私の鉄則1つ目、感情に従うこと。
感情とは当たり前のもので、抑えるものじゃない。無理に押さえ付ければ、いつか爆発してしまう。負の感情なら、尚更だ。
それがジェダイの間違いだった。
その間違いの産物が、この私だ。
だから私は、善人になることを拒んだ。ジェダイの間違いを後世に残す為に。誰もが私を悪女だと言おうとも、後悔はしていない。
「母さん………」
そして今日、ステファニーとエドワードが未知領域まで遥々訪れた。
本来なら来られないけど、私は一度だけ扉を開けていた。2人は扉を抜け、私とフェラスがいる次元に踏み込んできた。ゆっくり目を開けたエドワードは、私とフェラスを見て寂しそうな顔をする。
そんな息子を抱き締めると、エドワードは口を開く。
「これが………最初で最後なんだろ。」
『そう。会えるのはこれっきり。ここを出ていけば、二度と会えない。』
「ママ、声が……」
『仕方ないんだ。』
フェラスは子供達に、遠いからだと教える。
声が安定しないのは、フェラスの言う通り遠いからだ。遠いという事実に加え、私達はコズミック・フォースとリビングフォースの狭間にいる。文字通り次元が違う。
フォースの女官やルーク、ヨーダ達とは違うのは、地獄と繋がっているということ。
ルーク達と同じ状態とも言えるのに、声が安定しないのは暗黒面の影響だ。
「ママ……ママなら戻ってこられたでしょう?どうして来てくれないの?なんでママじゃなくてユグノなの?」
『ユグノはね、私の唯一の負い目だから。』
「彼が死んだのはシディアスのせいだろ!母さんは何も悪くない!」
『例え意図的じゃなくても、全ての元凶は私にある。』
『エレノアにとって、あいつは唯一の負い目であり、欠かせない存在だ。ステフ、お前なら分かるだろ。』
父親に諭され、ステファニーは口を噤む。
ここまで言われて、2人は私達が戻る気はないと分かったようだ。
『ここは私にとって楽園なの。フェラスがいて、誰にも邪魔されない。私とフェラス、2人だけの世界なんだよ。』
「母さん……」
『悲しい顔しないで。私達は、ずっとあんた達の親だから。いつも幸せを願ってる。』
『悲しむことはない。また会えるさ。』
「でもパパ、最初で最後って……」
『今回会うことにしたのは、選択肢を与えるからだ。』
子供達から離れると、フェラスが私の肩を抱く。
会うと決めた理由は、子供達に選択肢を与える為だ。私には選択肢がなかった。ジェダイ・オーダーの頃も、シディアス卿のアプレンティスだった頃も。でも、子供達には選択肢をあげたい。
私と同じ道を進む必要はないのだから。
『次に会えるとしたら、お前達が死んだ後だ。』
『あんた達はフォース感応者だから、死後も自我を保つ訓練ができる。もし私を追うなら、ここに来る方法を教える。だけど平穏な最期を望むなら、ルークから自我を保つ訓練を受けて。あとはあんた達次第。』
「後者を選んだら、母さん達に会えないってことか?」
『そうだ。』
フェラスの返答に、ステファニーは涙を流す。
「ママ……酷な選択って分かってる……?」
『今決めなくてもいい。ステフには力を渡したし、ここに来る方法はユグノに託した。でも、あんたにはフレデリックがいる。彼を大切にして。』
「母さん、父さん、愛してる。愛してるから、堕ちてほしくなかった。」
『分かってる。』
『だが、これが俺達の選択だ。』
フェラスと2人で決めたことだ。私達の為、子供達の為、銀河の為の選択だった。子供達には、私達のように堕ちてほしくない。
『2人共、愛してる。』
子供達を抱き締めた後、私は2人を元の場所に送り返した。
2人がいた場所を見つめていると、フェラスが優しく声をかけてくる。
『エレノア』
『分かってる。帰ろう。』
楽園に、長くは留まれない。私とフェラスには、役割がある。行き来が可能でも、その役割は投げ出せない。
私達には、シディアス卿を監視する役割がある。
二度と甦ることがないように。
『結局、最期までシディアス卿に振り回されてる。』
『だが、悪いことばかりじゃない。』
『本当に?』
『お前といられる。』
一瞬驚いたけど、私はフェラスの言葉に微笑んだ。
『確かに。一緒にいてくれてありがとう。』
『さて、行くか。』
フェラスと2人で手を繋ぎ、並んで歩き始める。
私達の姿は徐々に薄れていき、やがて霧散した。
私が創り直した銀河は、順調に時を刻んだ。レイアを中心に共和国も再編され、銀河に平穏が戻った。何より、シスの脅威はなくなった。唯一変わらなかったのは、“ダース・ルシル”が脅威として信じられていたこと。
私は銀河の脅威で、唯一無二の異端者だ。
我が名はエレノア・クラウド。
またの名を、ダース・ルシル。
私は理想主義者だ。
────────
──────
──・・・
×年後。
1人の少女が、崩れそうなシス寺院を訪れていた。
「やっと見つけたっ………」
少女は祭壇に自らの血を落とし、テレキネシスで祠の扉を開ける。
「ダース・ルシル、私に力を頂戴。」
祠から緑色の煙が出てきて、煙は人型を形成する。
その人影は少女の前に立ち、重々しく口を開く。
『なぜここに来た?』
「力が欲しいの。」
『その為に代償を払うとしても?』
「覚悟はできてる。」
『違う。』
人影、“ダース・ルシル”は命ではないと言う。
『代償は……過去、未来、現在。お前の人生全てだ。』
「っ!?」
『文字通り全てを失う。』
「失うものは何も、」
『本当に?』
ダース・ルシルの言っている意味に気付いた少女は、恐れ慄いて後退る。
「そんな………」
『試してみるといい。力を与えよう。』
「やだ…!」
ダース・ルシルの亡霊に腕を掴まれ、少女はヴィジョンを見せられる。
それを見た少女は悲鳴を上げ、気絶してしまった。ダース・ルシルはそんな彼女を、寺院の外へ追い出す。壁を背に少女を寝かせると、1人シス寺院の中へ戻っていく。
暗黒面に手を出そうとした少女は、彼女の仲間が迎えに来て事なきを得たのだった。
やがて、少女は1人の女性と出会う。大きな闇を秘めながらも、“ステファニー・オリン”の周りには彼女を慕う友人や、愛する家族がいた。少女はステファニーを見て、自分も彼女と同じなのだと悟るのだった。
そして、ステファニーがダース・ルシルの娘だと知り、違う意味で彼女やステファニーを信じるようになった。
少女の想いは子供へ、更にその子供へと受け継がれていく。
少女の信じる者の名は、エレノア・クラウド。
ジェダイでもなく、シスでもない、理想主義者である。
Fin.
【あとがき】
皆さん、こんばんにちわw
夭嘉です!
いろいろあってめちゃくちゃ長くなりましたが、やっと終わりですw
クズで自己中でしたが、お付き合いありがとうございました!
本当は前作と同じく全力でネタ作品の予定でしたが、力を入れすぎましたwww
誤字脱字があれば、遠慮なく通知してくださいね←
クレームは受け付けないので悪しからず♡
では、ご機嫌ようw
フォースと共にあらんことを。