【完結】理想主義者(笑)の自由奔放記   作:夭嘉

55 / 159
再構築と決別

アナキンに話す前に、彼からも話があると言われた。

 

格納庫のシャトルに入り、2人でコックピットに座る。先にアナキンの話を聞くべきだと思い、続きを促した。私は黙って、アナキンの言葉を聞く。

 

 

「議長に、オペラの席でシスの話を聞いた。なぜ議長がシスの話を知っている?」

「それ本気で言ってる?」

「どういう意味だ?」

「ジェダイでさえ、シスの情報が少ない。それなのに、なんで議長が知ってると思う?しかも、ダース・プレイガスのことを。」

 

 

誰とは言っていないけど、アナキンがどのシス卿のことを聞いたのかは分かる。アナキンはパドメを救いたい。その為の餌にされる話は、1つしかない。

 

それがダース・プレイガスの得た、シスの秘術の1つ。

 

 

「私はシスの名を得た。シスの系譜を受け継いだの。主からね。」

「………知りたくなかった。」

「ジェダイである以上、いつかは知ることになる。」

「君は誰に師事したんだ?」

「ダース・シディアス。モールや、ドゥークー伯爵の元マスターでもある。あれだけお膳立てされたら、嫌でも分かるでしょ。」

 

 

思い当たる節があるらしく、アナキンは表情を翳らせる。

 

 

「ネル……僕はジェダイへの信頼が揺らいでいる。アソーカや、君のことで、信じられなくなった。どうすれば君を信じられる?」

「私はジェダイじゃない。」

「分かっている。だが、君は暗黒面と繋がっている。信じたくても、信じられない。」

 

 

信じてもらえないのはいい。ただ、今回だけはアナキンに変わってもらわなければならない。アナキンが恐怖を乗り越えなければ、私は負け確定だ。

 

 

「パドメを守ることができるなら、信じてもらわなくてもいい。」

「やはりパドメを……」

「今はその話じゃない。パドメが身籠っているのは、あんたの子供。あんたの子供がジェダイになれば、シディアス卿にとって脅威になる。」

 

 

謂わば、希望だ。

 

ジェダイが滅ぶのは変わらない。でも、ジェダイの思想はなくならない。ジェダイを知る人々は、彼らの帰還を信じ続ける。

 

それに、脅威になるのは子供だけじゃない。

 

 

「アニー、あんたも脅威なの。」

「僕が?」

「選ばれし者だから、シディアス卿は暗黒面に誘うの。アナキンが暗黒面に堕ちれば、シスの支配の足掛かりになる。主は強い弟子を欲しがってるから。」

「………」

「現に、私がアナキンを壊そうとした。」

 

 

私はシスの脅威として、アナキンを殺そうとした。そうすることで、シスが強くなると思ってたから。対するシディアス卿は、アナキンを取り込もうとしている。シスの力にする為に。

 

 

「それで、ネルの話は……?」

「議長の誘いに乗らないで。」

「君はどうするんだ?」

「私が……主に永久の忠誠を誓う。ルシル卿として。」

「何だって!?」

 

 

アナキンは肩を掴んできて、声を荒げる。

 

 

「いつもの君に戻ったのに、わざわざシスに戻る必要はないだろ!」

「じゃあどうするの!?誰かが見張らないと!アナキンはパドメと子供を守る使命があるでしょ!」

「僕が暗黒面に堕ちれば解決するんだろ!?だったら、」

「馬鹿言わないでよ!」

 

 

そう言い返すと、アナキンは私を突き飛ばす。

 

突然の出来事に、私は友達を見上げる。彼の表情からは、考えが読めなかった。感情を読もうとしても、分からなかった。

 

 

「アニー………?」

「ネル、君はこれ以上罪を重ねるな。」

「待って、」

「出会った頃と同じ関係に戻れたのに、またいなくならないでくれ。」

 

 

読めなかった感情が、やっと感じ取れた。

 

ぐちゃぐちゃだったアナキンの心は、悲しみに満たされた。懇願するような、切望するような、そんな表情で、私を見下ろす。彼の視線が、酷く痛い。

 

 

「嫌だよ……」

「ネル!」

「やっと友達が大事だって分かったんだよ!馬鹿な真似しないでよ!!」

「馬鹿やってんのは君だ!暗黒面から離れるんだ!」

「………聞けない。」

 

 

どちらも譲らない。アナキンが簡単に折れないのは分かってる。私も折れる気はない。

 

私達が出した結論は、決別。

 

 

「聞いてくれないなら、強行手段を取らせてもらう。」

「へぇ、どうするの?」

 

 

立ち上がって聞いてやれば、アナキンはライトセーバーを起動させる。

 

半殺しにしてでも私を押さえる気か。

 

 

「私があんたに勝てないと知ってて、一方的に押さえる気?」

「いいや、違う。」

「じゃあ何?ただの脅し?」

「脅しかどうかはすぐに分かるさ。君には大人しくしててもらう。」

 

 

その時、外が騒がしくなった。

 

外の気配は、クローンのものだ。たくさんの足音が聴こえる。しかも、こちらに向かってきている。

 

 

「僕が戦う。君は手を出すな。」

「アナキン、」

 

 

次の瞬間、私はフォース・プッシュされた。

 

シャトルから放り出され、私は格納庫の床に倒れる。ハッチを見ると、アナキンがライトセーバーを持って駆け降りてきていた。

 

 

「捕らえろ!こいつの狙いは議長だ!」

「違う!」

 

 

間違いではない。でも、そんなに大っぴらに言ったりしない。アナキンの嘘だ。

 

 

「将軍!お怪我は!?」

「僕は大丈夫だ。拘束しておけ。」

「イエッサー!」

「待って!お願い!アナキン!!!」

 

 

目隠しと、手錠を後ろ手にかけられ、私はトルーパーに連行されていく。

 

必死にアナキンを呼ぶけど、誰も聞いてはくれず、引き摺られていった。

 

彼は1人でシディアス卿を倒すつもりだ。あえて暗黒面の誘いに乗り、全て終わらせる気でいる。このままでは、パドメの身も危うい。

 

何より、アナキンが死ぬかもしれない。

 

私は何を間違えたんだろう。

 

アナキンに話すんじゃなかった。

 

 






力入れすぎて長くなりそうwww
ごめんなさいwww
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。