。じゃあ、後は頼んだよ。」

 

 

フードを被り、私はレジスタンスのインターセプターに乗り込む。

 

 

「ママ!!!」

 

 

駆け込んできた娘の声を無視して、私はエンジンを蒸す。

 

Aウィングはディカーを離れ、あっという間に軌道へと出る。

 

私はシスだ。レジスタンスに希望をもたらすことはできない。希望を与えるなら、ルークにしかできない。最後のジェダイとして、私ではなく、ルークがレジスタンスを導かなければならない。

 

ハイパードライブを起動させ、私はレジスタンスの下を去った。

 

私の復讐は終わってない。

 

誰も巻き込まず、誰にも邪魔はさせない。

 

ハイパースペースに突入してすぐ、ホログラム通信機をある周波数に変えた。

 

 

『貴様は……!』

 

 

私の姿を見た相手の男は、突然のことに狼狽える。

 

 

「私はダース・ルシル。今すぐ奴を出せ。」

『従うわけ……っ!?』

 

 

ホログラム越しでも、フォース・チョークはできる。

 

窒息しそうになっている相手に、私はもう一度同じことを告げた。

 

 

『分かった……!やめ……ろ………!!』

 

 

その返事を聞いて、私は相手を解放する。

 

ホログラムから男が消え、奴が現れるのを待つ。さっきの男は処分されるだろうけど、私には関係ない。復讐に、関係者の犠牲は付き物だ。

 

やがて、通信が少しブレた後、要求した人物がホログラムに映った。

 

 

『ようやく姿を現したか、エレノア・クラウド。』

「違う。私はダース・ルシル。あんたを殺すシスの名前だよ。覚えておいて……」

 

 

一呼吸置いて、私は口を開く。

 

やっと、復讐を果たせる。フェラスを殺された憎しみを、その身に受けてもらおうじゃないか。私を怒らせたことを、心の底から後悔させてやる。

 

 

「………スノーク。」

 

 

通信の相手、スノークは私を睨み付ける。

 

回りくどいことはもうやめだ。

 

直接蹴りをつける。

 

 






次からはエピソード8編です!
ようやくwww
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。