レジスタンスは無事クレイトに辿り着き、すぐに戦闘準備を始める。
そこへ、1つのシャトルが元反乱軍基地に突っ込んできた。ファースト・オーダーのシャトルだと思ったレジスタンスは、急いでシャッターを閉めようとする。
しかしシャトルは隙間を抜け、基地内に滑り込んでしまった。
レジスタンスは敵のシャトルに向けて、一斉に射撃する。
「待って!私達よ!」
「撃つな!」
「撃ち方やめ!!」
ポーの制止で、レジスタンスはブラスターを下ろす。
ボロボロのフィンとローズは、シャトルの中から1体のバトル・ドロイドを引っ張り出す。
「エピ!!!」
真っ先に、ステファニーとエドワードが反応する。
ステファニーはエピを抱き上げると、動かないボディを見回す。
エピはフィンとローズを守る為に、自らのバッテリーをシャトルにチャージした。ところが壊れたシャトルを動かす為に、エピはシャトルのCPUに成り代わった。その為、あまりの負荷に耐えられず、エピの基盤はオーバーヒートを起こし、ついに機能停止をしてしまったのだった。
ローズは動かないエピに、小さくお礼を言った。
「エピが私達を送ってくれたの。ダース・ルシルの指示だそうよ。」
「っ!!母さんは!?」
「分からないわ。」
「俺達も、逃げるのが精一杯だったんだ。」
フィンの言葉に、エドワードは胸が苦しくなる。
ステファニーとエドワードは、父だけでなく母まで失ったと思った。
「エディ………!」
「っ……」
静かに涙を流す弟を、ステファニーは優しく抱き締める。
その時、地響きがして、レジスタンスの面々は顔を見合わせた。
フィンが外を覗くと、ファースト・オーダーは何かの兵器を用意していた。その兵器の名はバッタリング・ラム・キャノン。フィンが兵器の名を呟き、防ぐことはできないと断言する。
「デス・スターの小型版だ。この分厚い扉も簡単に吹き飛ばせる。」
「どうするの?」
ステファニーの問いに、ポーは迷いなく口を開く。
「スピーダーで戦うしかない。」
「いや、ダメだ。」
「何だと?」
エドワードが、ポーに反論する。
この状況で、エドワードは戦うなと言う。もちろんレジスタンスは納得できるはずなく、ローズやフィンも戦うことを選択する。
だが、エドワードは何度も戦うなと止める。
「俺が戦う。」
「エディ!馬鹿言わないでよ!」
「大丈夫だ、ステフ。」
「大丈夫だ!?どうする気だ!!」
「俺がレンと戦う。対決するんだ。」
エドワードのあり得ない言葉に、レイアが引き留める。
「貴方では止められないわ。」
「いいえ、これが俺の役割なんです。」
「“あの子”に殺されてしまったら、」
「大丈夫です。俺には強い味方がいるんだ。」
そう言って、エドワードはライトセーバーを持って外に出て行く。
エドワードが出てきたことに気付いたレンは、ウォーカーを止めさせて、シャトルから降りてくる。尚も歩くエドワードに、レンは不信感を募らせた。
レジスタンスとファースト・オーダー、どちらがどう見ても、多勢に無勢なのは明らかだった。
レンの目の前まで来た彼は、カイロ・レンではなく、本来の名を呼ぶ。
「ベン」
「俺はカイロ・レンだ。」
「いいや、お前はベン・ソロだ。俺の母を殺そうとしたな?」
「それがシスだ。俺は奴の弟子で、マスターを殺すのはシスでは推奨される。お前が口を出す権利はない、エドワード・オリン。」
口ではそう言っているものの、レンは惨めな思いを抱えていた。
シスでは推奨される。そう言ってはいるが、レンはダース・ルシルを殺せなかった。更に彼女は、アプレンティス失格だと断言した。
これ以上レンのプライドを傷付ける言葉は、他にはない。
「お前は暗黒面の恐ろしさを分かってない。」
「恐ろしさ?何を言っている?暗黒面は力を与えてくれる。」
「何を言っても無駄なようだな。だが、俺は諦めないぞ。」
