【完結】理想主義者(笑)の自由奔放記   作:夭嘉

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クローン・ウォーズ
自由への序章


ジェダイを裏切ってすぐ、私は共和国領で懸賞付きの指名手配になっていた。

 

パルパティーン最高議長は仕事が早いなぁ。

 

あれから私はシディアス卿に従い、セレノーを中心に“仕事”をした。拉致誘拐は当然、戦争への恐怖で逃げようとする分離派の幹部を連れ戻したりした。

 

そう、戦争は始まったんだ。

 

一度足を踏み入れたら逃がさない。

 

 

「ネル」

 

 

ドゥークー伯爵が、屋敷の道場へと私を探しに来た。鍛練中だったが手を止め、ライトセーバーを収めた。伯爵は、ヒルトを握る私の手を見て感心する。

 

 

「常に己を律するのは良いことだ。新しいライトセーバーはどうだ?」

「思った通り、最高の使い心地。手配してくれてありがとう。」

「マスターの御指示だ。気にするな。」

 

 

サプライズは大好きだ。

 

ジェダイをやめた証が欲しいと呟いたら、主はカイバークリスタルとライトセーバーのパーツをプレゼントしてくれた。ブリーディングしてクリスタルを無理矢理従わせ、出来上がったのが今持っているヒルトだ。ギャザリングで組み立てたライトセーバーは、優越感に浸る為にあえてそのまま保管している。

 

二度と使うことはないだろうけど。

 

 

「ところで、どうしたの?」

「“仕事”だ。」

 

 

伯爵は暗黒卿の顔になり、私も暗黒卿モードに入る。

 

私が主から与えられた名はルシル、ダース・ルシルだ。私の為に、主は2人の掟を変えてくれた。3人、それが亡きダース・ベインの妥協だった。

 

 

「ヴェントレスがジャバの息子を誘拐する。お前はハイパースペース航路へと向かえ。クローン軍を分断するのだ。」

「任せて、ティラナス卿。」

 

 

飲んでいたコーヒーを飲み干して、席を立つ。

 

ドロイド軍を率いて、私はフリゲート艦に乗り込む。ドロイドの数は、守備に就いているクローン軍の2倍だ。負けるはずがない。

 

やっと新しいライトセーバーで戦える。

 

 

「ルシル卿、準備ガ整イマシタ。」

「出発して。」

「ラジャラジャ!」

 

 

B1ドロイドのコマンダーが指示を出して、フリゲート艦はハイパースペースへと入る。

 

さて、ハイパースペース航行中は暇だし、何しようかな!

 

 

「コマンダー!」

「オ呼ビデショウカ、ルシル卿。」

「デジャリックの相手して!」

「自分トデスカ?」

「んー、じゃあちょっと待って。」

 

 

ホロテーブルを弄り、複数人でデジャリックができるようにシステムを書き換える。

 

2人よりみんなでやった方が楽しいからね!

 

 

「よし!そこのドロイド達!プレイヤーになって!」

「ラジャラジャ!」

「自分達ガ敵ウハズナイジャンカー!」

「いやいや、分からないよ?ドロイドにはドロイドの強みがあるでしょ。」

 

 

ホログラムの電源を入れ、デジャリックが始まる。最初はみんなバラバラに戦ってたけど、次第に私が一人押し始め、ドロイド3体は足並み揃えて反撃してくる。ムキになった私は、カウンターでドロイド3体を一気に倒す。

 

一人喜んでいると、ドロイド達からブーイングが飛んでくる。

 

 

「ルシル卿、今ノハナイデショウ!」

「でも楽しいでしょ?」

「マァ…」

「確カニ…」

 

 

その時、アラートが鳴って、フリゲート艦はハイパースペースから出る。飛び出した先には、共和国のクルーザーが待ち構えていた。クルーザーは早々に攻撃してきて、私も艦隊に迎撃の指示をする。

 

あのクルーザーに乗っているのはプロ・クーン、そして、キットフィストーだ。

 

あの2人は、私がいると気付いているだろう。

 

 

「コマンダー」

「何デショウカ?」

「真ん中のクルーザーに突撃して。」

「エエ!?正気デスカ!?」

「真面目真面目。ほら、早く。」

 

 

フリゲート艦をクルーザーへ突っ込ませて、砲弾を撃ち込ませる。クルーザーはシールドが消え、ハイパードライブが使えなくなり、煙を上げて静止した。敵艦が動けなくなっても、私は攻撃停止命令を出さなかった。

 

 

「ルシル卿、マダ続ケルノデスカ?」

「止めなくていい。」

 

 

全てを潰すように、ブリッジが使い物にならなくなるように、砲弾を止め処なく続けさせた。

 

まぁ、あの2人は簡単にくたばるようなジェダイじゃないけど。

 

 

「共和国クルーザーヨリ、司令官宛テに通信ガ入リマシタ。キャンセルシマスカ?」

「いいよ、出して。」

 

 

ドロイドに一時的に攻撃をやめさせ、共和国クルーザーと通信を繋げさせる。

 

直接通信してくると思っていた。フィストーのことだ。あの人の考えることは分かる。

 

思い通りにはさせない。

 

 

『指揮していたのはお前か。』

 

 

ホログラムの声に、私は振り返る。

 

投影されたフィストーとプロ・クーンに向き合い、冷めた目で2人を見る。

 

 

『これは侵略行為だ。共和国は分離主義派を認めていない。速やかに撤退しろ。』

 

 

クーンが冷たく言い放ち、私はその言葉に嘲笑する。

 

 

「だから何?分離主義同盟は、共和国から脱退している。あんた達に従う理由はない。」

『お前が今クルーザーを落とせば、多くの命が、』

「私には関係ない。」

『エレノア、罪なき人々に手を掛けるな。』

「………攻撃再開。」

「ラジャラジャ!」

『ネル!!』

 

 

通信を切断して、攻撃が再開される。

 

フィストーが時間を稼ごうとしているのは、見え見えだ。援軍が来る前に、このセクターを制圧させてもらう。シスに情けはない。

 

フィストーとクーンが乗るクルーザーに横付けして、私はドロイドを連れて乗り込む。

 

 

「デストロイヤー・ドロイドを送り込んで。」

「ラジャラジャ!」

「ルシル卿、コマンダー895ト通信ガ途絶エマシタ。」

「あの2人はそっちか。けと、その方が都合良い。あんたとそのドロイドとあんたとあんた、私に付いてきて。後はこのクルーザーの中のクローン・トルーパーを殲滅して。捕虜はいらない。」

「ラジャラジャ!」

 

 

接続部から真っ直ぐブリッジへ向かい、沸いて出てくるクローンを、フォース・ドレインで生命力を奪いながらゆっくり進む。

 

この戦いの趣旨はこのセクターの制圧だけど、伯爵が機転を利かせてくれたものだ。私がフォース・ドレインを使う為に、わざわざここへ送り込んでくれた。ドゥークー伯爵には後でお礼を言わなきゃ。

 

一人一人生命力を奪っては、絶命したクローンを床に放置する。

 

その間を縫って、私はブリッジへと入る。

 

 

「さーて、お仕事お仕事。」

 

 

面倒なジェダイが来る前に、通信を妨害しなきゃ。

 

フィストーを逃がすつもりはない。シス卿になってから、私の獲物はフィストーただ一人だ。元マスターを殺さなければ、私は自由になれない。

 

クーンはどうでもいい。

 

自分がジェダイだったという事実から、早く解放されたい。

 

あの人を殺して、ようやく安らぎが訪れるのだから。

 

 

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