ドゥークー伯爵に呼び出された理由は、グリーヴァス将軍の尻拭いだった。
アナキンの策でマレヴォランスはボロボロ、ハイパードライブも使えないらしい。あれだね金かけたのに、とんでもないことしてくれたな、あいつ。将軍位を返上してほしいわ。
「アルとディン、一緒に来て。」
「ラジャラジャ!」
「ルシル卿、今回はどんな任務ですか?」
「グリーヴァス将軍の後始末!」
「なんか怒ってます?」
「怒ってるよ!大!損!害!!」
お金は大事です!
それなのに、よくも簡単に重クルーザーを壊したよね。メーカーもこんなにあっさり壊されるなんて思わなかっただろうし。何より、グリーヴァスは自分を過信しすぎだ。
「ハイパースペースに突入!」
「ハイパースペースへ!」
ハイパードライブだけでも直させて、マレヴォランスを回収しなきゃ。
ハイパースペースに入った後、すぐにマレヴォランスと連絡を取る。そうしたら、あろうことか通信を拒否された。アルに接続できないと言われ、思わずグリーヴァスの悪口を吐いていた。
何を言ったかって?そんなの決まってるじゃん。
あのブリキ擬きがあああああああああっ!!
「ルシル卿落ち着いてください!」
「まだ撃墜されたと決まったわけでは……!」
「撃墜されたら泣く…損害……マイナス………」
プラスにはならない。共和国軍に回収されても困る。渡すくらいなら壊す方がいい。
どちらにせよ、面倒臭いことをされた。
「ところで、ルシル卿」
「ん?」
「海賊から通信が来ています。繋ぎますか?」
「海賊?誰?」
「ホンドー・オナカと名乗る海賊です。」
ホンドーとは、最近知り合った仲だった。
私が分離主義派にいることをあえて教えて、元ジェダイだということを明かした上でお付き合いを始めた。ウィークウェイの恋人はオランを思い出させるけど、ホンドーはあんなクズじゃない。あいつよりも良い男だ。
通信を繋げて、ホンドーに用件を問う。
「ホンドー、ドゥークー伯爵にバレたらどうするつもり?」
『お前さんが分離派から抜ければいい話だろ。』
「そんな単純な話じゃない。それで?何の用?」
ホログラムのホンドーは、優しい笑みを浮かべる。
『何もなく恋人に連絡しちゃ悪いか?』
「そうだね。私とあんたが一般人なら何も問題はないよ。」
『ところでネル、最近誰かに攻撃されたりしてねぇか?』
「え?」
ホンドーにそう言われるけど、心当たりが多すぎる。共和国は敵だし、ジェダイも敵。賞金稼ぎには狙われるし、ヴェントレスには嫉妬諸々で嫌われてる。
誰のことか分からない。
「心当たりが多すぎて分からない。」
『分からないんならいいが、くれぐれも気を付けろ。ネルが殺されたら、俺も辛い。』
「本当の気持ちは?」
『何を言う?恋人が死んで悲しまねぇ奴がいるか?』
「分かったよ、そういうことにしとく。」
通信を切ろうとすると、ホンドーに呼び止められた。
「何?」
『愛してるぜ、ネル。』
「また会おう、ホンドー。」
通信を切断し、アルが声をかけてくる。
「そろそろハイパースペースを出ます。」
「オーケー。2人共、配置に就いて。」
『ラジャラジャ!』
ハイパースペースを出ると、マレヴォランスはなく、リンデリア星系の月に大きなクレーターができていた。
てことは、撃墜されたってことだよね。
「ディン、これどうすればいいと思う?」
「あー……とりあえず伯爵に連絡しては?」
「うん、そうする。」
ドゥークー伯爵に通信を繋げると、グリーヴァスに相当お怒りだった。
あいつ、何やらかした?
「どうしたの?」
『何、大したことではない。報告をしろ。』
「最短ルートでリンデリア星系に来たものの、マレヴォランスは大破、グリーヴァスとも音信不通。私、立ち往生。スキャナーによれば、最後の通信はここで止まってる。私にもお手上げ。」
『仕方あるまい。マスター・シディアスに報告しよう。ネル、お前はラクサスへ戻れ。次の仕事だ。』
「了解。」
共和国軍に気付かれる前に去らなきゃ。
またハイパードライブを立ち上げ、座標をラクサスにセットする。アルに紅茶を用意してもらって、私が操縦をした。たまにはドロイドを労わないとね。
「ルシル卿、紅茶の用意ができました。」
「ありがとう。」
ハイパースペースに入ることを確認して、私は紅茶を飲む。
ところがアラートが鳴り響き、シャトルのパワーが落ちてしまった。どうやらリアクターをやられたらしい。コントロールパネルは黙り込んだままだ。
共和国軍はいないのに、誰の仕業?
「ディン、生命反応をスキャンして。」
「ラジャラジャ。スキャンした結果、侵入者が1人います。」
「1人……?」
あーもう、面倒臭いことになった。
今日は散々だ。
元マスターと鉢合わせるし、グリーヴァスのせいで伯爵は機嫌が悪いし。私褒められることしかしてないのに。なんで私がこんな目に………
全部グリーヴァスのせいだ。
あと、侵入者のせい!!
「アルー!脱出ポッド!」
「えっと、その……」
「何!?」
「脱出ポッドが全て排出されました。侵入者によって……」
「グリーヴァスの馬鹿あああああああっ!!」
この状況マジでどうしよう!?
侵入者誰だよほんとに!!