【完結】理想主義者(笑)の自由奔放記   作:夭嘉

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闇の囚人

アナキン達がフォースの惑星から離れた後、ジェダイ評議会は急遽エレノアの捜索を開始した。戦争終結の足掛かりとして、エレノアの持つ情報が必要だったからだ。捜索を任されたのは、プロ・クーンとエージェン・コーラー。

 

しかしエレノアは、1年半以上も表舞台に姿を現さなかった。独立星系連合は相変わらずだったが、その場にエレノアの姿はなかった。彼女の噂すらない。

 

ところが1体のバトル・ドロイドを捕獲したことで、状況は変わった。

 

 

「それは本当か?」

「はい。」

 

 

ウィンドゥは評議会の間で、ヨーダにB1バトル・ドロイドを捕らえたことを報告する。

 

そのバトル・ドロイドは通信機をスクランブルされ、ジェダイ聖堂の研究開発所で拘束されていた。当のドロイドは改造を施されていて、他のバトル・ドロイドとは違い抵抗をしなかった。それが戦線にいたジェダイの目を引き、捕獲に繋がったのだった。

 

ヨーダとウィンドゥは研究開発所へ訪れ、捕獲されたドロイドと対面する。

 

 

「ドクター・グーバッカー、例のドロイドを見せてくれ。」

「是非ご覧になってくださいなぁ。」

 

 

グーバッカーは不気味に笑いながら、ドロイドを拘束している部屋に案内する。ヨーダに席を外すように言われ、グーバッカーは部屋を出て行く。当のドロイドは四肢のパーツを外され、作業台に固定されていた。

 

 

「ドロイド、お前の製造番号は?」

「オレの製造番号を聞いてどうするんだ?」

 

 

ドロイドの返答に、2人は戸惑う。

 

質問を質問で返されたのもあるが、流暢に喋ることに驚いていた。通常のバトル・ドロイドは片言だが、このドロイドはちゃんとした言語プログラムが組み込まれているのだ。

 

戸惑いつつも、ヨーダは会話を続ける。

 

 

「左様。名を呼ぶ時困るじゃろう?」

「所属の戦術ドロイドには“エピ”と呼ばれている。」

「エピ?誰が名付けた?」

「質問が多いなあんた達!」

「お前は今尋問されているんだ。質問に答えろ。さもないと、スクラップにするぞ。」

「あー、それはやめた方が……」

 

 

所有者が怒ると、エピは2人に告げる。

 

 

「所有者?」

「あんたら人間で言う、名付け親みたいなものだよ。」

「誰だ?」

「忘れているだろうけど、オレはバトル・ドロイドだぞ。情報を与えに来たんじゃないからな?」

 

 

エピのプライドを表すような言葉に、ヨーダはあることに気付く。

 

 

「エピ、あえて捕まったんじゃな?」

「さすが爺さん!」

「おい、口を慎め。」

「これは失礼!」

 

 

茶化しをやめ、エピは所有者とは別の人物に指示されたと明かした。次いで、それがドゥークー伯爵ではないことを付け足す。2人は、このドロイドは命令に従うだけではないと察する。

 

 

「あんたらジェダイは、助けを求めたら応じてくれるんだろ?」

「それは場合にもよる。」

「ボスはこう伝えろって言ってた。エレノアを助けたければ、すぐに連れ戻せ、と。」

「お前はなぜその者に従う?」

「ボスを知れば分かる。あんたらも会えるってさ。」

 

 

そう言って、エピはある星の座標を教える。その座標は、クーン達の捜索範囲から外れていた惑星だった。ウィンドゥはすぐにクーン達に連絡をする為に部屋を出て行く。

 

ウィンドゥが出て行った後、エピはヨーダに声をかける。

 

 

「あんたがヨーダ?」

「左様。まだ何かあるのか?」

「爺さんは行かない方が良い。ルシル卿は爺さんを死ぬほど恨んでる。」

「エピ、エレノアは何をしている?」

「準備だよ。」

 

 

何の、とは言わなかったが、ヨーダには何の準備か分かっていた。

 

“復讐”

 

エレノアは、自分をジェダイにしたジェダイ・オーダーと、ジェダイ聖堂に連れてきたヨーダを恨んでいる。その為の準備をしていたのだった。しかし、エレノアの準備、儀式には代償が伴う。

 

 

「もう時間切れらしい。」

 

 

エピの声が、無機質に部屋に響く。

 

事態は、悪い方へと傾いていた。

 

────────

 

 

ディスペアーに帰還した私は、一連の出来事を主に報告した。シディアス卿はあの星に多少興味を持ったけど、深くは聞いてこなかった。その後、私は主に許可を得て、とある星のシス寺院にある、最深部へと降りる。

 

これから、“主の為に”暗黒面のフォースと深く繋がる。

 

その力で共和国を滅ぼせば、私は自由になれる。

 

 

「早く……解放されたい……早く………」

 

 

その時、アルが報告に来る。

 

 

「エピの姿が見えません。」

「は?」

「通信も繋がらず、応答がありません。もしかしたら、先日の伝令の際に戦いに巻き込まれたのかもしれませんね。」

「気に入ってたのに……」

「ルシル卿、自分達はドロイドです。代わりはたくさんありますよ。」

 

 

いや、代わりはない。メモリーが蓄積されたあのドロイドだからこそ、私は気に入っていたんだ。新規のドロイドなんて、比べ物にならない。

 

 

「アル、ミスマッチは私のお気に入りなの。代わりはない。」

「勿体ないお言葉です。」

 

 

エピのことは諦めるしかない。新規のドロイドを補充する気もない。せめて基盤だけでも回収したかったけど、仕方ない。

 

アルを寺院の外のシャトルへ戻らせ、私は魔法陣の中に胡座で腰を下ろす。

 

目を閉じ、暗黒面のフォースに集中する。

 

 

「《亡きシス卿達よ、我に力を……》」

 

 

古代シス語で呼びかけ、シス卿達の強大なエネルギーを身体に受け入れる。

 

その瞬間、胸に激痛が走った。

 

 

「っ……」

 

 

暗黒面の力は、肉体を蝕む。心臓に影響が出てもおかしくはない。呼吸をする度に痛みが走る。

 

あまりの痛みに、私はその場で踞る。

 

呼吸を整え、しばらくした後にゆっくり立ち上がった。

 

もう痛みは平気だ。この苦痛を自分のものにすれば、何も問題ない。痛みの先に解放感があるのだから。

 

きっとこの感情も、共和国を滅ぼせば消えてくれるはずだ。

 

早く、私を解放して。

 

 






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