Aウィングはハイパースペースを抜け、オク=トーの軌道へと出る。レッド5の痕跡を探して、私は機体を小屋のある小さな島に着陸させた。小屋にはルークの気配があり、フォースの絆が断たれているのを感じた。
近くには〈ミレニアム・ファルコン〉がある。
つまり、レイが来ているということだ。
「エレノア!!」
私の乗ってきたAウィングが見えたのか、レイが駆け寄ってくる。
「レジスタンスにいたんじゃなかったの?」
「私はこの戦いに直接関わる気はないの。」
「でも、みんなが助けを求めてるのよ!?」
「そうだね。だからここに来た。」
「え……?」
ルークのいる小屋に向かい、私は扉を蹴り開ける。
助けを求められるべきは、私じゃない。
「エレノア!?」
久しぶりに会ったルークは、少し窶れていた。フォースの絆も、通信機も断ち、自ら孤独になっていた。フェラスを失った時の私のように。
だけど、今こそジェダイのルークが必要なんだ。
「ルーク、久しぶり。」
「来るな……!」
「来るな?じゃあどうして隠遁したの?“ダース・ルシル”が復活するとは思わなかったわけ?」
「貴女に分かるはずない!出て行ってくれ!」
ルークの表情が、苦痛に歪む。
二度目の失敗を恐れて、レイを拒んでいる。レイにはルークが必要なのに。彼女を鍛えられるのは、ジェダイだけだ。
後ろにいるレイが、心配そうに私とルークを見る。
「フェラスが殺された。」
「………」
「この意味が分かるでしょ?」
「エレノア……」
「弟子を迎えることにした。強くて、私を殺してくれる弟子をね。」
弟子という言葉に、ルークは即座に反応する。
「弟子だって!?エレノア!気でも狂ったのか!?」
「もう賽は投げた。スノークは殺される。アプレンティスになるかもしれない男にね。」
「何ということを…!」
「そんな…!」
ルークのみならず、レイまでもが驚愕する。
事態は既に動き出している。何もかも、とっくに始まってるんだ。私はそれを利用するだけだ。
「エレノア!!!」
「っ…」
怒りに駆られたルークは、私の襟を掴んで壁に叩き付けてくる。
「貴女は何をしているのか分かっているのか!?」
「その手を離せ、ジェダイ。」
「っ!!」
私の低い声に、ルークは瞬時に手を離す。
今のルークは、皇帝と戦った時のルークとは違う。希望を見失い、全てを拒絶している。そんな“若造”を遇らうのはとても簡単だった。
「あんたに戦う気がないなら、こうするしかない。」
「当て付けのつもりか!?」
「そうだよ。悪い?」
「貴女って人は……!」
「ハンも逃げて、あんたも戦いから逃げた。でも、私とレイアは戦い続けた。何が違うと思う?」
ルークは、何も言わなかった。否、分からないんだ。分かるはずがない。今のルークに答えは見つけられないだろう。
後ろで見ていたレイも、答えが分からないようだった。
「ジェダイもシスも関係ない。ルーク・スカイウォーカー、シスの私が復活して、どう対抗する?」
「私は……」
「言っておくけど、止まるつもりはないから。」
レイの背中を押して、私は小屋を後にする。
こうでもしないと、ルークは動かない。彼がどんな目で見てくるかなんて、私にはどうでもいい。問題は、ルークが行動するかどうか、だ。
私達が出た後、扉は固く閉められた。
「エレノア、新しい弟子って誰なの?」
「すぐに分かるよ。レイ、予定通りルークから訓練を受けて。」
「でも、マスター・スカイウォーカーは………」
「大丈夫。その内行動するから。」
レイに背を向けて、私はAウィングへと戻る。
Aウィングに戻って、私は荷物の中から調合した薬を取り出した。その薬を飲み、私は惑星モラバンドにフォースの幻影を飛ばす。薬を飲むことで、スノークの目を誤魔化すことができる。
目を閉じて瞬きすると、私は赤い大地の上に立っていた。
私は迷うことなく、真っ直ぐ神殿の最深部へと入る。
『ダース・ルシル』
低い声が響き渡り、歩き続ける私の後ろにいくつもの影が形を成す。
祭壇に辿り着き、背後の影達は私を取り囲む。
『舞い戻ったか。』
「亡きシスの暗黒卿達よ、私に手を貸してほしい。」
『シスの奇才が、何を求める?』
「私は──────」
その望みを古代シス語で言えば、彼らは囁き出す。
そして、言葉が返ってきた。
『かつてお前は、我等から力を奪い取った。』
『だが、今は同意を求めている。』
『なぜ以前のように手に取らない?』
「“裏切り者”がいる。」
既に死んでいる彼らには、それが誰なのか分かるようだった。私がそう比喩したことに、反論するシスはいない。裏切り者には、地獄の制裁を与えるべきだ。
「私達シスにもルールがある。奴はそれを破った。あんた達は奴をあの世に、私も望みを果たせて、お互い利点しかないでしょ?」
『だが、シスの悲願は果たしていない。』
『ジェダイのスカイウォーカーが生きているぞ。』
「ジェダイが完全に滅んだら、フォースのバランスが崩れる。裏切り者はそのバランスを崩した。罰を与えるべきでしょ?」
にっこり笑うと、彼らは笑い出した。
『これぞシスだ!』
『良かろう。』
『シスの為に、貴様に力を与えよう。』
緑色の炎の玉が私の胸部に入り、彼らは私の周りをぐるぐると回る。
シスの秘術が発動して、暗黒面の力が心臓に染み込んでいく。
『邪魔が入った。』
「邪魔?何?どういうこと?」
『ダース・ルシル、力は既に渡った。』
『心して戦え。』
次の瞬間、私は水の中に落ちていた。
酸素を求めて水面に上がると、隣にはルークがいた。海水の味によれば、あの島に戻ったらしい。私を海に落としたルークを一発殴った後、邪魔をされたことに苛立ちながら陸に上がった。
「エレノア!!」
肩に手をかけようとしたルークを避け、全力でフォース・プッシュする。
地面に倒れたジェダイを見下ろして、私は思いっきり敵意を向けた。
「何の真似?」
「本気なのか?」
「本気だよ。弟子を迎える準備をしてるの。あんたこそ何?やっと戻る気になった?」
「………そうだ。」
「そう、良かった。じゃあ、あんたが戦って。」
ルークの顔に、怒りが見え隠れする。
言いたいことは分かる。好き勝手して、好き勝手言っているのは私だ。尚且つ、自ら戦う気がない。怒るのは当たり前だ。
「何もスノークと戦えって言ってるんじゃない。あんたはレイを鍛えて。先が短いんだから、それくらいはしてよね。」
「エレノア、弟子を取ることで、ジェダイの私を引き摺り出そうとしたな?」
「分かってるんなら、私の先を歩いて。私は進み続ける。追い抜きたいなら、全力で走って。」
濡れた身体のまま、私は島の端に向かう。
ようやく、事が進んだ。未来のアプレンティスも、確実に力を増している。時は近い。
だけど、未来は常に変わる。
それは私が痛感している。
なぜなら、私は過去を変える為に未来から送られた人間だったのだから。
最近欲しいものがありすぎるw
無限にお金降ってこないかな〜