【完結】理想主義者(笑)の自由奔放記   作:夭嘉

15 / 159
リードが切れた化け物

私とオビ=ワンが連行された後、アナキンとパドメがドロイド軍に捕まったらしく、私達の処刑が早まった。

 

私とオビ=ワンが、まずカートに押し込まれる。

 

こんなことなら、さっさとジェダイをやめるべきだった。

 

 

「ネル」

「………何?」

「ジェダイをやめると言ったのは本気か?」

「嘘は吐かない。」

 

 

背を向けたまま、オビ=ワンに答える。

 

 

「ネル、」

「愛称はやめて。」

「お前が暗黒面に転向すれば、どれだけの者が傷付くのか考えたか?」

「関係ない。」

「変わったな。」

「私を変えたのはジェダイ・オーダーだよ。」

 

 

“責任転嫁”

 

オビ=ワンは、はっきりそう言った。

 

個性を潰して、押さえ付けてきたのはジェダイ・オーダーだ。圧力をかけられれば、その分反発もある。私は禁じられてきたことを、不満に思っていた。

 

それが今、爆発しようとしている。

 

 

「あんたには分からないよね。息苦しさなんて。話を聞いてくれたのは、アナキンと議長だけだった。マスターすら、私を否定した。」

「………」

「軽蔑したいならすればいい。もう全部がどうでもいい。」

 

 

その時、カートが動き出してアリーナの処刑場へと向かい始める。

 

処刑台に着き鎖が繋がれ、手が頭上で拘束された。オビ=ワンも同じようにされて、私は観衆の狂気に溜め息を吐く。アリーナの檻にいるクリーチャーを感じる。

 

 

「あーあ、アニーまで捕まっちゃって。」

 

 

続いてアナキンとパドメがカートに乗せられて、処刑台へ連れられてきた。

 

アリーナへ出てくる時にキスをしていたのは、見なかったことにしたい。

 

 

「ネル!?」

「どうしてここにいるのです!?」

「………偶然。」

 

 

2人も鎖を繋がれ、アリーナにクリーチャーが放たれる。

 

………保って1分かな。

 

 

「ネル!危ない!」

 

 

アクレイが私を目掛けてカマを振るい、避けたと同時にカマで鎖が切れる。フォース・プッシュで吹っ飛ばすと、アクレイは興奮して更に襲いかかってくる。そこで私はまた暗黒面に踏み込み、アクレイを押さえ付けた。

 

寒気を感じたのか、アナキンが叫んでくる。

 

 

「ネル!やめろ!」

「うるさい。」

 

 

アナキンの声を無視して、暴れるアクレイの気管を潰す。

 

アクレイが息絶えようとした瞬間、私はアナキンに吹っ飛ばされた。地面に倒れると、動けるようになったアクレイが私を狙う。振り下ろされるカマをギリギリで避け、慌ててアクレイをフォースで調教師に投げ付けた。

 

 

「よせ!!」

「邪魔しないで!!」

 

 

オビ=ワンが繋がれている処刑台が倒し、倒れた柱の欠片でアクレイの頭を狙った。破片は頭に刺さり、アクレイは断末魔を上げて倒れる。

 

その時、パドメの呻き声が聴こえて、彼女を狙うネクスーをフォースで止める。

 

ネクスーは睨んできて、間合いを保ちながら私の周りを歩く。

 

 

「私に従え。」

 

 

フォースで問い掛け、従属するように少しずつ手懐ける。

 

私と獣の意識がリンクして、ネクスーは向きを変えて調教師のジオノージアンへと向かっていく。調教師は吹っ飛ばされ、散らばる獲物達にネクスーは満足そうに私の手に擦り寄ってくる。頭を撫でてあげれば、気持ち良さそうに身を捩った。

 

その所作は、どう見てもトゥーカだった。

 

 

「ネル!!!」

 

 

アナキンの声に我に返り、ネクスーとのリンクが切れる。その途端、私は抵抗されて押し飛ばされた。立ち上がろうとする私に、ネクスーは容姿なく向かってくる。

 

ネクスーは、操った私を敵と見做している。

 

いずれ来る衝撃を待つように、覚悟を決めた。

 

 

「っ!!」

 

 

ところが、ネクスーはリークに突進され、その足で踏み倒された。

 

訳が分からずリークを見ると、アナキンとパドメが乗っていた。鎖を手綱代わりに、アナキンはリークと心を通わせている。パドメの後ろには、オビ=ワンも乗っていた。

 

アリーナに、ジオノージアンのブーイングが沸き起こる。

 

 

「ネル、戦いは避けられないぞ。」

「うるさい。」

 

 

その瞬間、アリーナに身を潜めていたジェダイ達が、一斉にライトセーバーを起動する。

 

貴賓席に、マスター・ウィンドゥの気配を感じた。動けるジェダイ総勢で、応援に来たみたいだ。オビ=ワンを救出する為だろう。

 

 

「………馬鹿馬鹿しい。」

 

 

ジオノージアンは観客席から逃げ出し、アリーナにはバトル・ドロイドが投入された。

 

応援に来たジェダイからライトセーバーを受け取り、私は背後のドロイドを両断する。オビ=ワンとアナキンもライトセーバーをもらい、他のジェダイと共にバトル・ドロイドと戦い始めた。その様子を見ながら、私も迫り来るバトル・ドロイドに走る。

 

だけど、どこか様子がおかしい。

 

バトル・ドロイドが、私を撃ってこない。

 

向かってくるけど、バトル・ドロイドのレーザー弾は一向に来ない。流れ弾は来るけど、直接撃たれた弾は一つもなかった。

 

その理由は分からないけど、今は数を減らすことに集中しよう。

 

 

「マスター!!」

 

 

マスター・フィストーを狙ったB2ドロイドを倒して、私はライトセーバーで足元の砂を巻き上げた。

 

砂埃の中で、マスターは私を見据える。

 

 

「ネル…」

「その顔はやめてください。」

「……なぜだ?」

「何のことですか?暗黒面に踏み込んだから?それとも、嫌悪感を隠さないからですか?」

「全てだ。」

 

 

砂埃が消え、私とマスターは互いの背後にいるB1ドロイドを壊した。

 

立ったままのドロイドの胴体を蹴り倒して、ライトセーバーをマスターの右後ろに投げ付ける。B1ドロイドが数体破壊され、私はテレキネシスでヒルトを回収した。私の荒技に、マスターは笑みを消す。

 

 

「それが答えか。」

「はい。」

 

 

ジェダイは次々に倒され、確実に数が減っていく。それに対して、バトル・ドロイドは切りがなく溢れ出てくる。ジェダイに勝ち目はない。

 

何より倒れたジェダイ達の大半が、ドロイドに殺されている。

 

これが、現実だ。ジェダイのフォースは弱まっている。それに対して、暗黒面の力が強くなっている。

 

私も意を決する時だ。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。