エレノアが消えた後、ステファニーとエドワードは喪失感に唖然となった。
レイは、そんな2人に優しく声をかける。
「母さん………」
「ステフ、」
「ママが逝っちゃった………」
2人が悲しみに暮れる中、ベンは声を張り上げる。
「泣くのは後だ!!」
ベンが3人の前に出て、ツタミニスで皇帝のライトニングを防ぐ。
スカイウォーカーの血を継ぐベンでも、皇帝の猛攻に耐えるのは簡単ではなかった。
「邪魔をするな若造が!!」
「っ……!」
その時、何かがステファニーに憑依した。
『ここからは私がやる。』
「えっ……」
「ステフ!?」
「私じゃない。」
ステファニーは否定するが、先程の言葉は彼女の口から発せられていた。
彼女に憑依した誰かは、ステファニーの身体を使ってシスの秘術を使う。その者はシス・エターナルの信奉者達の肉体を破壊して殺し、皇帝の前に出た。
「まさか……!」
皇帝は、ステファニーに憑依した者の正体に気付いていた。
『私のミスは、あんたを捕まえておけなかったこと。もう逃がさない。』
「あんた、ダース・ルシルか!?」
『ご名答。エドワード・オリン、姉さんをしっかり支えなさいよ。』
「え、どういう、」
『《ネルの邪魔はさせない。》』
シスの古代語で呟き、彼女は古のシス卿達を呼び出す。彼女は皇帝を掴むと、シス卿達の輪に放り投げた。
次の瞬間、皇帝は亡霊に捕まり、眩い光に包まれて消えた。
皇帝は完全に消え、レイ達はその場に立ち尽くした。
「何が起きて……ステフ!!」
ダース・ルシルが抜け出て、ステファニーはゆっくり倒れていく。その姉を、エドワードが慌てて支えた。レイも駆け寄り、2人はステファニーの顔色を窺う。
そんな彼らを傍目に、ベンはダース・ルシルに詰問する。
「何をした?」
『ちょっとあの子の身体を借りたの。もう皇帝が復活することはない。』
「エレノアはどうなった?」
『教えられない。それに、私にも時間がない。』
そう言う彼女の身体は、霊体だというのに崩壊しかけていた。彼女は歴史を変え続け、存在が消えようとしているのだ。それを聞いて、ベンは複雑な顔をする。
『ネルが最後のシスだから、もうシスは存在しない。でも、ステファニーにネルの力が渡された。』
「なぜあいつなんだ?」
『あの子には愛する人達がいて、心を守ってくれる人もいる。だからネルはステファニーに渡したの。』
もう少しで消えるという時、エドワードが彼女に呼び掛ける。
「母さんは……?」
『何度も言うけど、教えられない。それが約束だから。』
「俺は家族なんだぞ!」
エドワードの怒声に、ベンもレイも彼女を見る。
家族だから、知る権利がある。エドワードはそう目で訴えていた。気を失っているステファニーも、そう思うはずだとエドワードは主張した。
そんな彼らに、彼女は溜め息を吐く。
『これだけなら言える。死は生の一部に過ぎない。皇帝を見れば、言ってる意味が分かるでしょ?』
ダース・ルシルは笑顔を見せる。
『フォースと共にあらんことを。』
彼女はその言葉を最後に、完全に消えた。
残されたレイ達は、ただ呆然と彼女がいた場所を見つめる。
「ん……?」
「ステフ!!」
目を覚ましたステファニーを、エドワードが抱き締める。
「大丈夫か?」
「心配したのよ。」
「何もないけど……どうしたの?」
「憶えてないのか?」
「何が?」
首を傾げるステファニーに、レイ達は顔を見合わせる。本人曰く、憑依されたところまでは憶えているという。
「皇帝は?」
「ダース・ルシルが道連れにしたわ。」
「ママが?」
「違う、もう1人のエレノアだ。」
「その代わり、ダース・ルシルは消滅した。」
その言葉を聞いて、ステファニーは悲しげな表情をする。
「少し寂しいね。」
「ステフ、帰ろう。」
弟の声に、彼女は頷く。
頭上の艦隊戦も、レジスタンスが制していた。ファイナル・オーダーの艦隊はほぼ墜ち、残った者達は投降した。
そして、レイとベンがレジスタンスに合流する中、ステファニーとエドワードは姉弟でエクセゴルを去るのだった。
帰り道、ステファニーは思い出したように口を開く。
「ママに会ったよ。」
「は?」
「パパにも会った。」
「え、どうやって……」
「夢で会ったの。もう1人のダース・ルシルは“死は生の一部”って言ったんでしょう?」
彼女は、可愛い弟にあることを耳打ちする。
「はっ!?」
「ママ、銀河を創り変えたでしょ?こういうこと。」
「ステフ」
「ん?」
「大っ嫌いだ。」
拗ねた弟に、ステファニーは優しく頭を撫でる。
シャトルに乗ろうとすると、後ろから誰かが2人を追いかけてきていた。
「ステフ!!」
「フレディ!」
追いかけてきたフレデリックを見て、ステファニーの頬は緩んでいた。
「やっと終わったってのに、どこ行くんだよ!」
「ごめんね。でも、レジスタンスに戻る気はないの。」
「なら俺も行く。」
「………え?」
彼女は、思わず聞き返していた。
フレデリックはインターセプター中隊長で、本来ならレジスタンスにいなくてはならない。だが、彼女に同行すると宣言した。それは、レジスタンスから離隊するということだ。
「そろそろ決めなきゃいけなかったんだ。でないと、お前の母親に呪われる。」
「フレディ……?」
「結婚しよう、ステフ。」
フレデリックはそう言って、彼女の前に跪く。
しかし、弟のエドワードが待ったをかけた。
「本当に良いのか?ワガママだし、母さんそっくりのサディストだぞ。」
「ああ、問題ない。」
「エディ、余計なこと言わないでよ。」
「エドワード、最初に求婚したのはステフだからな。」
「マジかよ!?」
そう、2人の出会いはステファニーの求婚が始まりだった。
経緯を話すと、エドワードは姉の行動力に引く。
「で、ステフ。答えは?」
「イエス。結婚しよう、フレディ。」
「ありがとう、ステフ。」
「そういうわけだから、エディ。代わりにレジスタンスに行ってくれる?」
「こんなので良いのか……?」
弟の扱いが酷いと言うエドワードに、フレデリックは気持ちは変わらないと告げる。仕方なく姉の決断を受け入れ、エドワードは2人を見送った。
そこへ、2人を見送ったエドワードの隣に、ある人達が現れた。
『まるでネルとオリンだな。』
『いや、出会い方はステフ達の方がましです。』
「言いたい放題かよ。」
霊体のフィストーとアナキンが、微笑ましく会話していた。
更に、ヨーダとルークも現れる。
『懐かしいのぅ。』
『2人の未来を祈りましょう。』
「全く……」
『おや、サプライズが到着したようじゃな。』
「サプライズ?」
霊体の彼らの視線にエドワードが振り向くと、1人の青年が歩いてきていた。
「やぁ。」
彼は微笑み、母から話を聞いていたエドワードは目を見開く。
遅れてきた彼は、エレノアの息子に挨拶をする。
銀河は変わり、未来も変わった。
続きを書いていくのは────────
あと2、3話の予定です()