レンは喋りかけるが、エドワードの後ろを見て口を噤んだ。
エドワードの後ろには、彼の姉であるステファニーがいた。
「弟を1人にするわけないでしょう?」
「姉弟揃って邪魔をする気か?」
「私達の父親が誰か知ってるよね。パパが生きていたら、姉弟で力を合わせて戦えって言うはず。私達を嘗めないでよね。」
その時、2人の横をスピーダーが走り抜けていく。
乗っているのは、レジスタンスのパイロット達だった。ポーとフレデリックを筆頭に、真っ直ぐ向かって行く。
TIEファイターが即座に応戦し、戦いが始まった。
それを合図に、エドワードとステファニーもライトセーバーを振り被る。
「半人前2人が揃ったところで、お前達に勝ち目はない!!」
レンも対抗して、クロスガード・ライトセーバーを起動させる。
そして、それぞれの戦いが始まった。
────────
クレイトへ向かおうとしたものの、私が乗ったシャトルは停止してしまった。
やっぱり爆発の影響を受けていたようで、配線が切れたらしい。
「レジスタンスは壊滅、私の復讐も不完全燃焼、アプレンティスは野放し。最高じゃん。」
私に配線の修理は無理だ。何でもかんでも、ミスマッチにやらせてきた。自分でやらなかったツケが来たんだ。
ニッパーを放り投げ、赤いライトセーバーを起動させる。
「この…!」
自棄になり、制御パネルに突き刺そうとする。
後戻りできないのは分かってる。自分では直せないんだから。でも燃料が切れて飢え死ぬくらいなら、自分で自分に手を下した方がいい。
私は躊躇いなく、制御パネルにライトセーバーを振り下ろす。
しかし、制御パネルを壊すことはできなかった。
「………離して。」
『それはできない。』
「今の私なら、あんたに干渉できるんだよ。」
殺気を含ませ、止めた相手にそう告げる。
「アニー」
死んだはずの親友、アナキン・スカイウォーカーが私を止めた。
『制御パネルを壊せば、修理すらできなくなるんだぞ。』
「うるさいな!今更何なの!?私のことを放ってきたくせに!!」
会えて嬉しいはずなのに、怒りをぶつけてしまう。
アナキンはジェダイで、私はシスだ。だけど、私達にそんな肩書きは必要ない。立場なんて関係なく、私達は友達だったはずだ。
それなのに、会いに来てくれなかった。
私と一緒にいてくれた友達は、パドメだけだ。
『君だって隠し事があるだろ。』
「何も隠してない。」
『ルークとカルリジアンも知っている。2人は辿り着けなかったが………レジスタンスや、ステフとエディに知られるのは時間の問題だ。』
「やめて……」
『ジャクーの戦いで、既に気付いていたんじゃないのか?』
「そうだよ!知ってたよ!もうやめてよ!」
霊体のアナキンにドライバーを投げ付け、声を張り上げる。
「最初から全部私が悪いんだよ!私がシスになったから、この結果を招いたの!私が止められないなら、もう無理なんだよ!!」
『ネル、それは違う。』
「じゃあ誰の責任!?私以外に責任を負うべき人はいない!」
『僕の責任でもある。』
アナキンから出た言葉に、私は即座に否定する。
「アナキン……私が最初に傷付けた人が、あんたとパドメなんだよ。」
『そうだ。友である僕が君を助けるべきだったんだ。』
「もう助けられてる。でもあんたが救ってくれた私は、これ以上何もできない。」
『いいや、できる。』
膨大な生命エネルギーを持っていても、私は身動きできない。
そんな私に何ができる?
「私に船の修理は無理だって知ってるでしょ。」
『ああ、知ってる。』
怪訝な顔をする私に、親友は微笑む。
アナキンは私にニッパーを渡し、言葉を続ける。
『僕は希望を、君は絶望を与えるんだ。バランスを保て、ネル。』
彼は次いでペンチを差し出してくる。
そうだ、私は絶望を与える側だ。私は生き地獄を見てきたんだ。生半可な苦痛は与えない。
私はシス。
ジェダイの敵で、銀河の脅威であるべきだ。