【完結】理想主義者(笑)の自由奔放記   作:夭嘉

39 / 159
生か、死か?

儀式が終わって間もなく、ハンルから共和国軍のシャトルが来たと報告を受けた。来たのはジェダイだけ。トルーパーの同行は無駄な犠牲になると思われたらしい。クローンの生命エネルギーを奪えないのは惜しいけど、ジェダイの戦力を削れるなら結果オーライだ。

 

ついに復讐の時が来た。

 

私はようやく解放される。

 

 

「ハンル、ミスマッチを撤退させて。」

「シカシ…」

「これは命令じゃなくてお願いだよ。撤退して。自分で戦う。」

「………ラジャラジャ。」

 

 

ハンルは、私のお願いを承認した。

 

いつもなら命令だけど、今回はミスマッチに“お願い”をした。私がお願いをするのは、死を覚悟している時だけ。以前ミスマッチにお願いした時は、私がジェダイ寺院から逃げ出した時だ。

 

ミスマッチのドロイド達は撤退し、シャトルの中で待機させる。私は一人シャトルを降り、ジェダイを待つ。大気圏に共和国のシャトルが現れ、私は無言でその船を見上げる。

 

 

「ジェダイ評議会の決定はクソだな。」

 

 

共和国シャトルに乗っているジェダイは、メイス・ウィンドゥとエージェン・コーラーの2人。

 

この戦時中によく来れたよね。

 

だけど、問題はそっちじゃない。

 

離れていても、向こうの考えは分かる。建前上、ウィンドゥ達は私に降伏を迫る。もし降伏しなければ、私は半殺しか、止むを得ず殺されることになる。

 

大人しく殺されてやるつもりはない。

 

2人はハッチから降りてくるが、ライトセーバーは起動しなかった。

 

 

「クラウド」

「私はダース・ルシル。その名は捨てた。」

「お前のマスターは誰だ?」

 

 

ウィンドゥは率直に私へ問う。

 

 

「情報欲しさに来たわけ?」

「大人しく投降して情報を渡せば、酌量してやる。」

「あはははっ!ジェダイが許しても、元老院が許すはずないじゃん!はぁ……馬鹿馬鹿しい。」

「お前の意思で暗黒面に踏み込んだわけではないはずだ。」

 

 

やっぱり、ジェダイはまだ勘違いをしている。

 

私が誰かに唆されたのだ、と。そんなわけないのに。私は私の意思で、暗黒面に手を伸ばした。

 

誰かに騙されたんじゃない。

 

自分で選んだんだ。

 

 

「“主”やドゥークー伯爵に唆されたわけじゃないから。2人は私の夢を叶える手助けをしただけ。私は夢の為に暗黒面に踏み込んだ。たったそれだけのことだよ。」

「夢の為に罪のない人々を巻き込んでか?」

「それ、誰のこと?」

「クローンや、お前が侵略した星の民だ。若きジェダイも殺めた。」

「邪魔したんだから仕方ないでしょ。」

 

 

そう返すと、2人から微かな怒りを感じた。

 

シスにとって、怒りは力の源だ。それを抑えるジェダイに勝機はない。冷静になれない相手なんて、取るに足らない。

 

 

「ところで、なんで私の居場所が分かったの?ジェダイには私の居場所は分からないはずなのに。」

 

 

これは、ジェダイに見つかった時から疑問だった。独立星系連合の連中は、私の居場所を知らない。知っているのは、主だけ。

 

主が裏切るはずがない。

 

なら、なぜ私を見つけた?

 

ずっと答えが出ない。

 

 

「お前を案じる者がいるのだ。人とは言えんが……」

 

 

コーラーはそう言いながら、シャトルから何かを呼ぶ。

 

ハッチから降りてきたものに、私は驚きを隠せなかった。

 

 

「ルシル卿……」

「エピ………どういうこと?」

 

 

私の冷めた声に、エピは小さな悲鳴を上げる。

 

 

「私を裏切ったんだ?」

 

 

裏切っても不思議じゃない。人格プログラムを組み込んだドロイドは、行動を制限されない。自分で考えて、行動に移せる。

 

そう分かっていても、エピに怒りが沸く。

 

 

「いえ、厳密には裏切ってません。いや、その、ルシル卿は裏切りましたが……」

「人格プログラムを組み込んだのは、大きな間違いだったみたいだね。」

 

 

ミスマッチの中でも、エピは気に入っていた。射撃もチームの中で一番正確だし、気が利くし。他のドロイドよりも大切に扱った。

 

そのエピが、まさかジェダイに情報を渡すなんて信じられなかった。

 

 

「ルシル卿、」

「二度と私の前に現れないで。もし視界に入ったらスクラップにしてやるから。」

「助けてくれジェダイ!」

「ジェダイに助けを求めたところで、パーツに使われるのがオチだと思うけど?」

「ルシル卿の馬鹿アアアアアア!!」

「私が悪いわけ?」

 

 

エピがシャトルに逃げ戻り、ウィンドゥは私を呼ぶ。

 

 

「降伏か、敵対か。お前が選べ。」

「考える必要もない。敵対しかない。私が降伏すると思わないで。」

 

 

そう宣言して、赤いライトセーバーを起動させる。右手で赤いライトセーバーを起動し、左手でもライトセーバーを起動させた。つまり、二刀流だ。

 

私が本気だと分かったのか、ジェダイ2人もライトセーバーを起動する。

 

 

「2人共、言い残したことは?」

「………お前を不憫に思う。」

 

 

コーラーは哀れみの目で私を見る。

 

ジェダイらしい、迷惑な言葉だ。シスに哀れみはいらない。同情も不要。それらを受け入れたら弱くなるから。

 

故に、迷惑でしかない。

 

 

「“彼”が嘆くだろう。」

「彼?」

「マスター・フィストー。お前のかつての師だ。」

「奴の名を出すなっ!!」

 

 

声を張り上げ、私は地を蹴る。

 

私の師はただ一人、シディアス卿だけだ。

 

あいつはマスターなんかじゃない。本当のマスターは、私を否定しない。私を否定したフィストーは、絶対にマスターと認めない。

 

目の前のジェダイ2人も同じだ。

 

ウィンドゥとコーラーも、私を否定する。

 

私を否定する奴らは敵だ。

 

 

「ジェダイなんか滅びればいい!!」

 

 

2本のライトセーバーを、2人に目掛けて振り上げる。

 

今の私には、怒りしかない。

 

つまらない戦いが始まった。

 

 






このモチベを保てば毎日更新復活も夢じゃないかも?w
現実逃避には執筆が一番だよね!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。