アナキンに話す前に、彼からも話があると言われた。
格納庫のシャトルに入り、2人でコックピットに座る。先にアナキンの話を聞くべきだと思い、続きを促した。私は黙って、アナキンの言葉を聞く。
「議長に、オペラの席でシスの話を聞いた。なぜ議長がシスの話を知っている?」
「それ本気で言ってる?」
「どういう意味だ?」
「ジェダイでさえ、シスの情報が少ない。それなのに、なんで議長が知ってると思う?しかも、ダース・プレイガスのことを。」
誰とは言っていないけど、アナキンがどのシス卿のことを聞いたのかは分かる。アナキンはパドメを救いたい。その為の餌にされる話は、1つしかない。
それがダース・プレイガスの得た、シスの秘術の1つ。
「私はシスの名を得た。シスの系譜を受け継いだの。主からね。」
「………知りたくなかった。」
「ジェダイである以上、いつかは知ることになる。」
「君は誰に師事したんだ?」
「ダース・シディアス。モールや、ドゥークー伯爵の元マスターでもある。あれだけお膳立てされたら、嫌でも分かるでしょ。」
思い当たる節があるらしく、アナキンは表情を翳らせる。
「ネル……僕はジェダイへの信頼が揺らいでいる。アソーカや、君のことで、信じられなくなった。どうすれば君を信じられる?」
「私はジェダイじゃない。」
「分かっている。だが、君は暗黒面と繋がっている。信じたくても、信じられない。」
信じてもらえないのはいい。ただ、今回だけはアナキンに変わってもらわなければならない。アナキンが恐怖を乗り越えなければ、私は負け確定だ。
「パドメを守ることができるなら、信じてもらわなくてもいい。」
「やはりパドメを……」
「今はその話じゃない。パドメが身籠っているのは、あんたの子供。あんたの子供がジェダイになれば、シディアス卿にとって脅威になる。」
謂わば、希望だ。
ジェダイが滅ぶのは変わらない。でも、ジェダイの思想はなくならない。ジェダイを知る人々は、彼らの帰還を信じ続ける。
それに、脅威になるのは子供だけじゃない。
「アニー、あんたも脅威なの。」
「僕が?」
「選ばれし者だから、シディアス卿は暗黒面に誘うの。アナキンが暗黒面に堕ちれば、シスの支配の足掛かりになる。主は強い弟子を欲しがってるから。」
「………」
「現に、私がアナキンを壊そうとした。」
私はシスの脅威として、アナキンを殺そうとした。そうすることで、シスが強くなると思ってたから。対するシディアス卿は、アナキンを取り込もうとしている。シスの力にする為に。
「それで、ネルの話は……?」
「議長の誘いに乗らないで。」
「君はどうするんだ?」
「私が……主に永久の忠誠を誓う。ルシル卿として。」
「何だって!?」
アナキンは肩を掴んできて、声を荒げる。
「いつもの君に戻ったのに、わざわざシスに戻る必要はないだろ!」
「じゃあどうするの!?誰かが見張らないと!アナキンはパドメと子供を守る使命があるでしょ!」
「僕が暗黒面に堕ちれば解決するんだろ!?だったら、」
「馬鹿言わないでよ!」
そう言い返すと、アナキンは私を突き飛ばす。
突然の出来事に、私は友達を見上げる。彼の表情からは、考えが読めなかった。感情を読もうとしても、分からなかった。
「アニー………?」
「ネル、君はこれ以上罪を重ねるな。」
「待って、」
「出会った頃と同じ関係に戻れたのに、またいなくならないでくれ。」
読めなかった感情が、やっと感じ取れた。
ぐちゃぐちゃだったアナキンの心は、悲しみに満たされた。懇願するような、切望するような、そんな表情で、私を見下ろす。彼の視線が、酷く痛い。
「嫌だよ……」
「ネル!」
「やっと友達が大事だって分かったんだよ!馬鹿な真似しないでよ!!」
「馬鹿やってんのは君だ!暗黒面から離れるんだ!」
「………聞けない。」
どちらも譲らない。アナキンが簡単に折れないのは分かってる。私も折れる気はない。
私達が出した結論は、決別。
「聞いてくれないなら、強行手段を取らせてもらう。」
「へぇ、どうするの?」
立ち上がって聞いてやれば、アナキンはライトセーバーを起動させる。
半殺しにしてでも私を押さえる気か。
「私があんたに勝てないと知ってて、一方的に押さえる気?」
「いいや、違う。」
「じゃあ何?ただの脅し?」
「脅しかどうかはすぐに分かるさ。君には大人しくしててもらう。」
その時、外が騒がしくなった。
外の気配は、クローンのものだ。たくさんの足音が聴こえる。しかも、こちらに向かってきている。
「僕が戦う。君は手を出すな。」
「アナキン、」
次の瞬間、私はフォース・プッシュされた。
シャトルから放り出され、私は格納庫の床に倒れる。ハッチを見ると、アナキンがライトセーバーを持って駆け降りてきていた。
「捕らえろ!こいつの狙いは議長だ!」
「違う!」
間違いではない。でも、そんなに大っぴらに言ったりしない。アナキンの嘘だ。
「将軍!お怪我は!?」
「僕は大丈夫だ。拘束しておけ。」
「イエッサー!」
「待って!お願い!アナキン!!!」
目隠しと、手錠を後ろ手にかけられ、私はトルーパーに連行されていく。
必死にアナキンを呼ぶけど、誰も聞いてはくれず、引き摺られていった。
彼は1人でシディアス卿を倒すつもりだ。あえて暗黒面の誘いに乗り、全て終わらせる気でいる。このままでは、パドメの身も危うい。
何より、アナキンが死ぬかもしれない。
私は何を間違えたんだろう。
アナキンに話すんじゃなかった。
力入れすぎて長くなりそうwww
ごめんなさいwww