【完結】理想主義者(笑)の自由奔放記   作:夭嘉

153 / 159
エピローグ
理想主義者は理に縛られない


エクセゴルの戦いから半年後。

 

レジスタンスを主軸に防衛艦隊が編成され、新共和国が再建された。ファイナル・オーダーも降伏し、それぞれが新しい道を歩み始めていた。

 

そして今日、とある男女の結婚式が開かれた。

 

新郎であるフレデリックは祭壇で、新婦であるステファニーがヴァージンロードを歩く姿を見つめる。

 

レイアやベン、レイまでもが参列していた。マズも参列し、ステファニーを祝福する。途中、ステファニーと目が合ったレイアは、彼女に優しく微笑んだ。

 

だが、その中にエドワードの姿はなかった。

 

彼も姉の結婚を祝福しているが、今回はどういうわけか、姿を現さなかった。

 

代わりに、参列者の中には“ユグノ・ソール”の姿があった。

 

ユグノはエンドアの第二デス・スターで死に、火葬されたはずだった。しかし、エレノアが銀河に手を加え、やっとの思いで蘇らせたのだ。本人も驚いていたが、誰よりも喜んだのは、ステファニーだった。

 

彼は父親代わりとして、ステファニーとヴァージンロードを歩いていた。

 

ユグノが手を離すと、ステファニーはフレデリックの下へ歩く。

 

誓いの言葉が交わされ、神父はお決まりの台詞を言う。

 

 

「では、誓いのキスを。」

 

 

フレデリックとステファニーはキスをして、神父から祈りの言葉を捧げられた。

 

祈祷が終わると、2人は祭壇の前から退き、教会の外へと出て行く。

 

 

「ちょっと!フレディ!?」

 

 

外へ出た途端、フレデリックはドレス姿のステファニーを抱き上げる。それからランド・スピーダーに乗り込んで彼女を下ろし、彼は運転席に座った。ステファニーはその隣で、フレデリックが運転するのを眺める。

 

 

「どこに行くの?」

「未知領域だ。」

「未知領域?なんで?」

「両親に会いたくないのか?」

「会いたいけど……」

 

 

ステファニーは無理だと分かっていた。エレノアとフェラスは死んだ上に、フォースの冥界の最奥、地獄にいる。2人に会えるはずがない。

 

そう思って諦めていた。

 

 

「ママ達にはもう会えない。」

「いや、会える。」

「どうしてそう言えるの?」

「一度だけなら叶えられる。エドワードが探してくれた。」

 

 

着いた先には、エドワードがシャトルで待っていた。

 

だが、フレデリックはシャトルに乗らなかった。

 

 

「フレディ……?」

「俺は行けない。」

「なんで?一緒に、」

「許されたのはお前だけだ。」

「誰の許し?そんなの……」

「ステフ、行けば分かる。」

 

 

フレデリックに諭され、ステファニーはシャトルに乗り込む。

 

コックピットに入ると、エドワードは姉に声をかけた。

 

 

「全部説明する。とりあえず座ってくれ。」

 

 

ステファニーは副操縦席に座り、エドワードはシャトルを発進させる。座標は未知領域の惑星。軌道まで上がり、シャトルはハイパースペースへと入った。

 

それから、エドワードは姉に両親の居場所を明かした。

 

 

「母さん達は地獄にいるが、地獄にはいない。」

「どういうこと?」

「母さんは銀河に手を加えただろ。着けば分かる。」

 

 

そう言って、エドワードは入力した座標を見るように促す。そこは、ステファニーが知らない座標だった。彼女の記憶違いでなければ、その座標には何もない。

 

だが、エレノアが手を加えたとなれば別だ。

 

ハイパースペースを抜けると、そこには赤い恒星を中心に、1つの惑星と、2つの衛星があった。

 

その星系の惑星こそ、エレノアの作った楽園だった。

 

2人はその惑星に降り立ち、ゆっくり歩き出す。

 

 

「ここは何?」

「母さんと父さんの楽園だ。」

 

 

エドワードは淡々と答えるが、内心では動揺していた。動揺しているのは、彼だけではない。ステファニーも、弟と同じように動揺していた。

 

 

「何も感じない………」

 

 

ステファニーの呟きに、エドワードも頷く。

 

フォース感応者である2人は、生き物や草花を感じるはずだった。しかし動植物は愚か、フォースさえ感じられなかった。ステファニーはイサラミリがいるのかと、辺りを探したが見つからない。

 

テレキネシスや認識範囲の拡大もできず、2人は途方に暮れる。

 

 

「どうするの……?」

「歩くしかないだろ。」

「何も考えずに来たの!?」

「こうなるとは思わなかったんだよ!」

 

 

エドワードは先に歩いていき、ステファニーはそれを追いかける。

 

やがて、2人は小さな家を見つけた。見つけたのは、最初に入った山の中だった。家は山の傾斜に沿って建てられ、頂上近くにあった。

 

ステファニーは期待を胸に抱き、そっとドアを開ける。

 

 

「え……?」

「どういうことだ?」

 

 

2人は家の中を見て唖然とする。

 

家の中には、何もなかった。文字通り、家具やテーブル、棚もない。中は、空っぽだった。

 

 

「そんな……」

 

 

ステファニーは落胆し、壁に背を凭れる。

 

 

「ステフ!!!」

 

 

その瞬間、ステファニーは壁に凭れることなく、擦り抜けて消えてしまった。エドワードは慌てて駆け寄るが、既に姉の姿はなかった。

 

エドワードが恐る恐る手を触れると、腕は壁を擦り抜ける。家はただの見せかけで、本当の扉は別にあったのだ。

 

彼は意を決して、ステファニーを追うように一歩踏み出す。エドワードの身体は壁を擦り抜け、未知の扉に目を瞑った。彼は肉体と精神が不安定になるのを感じながら、扉の中へ進む。

 

そして、向かい風のような空間をようやく抜けた。

 

エドワードは、相変わらず目を瞑り続けていた。

 

 

「エディ、目を開けて。」

 

 

姉の声に、彼はゆっくり目を開ける。

 

すると、そこには2人が会いたかった人がいた。

 

 

『この日を待ってた。』

 

 

エレノアは、優しく微笑む。

 

その後ろにはフェラスがいて、彼も子供達2人に穏やかな表情を見せていた。

 

今日再び、オリン・ファミリーが揃ったのだった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。