【完結】理想主義者(笑)の自由奔放記   作:夭嘉

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伝説のジェダイ

アナキンの指導で船は大体直り、航行くらいならできるようになった。

 

エンジンを立ち上げると、アナキンは私に微笑んで消えた。

 

クレイトでは、戦いが始まっているだろう。レジスタンスだけではなく、私の子供達もいる。このままでは、レンの暴走を止められなくなる。

 

ジェダイのルークは、戻らない選択をした。

 

それなら、私が力で全てを捩じ伏せるしかない。

 

 

「生意気な子。私の方が暗黒面を極めてるのに。」

 

 

舵を押し、一直線に元反乱軍基地へと向かう。

 

シャトルがかなり揺れているけど、構うことじゃない。大気圏を抜けた後、予備燃料もエンジンに回して全速力で飛ばした。進路を自動操縦にして、次いでハッチを開ける。

 

船は真っ直ぐウォーカーへと進み、私は開けたハッチの淵に立つ。TIEファイターがシャトルを撃ってくるが、もう遅い。“墜落”まで船を守るシールドは、少しの間だけでいい。

 

アラートが鳴ったのを合図に、私はハッチから飛び降りた。

 

その直後、シャトルはウォーカー3機にぶつかり、再起不能にした。

 

私はレンと子供達の間に着地し、3人をフォース・プッシュする。

 

 

「ママ!?」

「カイロ・レン、あんたの相手は私だよ。」

「どうやってここに来た!?」

「知らなくていい。ほら、来なよ。」

 

 

ライトセーバーを起動させ、レンを煽る。

 

 

「殺してやる!!!」

「あんたに私は殺せない。ステフ、エディ。」

「「え?」」

「巻き添えになる前に、レジスタンスと撤退して。」

 

 

レンが向かってきて、私達はプラズマの刃をぶつけ合う。

 

若さでは負けても、経験は私が上だ。場数も私の方が多い。何より、シスとしての訓練も受けている。

 

スノークの甘っちょろい教えを受けた子供なんか、私の相手じゃない。

 

 

「クソ…!!」

 

 

私の身体に刃が届かず、レンは怒りを募らせる。

 

その時、私は腕を引かれて、強制的に後退させられる。代わりにレンのライトセーバーを受け止めたのは、青いプラズマの刃だった。

 

 

「ルーク・スカイウォーカー!!!」

「ベン」

 

 

ルークは私の前に立ち、レンを本来の名で呼ぶ。

 

 

「おま、」

「エレノア!!」

 

 

レンを遮り、フォース・プッシュする。更に追い討ちで、ライトニングで吹っ飛ばした。私の容赦ない攻撃に、ルークは胸倉を掴んでくる。

 

 

「いい加減にしろ!」

「私が分からないとでも思った?」

「っ…!」

「こうでもしなきゃ気が済まない。」

 

 

ルークは私を離すと、言葉を詰まらせる。

 

確かにルークはクレイトに来た。ただ、こんなに早く来ることはできない。オク=トーとクレイトでは、もっと時間がかかる。

 

なぜなら、ここに彼の肉体はないのだから。

 

“フォースの幻影”

 

短時間で現れた理由は、フォースの幻影しかない。

 

問題は、幻影は膨大な生命エネルギーを使う。年老いて生命エネルギーの少ないルークには、致命的だ。長くは保たないだろう。

 

本当に、親子揃って命知らずだ。

 

 

「エレノア、貴女がレジスタンスを逃がすんだ。」

「なんで私?」

「元凶は貴女だ。生き延びて、戦いを終わらせるんだ。」

「ルーク………」

 

 

基地を見ると、レイアが私達を見ていた。レイアは頷き、中に戻っていく。私がやるべきことは、限られている。

 

 

「さぁ、行くんだ。」

「逃がすか!!」

 

 

レンが切りかかってきて、私を守るようにルークがライトセーバーで防ぐ。

 

 

