儀式が終わって間もなく、ハンルから共和国軍のシャトルが来たと報告を受けた。来たのはジェダイだけ。トルーパーの同行は無駄な犠牲になると思われたらしい。クローンの生命エネルギーを奪えないのは惜しいけど、ジェダイの戦力を削れるなら結果オーライだ。
ついに復讐の時が来た。
私はようやく解放される。
「ハンル、ミスマッチを撤退させて。」
「シカシ…」
「これは命令じゃなくてお願いだよ。撤退して。自分で戦う。」
「………ラジャラジャ。」
ハンルは、私のお願いを承認した。
いつもなら命令だけど、今回はミスマッチに“お願い”をした。私がお願いをするのは、死を覚悟している時だけ。以前ミスマッチにお願いした時は、私がジェダイ寺院から逃げ出した時だ。
ミスマッチのドロイド達は撤退し、シャトルの中で待機させる。私は一人シャトルを降り、ジェダイを待つ。大気圏に共和国のシャトルが現れ、私は無言でその船を見上げる。
「ジェダイ評議会の決定はクソだな。」
共和国シャトルに乗っているジェダイは、メイス・ウィンドゥとエージェン・コーラーの2人。
この戦時中によく来れたよね。
だけど、問題はそっちじゃない。
離れていても、向こうの考えは分かる。建前上、ウィンドゥ達は私に降伏を迫る。もし降伏しなければ、私は半殺しか、止むを得ず殺されることになる。
大人しく殺されてやるつもりはない。
2人はハッチから降りてくるが、ライトセーバーは起動しなかった。
「クラウド」
「私はダース・ルシル。その名は捨てた。」
「お前のマスターは誰だ?」
ウィンドゥは率直に私へ問う。
「情報欲しさに来たわけ?」
「大人しく投降して情報を渡せば、酌量してやる。」
「あはははっ!ジェダイが許しても、元老院が許すはずないじゃん!はぁ……馬鹿馬鹿しい。」
「お前の意思で暗黒面に踏み込んだわけではないはずだ。」
やっぱり、ジェダイはまだ勘違いをしている。
私が誰かに唆されたのだ、と。そんなわけないのに。私は私の意思で、暗黒面に手を伸ばした。
誰かに騙されたんじゃない。
自分で選んだんだ。
「“主”やドゥークー伯爵に唆されたわけじゃないから。2人は私の夢を叶える手助けをしただけ。私は夢の為に暗黒面に踏み込んだ。たったそれだけのことだよ。」
「夢の為に罪のない人々を巻き込んでか?」
「それ、誰のこと?」
「クローンや、お前が侵略した星の民だ。若きジェダイも殺めた。」
「邪魔したんだから仕方ないでしょ。」
そう返すと、2人から微かな怒りを感じた。
シスにとって、怒りは力の源だ。それを抑えるジェダイに勝機はない。冷静になれない相手なんて、取るに足らない。
「ところで、なんで私の居場所が分かったの?ジェダイには私の居場所は分からないはずなのに。」
これは、ジェダイに見つかった時から疑問だった。独立星系連合の連中は、私の居場所を知らない。知っているのは、主だけ。
主が裏切るはずがない。
なら、なぜ私を見つけた?
ずっと答えが出ない。
「お前を案じる者がいるのだ。人とは言えんが……」
コーラーはそう言いながら、シャトルから何かを呼ぶ。
ハッチから降りてきたものに、私は驚きを隠せなかった。
「ルシル卿……」
「エピ………どういうこと?」
私の冷めた声に、エピは小さな悲鳴を上げる。
「私を裏切ったんだ?」
裏切っても不思議じゃない。人格プログラムを組み込んだドロイドは、行動を制限されない。自分で考えて、行動に移せる。
そう分かっていても、エピに怒りが沸く。
「いえ、厳密には裏切ってません。いや、その、ルシル卿は裏切りましたが……」
「人格プログラムを組み込んだのは、大きな間違いだったみたいだね。」
ミスマッチの中でも、エピは気に入っていた。射撃もチームの中で一番正確だし、気が利くし。他のドロイドよりも大切に扱った。
そのエピが、まさかジェダイに情報を渡すなんて信じられなかった。
「ルシル卿、」
「二度と私の前に現れないで。もし視界に入ったらスクラップにしてやるから。」
「助けてくれジェダイ!」
「ジェダイに助けを求めたところで、パーツに使われるのがオチだと思うけど?」
「ルシル卿の馬鹿アアアアアア!!」
「私が悪いわけ?」
エピがシャトルに逃げ戻り、ウィンドゥは私を呼ぶ。
「降伏か、敵対か。お前が選べ。」
「考える必要もない。敵対しかない。私が降伏すると思わないで。」
そう宣言して、赤いライトセーバーを起動させる。右手で赤いライトセーバーを起動し、左手でもライトセーバーを起動させた。つまり、二刀流だ。
私が本気だと分かったのか、ジェダイ2人もライトセーバーを起動する。
「2人共、言い残したことは?」
「………お前を不憫に思う。」
コーラーは哀れみの目で私を見る。
ジェダイらしい、迷惑な言葉だ。シスに哀れみはいらない。同情も不要。それらを受け入れたら弱くなるから。
故に、迷惑でしかない。
「“彼”が嘆くだろう。」
「彼?」
「マスター・フィストー。お前のかつての師だ。」
「奴の名を出すなっ!!」
声を張り上げ、私は地を蹴る。
私の師はただ一人、シディアス卿だけだ。
あいつはマスターなんかじゃない。本当のマスターは、私を否定しない。私を否定したフィストーは、絶対にマスターと認めない。
目の前のジェダイ2人も同じだ。
ウィンドゥとコーラーも、私を否定する。
私を否定する奴らは敵だ。
「ジェダイなんか滅びればいい!!」
2本のライトセーバーを、2人に目掛けて振り上げる。
今の私には、怒りしかない。
つまらない戦いが始まった。
このモチベを保てば毎日更新復活も夢じゃないかも?w
現実逃避には執筆が一番だよね!