馬鹿正直な私の一撃は防がれ、ジェダイ・マスター2人のフォース・プッシュを受ける。
厄介なのはコーラーより、ウィンドゥだ。奴はヴァーパッドの使い手で、暗黒面に片足を突っ込む戦いをする。片足とは言え、半分暗黒面の力を使うウィンドゥは、厄介としか言い様がない。
受け身を取った後、コーラーの喉元目掛けて肘打ちを入れる。コーラーは完全には躱し切れず、顎に肘を食らって倒れ込む。
後ろから来たウィンドゥのライトセーバーを、咄嗟に振り返り刃をクロスさせて防ぐ。
刃が鍔迫り合い、鈍い音が響いた。
「暗黒面に身を落としたお前に勝機はないぞ!」
「だったら、これはどう?」
シス卿達から得た暗黒面の力を使い、ウィンドゥのライトセーバーを押し返す。
「暗黒面の力を感じる。」
「私の強い味方だよ。」
「それは間違いだ。」
「っ!!」
後ろから来たコーラーの首を、フォース・チョークする。
私は腕を伸ばしたまま、ウィンドゥのライトセーバーを反対側の手を使い素手で掴む。私の手の平は暗黒面のフォースで守られて、傷が付かない。傷が付いても、今までの生命エネルギーで傷を治せる。
ウィンドゥはライトセーバーを一度収め、再び起動させて下から振り上げた。
私は先程と同じように、素手で防ぐ。
「ツタミニスではないな。」
「そんな器用な技は使えないから。」
コーラーが窒息寸前になったところで、ウィンドゥに投げ付ける。
ウィンドゥがコーラーを抱え受けたと同時に、私は付近の岩をフォースで持ち上げた。
「いい気味。」
岩を投げ付けると、ウィンドゥはコーラーを庇い、フォースで岩を受け止める。私とウィンドゥの岩の押し合いになり、膠着状態に陥った。奴も引く気はないだろうけど、私も引くつもりはない。
やがて岩に圧力が掛かり、岩は粉々に砕け散った。
砂埃が舞う中、私はウィンドゥと睨み合う。
「お前を止めるには、息の根を止めるしかないようだ。」
「私を殺す?やっと本性を出してくれたね。」
これがジェダイだ。相手を許すなんて綺麗事でしかない。結局、無理だと思えば仕方ないと手を下す。
何がジェダイだ。
ジェダイなんて、偽善者の集まりだ。
「醜い本性を見せたのはお前だ。」
起き上がったコーラーが、そう返してくる。
「これが普通の感情だよ。あんた達じゃ分からないだろうね。」
ジェダイには理解できない感情だ。
ライトセーバーをウィンドゥに投げ、残った1本で2人の剣撃を防ぎ続ける。避けられたライトセーバーはカーブを描き、私の手元に戻ってくる。手に取ったと同時に、コーラーの足を突き刺し、抜き取った勢いでウィンドゥの腕を狙う。
ウィンドゥの腕のアーマーは傷付き、奴は少し蹌踉めく。間髪入れず、ライトセーバーを両手で握り横に振るった。
そこへ間にコーラーが割って入り、今度は私とコーラーの切り合いになる。
コーラーは私の太刀筋に後退し、一瞬の隙を突いてフォース・プッシュで体勢を崩してやった。
「あんた達の負け、っ!!」
コーラーの首を落とそうとした瞬間、胸に激痛が走った。
呼吸ができなくなり、背中に嫌な汗が流れる。ウィンドゥとコーラーは理由も分からないまま、ライトセーバーで切り掛かってくる。私は呼吸ができない状態で、2人のライトセーバーを薙ぎ払った。
「こんな時に……!」
痛みが引く気配はなく、暗黒面の力を強くさせる。暗黒面の力に比例するように痛みが増して、シス卿達の力が肉体を蝕んでいると気付いた。痛みの為に暗黒面の力を使えば、肉体は更に侵される。
「言ったはずだ。暗黒面の力は身を滅ぼす、と。」
「うるさい!!」
口の中に血の味がするけど、気にしない。胸の痛み方も変わった。それでも目の前の2人を殺さなきゃ、ただの痛みで終わってしまう。
「っ…」
苦痛で身体が意思に付いてこなくなり、暗黒面の力をコントロールするのも難しくなってくる。身体を守っていた暗黒面のフォースも弱まり、徐々に傷が増えていく。
それでも、決着は近かった。
私のライトセーバーがコーラーの背中を少し擦り、奴はようやく倒れる。
残ったウィンドゥは押し続け、私は奴の剣圧を必死に堪える。
「クソ……!」
罵言が口から溢れ、私は右手の平を貫かれた。
胸の痛みに加えて右手の平の痛みに、声にならない音で呻く。
「まだ………終わってない。」
「いいや、終わりだ。」
反撃しようとした瞬間、ライトセーバーを壊されて首元に刃を突き付けられる。
だけど、シスはこれで終わらない。
「終わらせるか!!」
フォース・ライトニングを放ち、ウィンドゥはライトセーバーで受け止める。
文字通り手負いの私には押し切れず、脳裏に殺されるヴィジョンが視えた。
そこで、ペダムが私は死ぬと言った意味を理解した。暗黒面の力を手放さなければ、形勢が悪くなることもなかった、と。形勢が悪くなれば、死に繋がる。自分で自分の首を絞めていたんだ。
でも、手放す気は毛頭ない。
暗黒面の力がなければ、夢は叶わない。
もう終わりだ。
『終わりじゃない。』
「っ!?」
言葉を発したのは、私の口だ。ウィンドゥも、今の状況に驚いていた。私自身にも、何が起きたか分からない。
ただ、喋っているのがペダムとは別の、もう一人の亡霊だというのは分かる。
『悪いね。死んだら困るんだ。』
「何……?」
『マスター・ウィンドゥ、エピとの条件を忘れた?』
条件?何の話?
「なぜそれを知っている?」
『エピに指示したのは私だから。』
「お前があのドロイドの所有者か。」
『正確には違う。』
ますます分からなくなってきた。
エピに命令できるのは私と主だけだ。それに、エピだってこの女の命令を受け入れないはず。一体他に誰が命令できると言うのか。
「お前は何者だ?」
『質問が違うよ。』
「………お前は誰だ?」
『正解。ちゃんと答えてあげる。ネタバレの時間だよ。』
私に憑依した彼女は、笑みを浮かべる。
『我が名はエレノア・クラウド。』
もう一人の私は、はっきりそう言った。
混乱しそう。いや、もう混乱してる。
私が私に干渉する?あり得えたよ、ティラナス卿。
夜中は捗る捗る……
ストレス発散イコール執筆と気付きましたw