「エレノア!早く!」

「………フォースと共にあれ。」

 

 

踵を返し、私は基地へと歩く。

 

後ろでルークに邪魔されながらも、レンが私に怒鳴り続ける。

 

 

「これで終わると思うな!必ずお前を殺してやる!ダース・ルシル!!」

 

 

レンの声を無視して、私は歩み足から駆け足に変える。フォースの力も使い、全力で脚を動かした。走りながら、私は何度も心の中で悪態を吐いていた。

 

ルークは辿り着けなかったけど、私の秘密に気付いている。

 

それに、私に残された時間は少ない。

 

 

「こっちだ!」

 

 

私を待っていたレジスタンスの男が、レイアのビーコンを追って奥へと走る。

 

 

「フレデリック・ウェズリーだ。よろしく。」

「名前なんかどうでもいいよ。」

「ステフの恋人なんだが?」

「フレデリック・ウェズリーね。覚えた。」

「そ、そうか……」

 

 

引き攣った顔をしているけど、特に何かする気はない。

 

 

「フレデリック」

「なんだ?」

「娘を愛してるなら、絶対に悲しませるようなことはしないようにね。」

「当然だ。」

「全然分かってない。悲しみは暗黒面の力を強くさせる。そうなったら、あんたでも止められない。フェラスが私を止められなかったようにね。心に留めておいて。」

 

 

フレデリックは、私の言葉を真摯に受け止めてくれたようだった。

 

娘も私と同じく、フォース感応者だ。深く重い感情が闇へと突き落とす。そうならない為には、錨となる、引き止めてくれる存在が必要だ。

 

私は最悪の形、ダース・ルシルとして人生を送ってきた。

 

ステファニーには同じ道を進んでほしくない。

 

 

「エレノア!」

「どうして止まってるの?」

 

 

人混みを分けて前へ出ると、瓦礫で行き止まりになっていた。

 

フォースで岩を持ち上げれば簡単だけど、そうはいかない。ステファニーとエドワードはフォースの扱いをろくに教えていなくて、レイアは息子の為に途中で訓練をリタイアしている。私がやるとしても、丁寧かつ集中できる自信はない。

 

一歩間違えば、通路は更に崩れる。

 

 

「エレノア、どうにか、」

「待って。」

 

 

レイアの手を取り、ビーコンを見る。チカチカと点滅していて、対になるビーコンが近くにいると示していた。問題は誰が持っているか、だ。

 

 

「もう1つは誰が?」

「レイよ。」

 

 

レイアがそう答えると、岩が一つ一つ浮き始めた。

 

強いフォースを感じる。

 

完全に突破口が開き、気付けば向こう側のレイを視認できていた。レイはレジスタンスが通り終わると、岩を離して〈ミレニアム・ファルコン〉に促す。私も船の中に入り、コックピットへ向かう。

 

途中、私を見つけたレイは謝罪をしてくる。

 

 

「なんで?」

「卑怯って言ったこと、後悔してるわ。」

「アナキンが現れたりした?」

「………そうよ。」

「気にしてないから、心配しないで。」

 

 

罵詈雑言を吐かれても仕方ないことをしてきた。だから何を言われても、それを受け止める義務がある。今までの悪事から逃げたら、私は私じゃなくなる。

 

 

「とにかく逃げるよ。ダメロン大尉!」

「エレノア!?」

 

 

操縦席に座るポー・ダメロンに声をかける。

 

 

「〈スプレマシー〉に、もう追跡はできない。できるだけ遠くで、知覚種族のいない星へ行って。」

「了解、“クラウド将軍”。」

 

 

座標が入力され、船はハイパースペースへと入る。

 

これから、忙しくなるだろう。レイとエドワードに訓練を付けて、増援も探して、私自身も力を付けないといけない。訓練をリタイアしたとはいえ、レイアのジェダイとしての経験も必要だ。

 

“奴”と戦う為に、私の望みを叶える為に……

 

戦いが終わるまで、あと少し。

 

 

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