【完結】理想主義者(笑)の自由奔放記   作:夭嘉

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最後のジェダイ(Ⅷ)
最後のシスの選択


ファースト・オーダーの艦隊がいるセクターに到着し、私は〈スプレマシー〉に近付く。

 

私のインターセプターは撃たれることはなく、何事もなく着艦した。ハンガーで機体から降りると、武器を向けられていないものの、敵意をひしひしと感じた。

 

アーミテイジ・ハックスが直々に出迎え、私の名前を呼ぶ。

 

 

「ダース・ルシル、武器を、っ!!」

 

 

ハックスが言い終わる前に、彼をフォース・プッシュする。

 

彼は勢いよく吹っ飛び、コンテナに背をぶつける。床に踞るハックスの目の前に立ち、今度はテレキネシスで強引に立たせた。ゆっくり時間をかけて、私はフォースでハックスの気道を絞める。

 

 

「ハックス将軍、私には武器なんてあってもなくても変わらないの。その身を以てよく分かるでしょう?言葉は慎重に選んだ方がいいよ。」

「化け物め……!」

 

 

そこで、私は咄嗟に振り向く。一定時間ある方向を見つめた後、ハックスに視線を戻した。それから、彼を解放する。

 

 

「一体何なんだ!!」

「スノークが急かしてる。」

 

 

奴はフォースを通して、早く来いと言ってきた。

 

スノークは、私に会いたがっている。

 

 

「どこへ行く!?」

「玉座の間。案内はいらない。自分で行く。」

 

 

睨み上げるハックスを置いて、私はハンガーを出て行く。

 

すれ違うトルーパーは撃ってこないが、敵意は遠慮なく向けてきた。だけど、私は気にしない。私はファースト・オーダーの敵なのだから。

 

玉座の間に着き、ドアが開く。

 

私は立ち止まることなく、中に踏み込んだ。

 

 

「ダース・ルシル、ハックスは私のものだ。勝手に痛め付けるのはやめろ。」

「シスに無礼を働いたから、身体に教えただけ。スノーク、シスを知りたくない?」

 

 

私は歩き続け、玉座に座るスノークの一歩手前で止まった。

 

 

「私が何を求めているか知っているだろう。」

「もちろん知ってる。」

「何をしに来た?わざわざ殺されに来たわけではあるまい。」

 

 

スノークの問いに、私は満面の笑みを見せる。

 

その笑みは、これから死ぬ女のものじゃない。これから起こる喜劇を、心から楽しみにしている笑みだ。

 

それから背を向け、私は心の内を明かした。

 

 

「あんたが娘に手を出して、私は決断したの。」

「………」

「私ね、弟子を迎えることにしたんだ。」

「何だと……?」

 

 

第二デス・スターで、一度はシスは滅ぶべきだと考えた。だけど、シスでもない奴が、暗黒面の力を使って蔓延るのは許容できない。それならシスの系譜を伸ばして、押さえ付けた方がいい。

 

暗黒面の力はシスのものだ。

 

 

「力を渇望して、私を殺してくれる強い弟子を迎える。」

「馬鹿なことを……自らを殺す弟子だと?気でも狂ったか?」

「馬鹿はあんただよ。アプレンティスがマスターを殺すのは、シスでは推奨されること。マスターを超えて強くなるからね。」

 

 

私はもう若くない。見た目こそ若く見せているけど、昔よりは強くない。勢いよく燃え上がった炎は、一気に小さくなる。

 

私は、弱くなる一方だ。

 

でも、このまま死ぬつもりはない。

 

 

「あんたを許す気はない。フェラスを殺して、娘に手を出したことを後悔させてやるから。」

 

 

玉座の間を出ようとすると、スノークの命令でプレトリアン・ガードが私を囲う。

 

 

「このまま逃がすと思うか?ダース・ルシル、浅はかだったな。」

「スノーク、シスを甘く見ない方がいい。私はジェダイじゃない。慈悲なんか持ち合わせていない。」

「だが、私を殺す度胸はない。違うか?」

「勘違いしないで。」

 

 

私は懐から、起爆装置を取り出す。それを見たスノークは表情を変えた。奴の反応など構うことなく、私はスイッチを押す。

 

仕掛けた爆弾が爆発し、スプレマシーは大きく揺れた。

 

 

「何をした!?」

「何、大したことじゃない。バズ・ドロイドを忍ばせただけだよ。」

「クズドロイドが何の役に立つと、」

「お前を確実に殺す為に、逃げ道を潰したんだよ。」

「逃げるのはお前だ!ルシル卿!」

 

 

プレトリアン・ガードの1人が、後ろから襲ってくる。

 

だけど、私はライトセーバーでそいつの首を刎ねた。

 

 

「駒の無駄使いだと思うよ?」

「貴様……!」

「私が手を下すまでもない。あんたはもうすぐ死ぬ。私には見える。あんたは、自分の力を過信して死ぬんだよ。」

 

 

私の予期通りなら、私が殺さなくてもスノークは死ぬ。それも、近い未来に。誰がスノークを殺すのかも、私には分かる。

 

燻っているのは私だけじゃない。

 

 

「それと、教え子のレンを侮っていると、痛い目に遭うよ。」

「カイロ・レンはまだ子供よ。まだ私を超えることなどできぬ。」

「本当にそう思う?私ですらあの子の闇を計れなかった。子供だからって嘗めてると、寝首かかれるよ。」

 

 

実際、ルークはベンの寝込みを襲った。ベンは辛うじて生き延びたけど、ルークへの怒りは消えることはない。だからあの子は暗黒面にいる。

 

 

「それじゃあ、お互いゲームを楽しもう。」

「待て!ダース・ルシル!!」

「私が何も知らないと思うなよ。」

 

 

警告してやると、スノークは言葉を詰まらせる。今度こそ背を向け、玉座の間を後にした。プレトリアン・ガードは追って来ず、私は1人通路を歩き去った。

 

燃え盛るハンガーに入り、私は自分のAウィングに乗り込む。

 

 

「最高指導者から許可が出たぞ!撃ち殺せ!」

 

 

トルーパーは一斉にブラスターを向けてくる。

 

スノーク、本当に馬鹿な奴だ。私が視界から消えた途端、安全なところから攻撃させるなんて狡い奴。フェラスを殺した時もそうだった。

 

泳がせているとも気付かずに調子に乗って、本当にオツムが弱い。

 

 

「な、なんだ……?逃げろっ!!」

 

 

トルーパーは足元の緑の炎に気付き、慌てて逃げていく。だが、時既に遅し。私はオールド・タングを吐き、炎は勢いよくトルーパーを襲う。

 

緑色の炎はトルーパーの肉体を蝕み、水分を奪っていく。

 

そして、干涸びた肉体は風化していく。

 

 

「無事でいられると思わないでね?」

 

 

玉座の方を向き、そう呟く。

 

きっかけは与えた。あとは、力に飢えた者がスノークを殺すだけ。私は直接手を下さない。私が殺してしまえば、次に進めない。

 

自然と口角が上がる。

 

座標を入力して、私はエンジンを蒸した。

 

次は、始まりの地へ。最後のジェダイはそこにいる。この戦いは、シスの私だけでは何も変わらない。

 

“子供達”に必要なのは、ジェダイのルークだ。

 

シスの私じゃない。

 

 

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