【完結】理想主義者(笑)の自由奔放記   作:夭嘉

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再会という前奏曲

崖から飛び降りた後、ミスマッチのドロイド達が私を助けてくれた。共和国軍をやり過ごし、隙を突いてシャトルで逃げ出した。セレノーに戻った私は、“ティラナス卿”にズタボロな理由を問い詰められ、未来の人間から干渉されていることを言わざるを得なかった。

 

一連の出来事を話すと、彼は考え込む。

 

 

「ティラナス卿……?」

「一つ解せんことがある。ペダムがフォース感応者ではないなら、誰がシスの秘術を使った?」

「誰なんだろ……」

 

 

過去に干渉するとなると、あれ程のシスの秘術を扱えるのはシス卿だけだ。ダース・モールは死亡。シディアス卿とティラナス卿は、私に干渉するとは思えない。

 

残るシス卿は………

 

 

「私……?まさかそんな……自分で自分に干渉なんて………」

「あり得ないだろう。ある可能性を除けば、だが。」

「可能性?」

「お前が裏切る可能性だ。」

「えっ……疑ってんの!?」

 

 

自分でも否定したいけど、完全に否定はできない。

 

シスにとって、互いを利用し合うのは普通のこと。シス・マスターが切り捨てる場合もあれば、シス・アプレンティスが師を裏切る場合もある。シスの掟でも、裏切りが推奨される程だ。より力ある者が、名のあるシスとして称えられる世界なんだ。

 

私もシスだから、100%否定はできない。

 

でも、私は主が必要だ。そんな私が裏切れるはずがない。ティラナス卿の推測は間違っている。

 

 

「私には、シディアス卿が必要なの。」

「分かっている。しかし、我々はシスだ。信用はあっても、信頼はない。覚えておけ。」

「うん……」

「まずは身体を癒せ。治り次第、次の仕事だ。」

「了解。」

 

 

ティラナス卿が部屋から出て行き、私は戸棚から必要なものを取り出す。

 

杯に薬品を突っ込んで、軽く揺らして混ぜ合わせた。それを一気に飲み干し、溜めてきた生命エネルギーを少し使い、シスの秘術を使う。術が発動し、身体の傷は完治した。

 

生命エネルギーを若干使ったから、夢は遠退いてしまった。

 

また集めなきゃ……

 

 

「仕事って…えっ……」

 

 

ドゥークー伯爵が置いていったパッドを開き、私はフリーズする。仕事の詳細を見て、ドゥークー伯爵を呼び出したくなった。

 

私に静かな仕事は似合わないってば!!

 

────────

 

ドゥークー伯爵が用意したドレスを着て、“惑星セレノー”のシャトルに乗る。

 

任務の内容は、ドゥークー伯爵含む分離主義同盟の議員達の護衛だった。私が駆り出されたのは、今回は共和国元老院議員との和平交渉会兼舞踏会があるからだ。ミスマッチにはディスペアーで待機させ、私は自分の仕事に集中することにした。

 

 

「わお……」

「………」

 

 

分離派の議員にエスコートされて中立惑星の屋敷に入ると、面白い再会をした。

 

 

「ネル……」

 

 

こちらはドゥークー伯爵と議員3人に対して、共和国から来たのは“アミダラ議員”とベイル・オーガナ、モン・モスマだった。しかも、向こうの護衛は“スカイウォーカー”と子供だ。共和国側も、護衛含め皆ドレスコードで揃えていた。

 

 

「あら、お久しぶりですね、皆さん。」

「ナイト・クラウド………」

「貴女が来るとは……大変驚きました。」

 

 

本当に久しぶりだ。ジオノーシス以来、この面子と会うことはなかった。アナキンは嫌悪感を隠そうとせず、私を冷めた目で見る。

 

 

「クラウド将軍、面識があったのか?」

「ええ。あちらのスカイウォーカー将軍とは親しかったですよ。」

 

 

隣にいる議員が、私とアナキンを交互に見る。

 

 

「これは愉快だ!貴女は何の戸惑いもないようだ。」

「もちろんありません。私は自分の気持ちに従うだけですから。」

 

 

微笑みながら言うと、アナキンの隣にいる少女が嫌そうな顔をする。

 

 

「貴女の欲で、どれだけの人が傷付いたと思っているの!?」

「欲に従うのがシスなんだよ。欲に忠実であれ。それがシスだよ。で?この子は何?」

「僕のパダワンだ。」

「アソーカ・タノ。よろしく。」

 

 

アソーカはぶっきらぼうに自己紹介した。

 

私とアナキン、パドメ、私をエスコートした議員を残し、他の者は離散する。

 

 

「クラウド将軍、気を張らずに楽しんでくれ。」

「ありがとうございます。」

「アミダラ議員、一曲お付き合いしてくれないか?」

「ええ。」

「議員!」

「私は大丈夫です。」

 

 

議員達が人混みを抜けていき、私はアナキンと2人きりになる。

 

 

「今回は戦いじゃない。議員に手を出すなよ。」

「ふぅん?あんたが戦いたくないだけじゃなくて?」

「議員に悲しい思いをさせたくないんだ。」

 

 

少し笑ってしまい、アナキンは眉間に皺を寄せる。

 

アナキンはパドメを理由にしてるけど、本当は私と戦いたくないだけだ。私を殺してしまうとでも思っているだろう。裏切られたからと言って、ジェダイは戦いに入ってくれない。

 

 

「………ネル」

「何?」

「君にダンスを申し込む。」

「いいよ。」

 

 

アナキンに強引に引かれ、パドメから離れたところでステップを踏む。

 

上辺だけの舞踏会が始まった。

 

アナキンとパドメはもう友人じゃない。今は敵だ。

 

ところで、アナキンってちゃんと踊れるのかな?

 

 

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