休暇だから、スヤスヤ眠っちゃうよね。
でもさ、起きたら戦いが始まってるってどういうことよ?
仕事しろってこと?
「コマンダー、西カラ来ルクローン部隊ニ警戒セヨ。」
「ラジャラジャ!」
とりあえず、喧しい。私の休暇返せ。
「ねぇ、何やってんの?」
「ルシル卿!?貴女コソココデ何ヲ…」
ハンルじゃない戦術ドロイドが、ドロイド軍の指揮を執っていた。
この星、共和国領じゃなかったっけ?
「侵略中?」
「ハイ。」
「ふぅん。頑張って?」
「エッ」
「だって私、休暇中だもん。」
とやかく言う戦術ドロイドを放置して、私は丘の上にあるビーチベッドに寝そべる。温かい風が心地良い。戦いの騒音なんて、シャットアウトすればどうにかなる。
あ、また睡魔が……
「ルシル卿!!」
「もう!うるさいな!私は休暇中って言ってるじゃ…ん………」
勢いが途中でなくなってしまった。
ビーチベッドから起きて振り返った先には、ケル・ドアのジェダイが立っていた。ケル・ドアのジェダイ、プロ・クーンの足元には、戦術ドロイドの頭が転がっている。その戦術ドロイドは、頭を落とされたことで機能が停止してしまっていた。
先程の声は、落とされる前に発したものだろう。
まさかプロ・クーンが防衛線にいるなんて、想定外だった。
「ったく、誰も彼も私の休暇を邪魔しやがって。」
「ドロイド軍とクローン軍が戦っているというのに、良い身分だな。」
「良い身分だよ?お陰様で“将軍”になりましたから。」
「ルシル卿と呼ばれていたな?どういうことだ?」
あちゃー、聞かれてたか。
予定より早いけど、バラしちゃおう。
「シス卿の名をもらったんだー。」
「クラウド……」
「やだなぁ!あんたまで悲しい顔するんだ?」
「名前は無意識に己を縛る。シスの名を得たということが、どういう意味か分かっているのか?」
「説教ならお断り。私は自分の意思でドゥークー伯爵に従ってる。」
ライトセーバーは出さず、さりげなくリスト・コムを操作する。クーンが一人で来るはずがない。この近くに、他のジェダイがいるはずだ。
ジェダイ・マスターじゃなければいいけど……
「暗黒面の力なら何だって叶えられる。己のみならず、愛する人にさえ力を与えることができる。」
「その代償を考えたことはあるのか?」
「代償なんて、幸せの為なら大したことじゃない。」
「………何を言っても無駄か。」
「分かってくれて良かったよ。」
丁度ドロイド軍が来て、私はクーンを殺すように命令した。
クーンは私の手で殺さない。最初に殺すなら、フィストーだ。抹殺第一号は、奴にしたい。元マスターで、私が最初に乗り越えたい壁がフィストーだから。
バトル・ドロイドの波を眼下に、私は後退する。
飛んだ邪魔が入った。
「ルシル卿!遅クナッテ申シ訳アリマセン!」
「あー、いいよいいよ。侵略の続き頑張って。」
戦術ドロイドが乗ってきたAATに座り、シャトルまで向かわせた。
タクシー扱い?だってAATってタクシー代わりでしょ?
「ルシル卿!状況把握できずすみませんでした!!」
「気にしないで。ほら、帰ろう?」
中隊のコマンダーであるエピが、どこで覚えたのか土下座してくる。
エピ達を連れてシャトルへ戻り、私は分離主義同盟の首都惑星、ラクサスへ向かうように指示した。分離主義勢力域じゃないと休めないみたいだから、この星とはおさらばだ。アルに紅茶を淹れてもらって、個室の寝台に横になる。
「ラクサスに着いたら起こして。」
「ラジャラジャ!」
個室のドアをテレキネシスで閉め、そのまま目を瞑る。
休暇のはずなのに、クーンのせいで疲れた。
私の可愛いドロイド達は、しっかり仕事してくれてる。今回は、たまたま侵略戦に鉢合わせただけだ。私の情報チェック不足なのに、ドロイド達には申し訳ないことをした。
「どうすれば………あっ!」
寝台から飛び起きて、私は格納庫へと向かう。確か、格納庫にペンキがあるはず。以前グリーヴァスが作戦用に持ってきたけど、使わなかったものだ。
「ねぇ!ちょっとそこに並んで!」
格納庫のペンキを取ってきた後、作業中のドロイドを集めてブリッジで並ばせる。
「ルシル卿?」
「お休みになられたんじゃ……」
「いいから並んで?」
B1ドロイドから順に、ボディに黒いペンキでペイントしていく。
コマンダーのエピには胸部に、私のシス名の頭文字を描き、他のB1ドロイドの胸部は真っ黒に塗り潰した。B2ドロイドのフレイとグレイの胸部には、2体が横に並ぶと独立星系連合のシンボルマークができるようにペイントした。
戦術ドロイドのハンルの頭部には、トゥーカの耳を描いた。
「自分ダケトゥーカノ耳……」
「可愛いじゃん!」
「あー、ルシル卿、そういう問題では……」
「却下!可愛いからそのままにして!」
私の命令なのにハンルは落ち込んでるから、仕方なく上からペンキを塗り潰す。妥協して、トゥーカの耳を小さくして、顔にヒゲを描き足した。これなら違和感はないはず。
うん、これでも可愛いよね。
「お願いこのままにして!」
「ワカリマシタ…」
「ありがとう!あ、ここまでしたから、チーム名必要だよね!」
「自分達のチーム名ですか?」
「うん。私のお気に入りチーム。他とは分けたいじゃん?」
名前どうしようかなぁ。
チーム名は適当じゃなくて、ちゃんとした名前を考えたい。
「“ミスマッチ”、どう?」
「自分達が不一致だと仰るんですか!?」
「普通のバトル・ドロイドとは違うって意味だよ。つまり、私にとっては特別。悪くないでしょ?」
「それなら……」
アル達は納得してくれた。
私は一歩下がって、お気に入りドロイド達を眺める。これが、お気に入り達だ。今後は、“ミスマッチ”が私の一番の手足になる。
もっとメンバー欲しいなぁ。
ホロワン研究所に言えば、歩哨ドロイドくれるかな?
新メンバー欲しい!!