【完結】理想主義者(笑)の自由奔放記   作:夭嘉

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密航者の憂鬱

脱出ポッドが首都シードの近くに落ちて、私は中から這い出る。フォースを通して近辺を探るけど、マスター達の気配はなかった。バトル・ドロイドが来る様子もない。

 

………チャンス?

 

よっし!遊びに行こう!

 

 

「あれ?」

 

 

母船からバトル・ドロイドが降りてきたらしく、そこかしこにうじゃうじゃいる。

 

町に行こうにも、これでは遊べない。

 

人が少ない道を進んで、私は首都を出ようと町を練り歩く。でも首都は既に封鎖されていて、脱出は無理だった。せっかく通商連合の船から逃げ出したのに、意味がない。

 

 

「……て……け!」

 

 

話し声が聞こえて、宮殿を覗くとバトル・ドロイドが高貴な人達を連行していた。中心にいるのは、アミダラ女王。女王陛下の後ろには、侍女達が付き従っている。

 

ニモーディアンの総督らしき男が指示して、女王陛下御一行はドロイドに連れられて離れていく。

 

その後を追って、私は静かに様子を見る。

 

 

「っ!」

 

 

その時、マスター・クワイ=ガンとオビ=ワンが現れて、女王達の周りのドロイドを倒した。

 

一通り倒した後、2人は女王陛下に状況を説明する。特使とやらはなかったことになって、これからコルサントへ向かうという。共和国の助けを借りるつもりみたいだ。

 

私ももう少ししたら、通商連合のシャトルを盗んで帰ろっと。

 

 

「誰だ!?」

 

 

オビ=ワンが私の気配に気付いて、女王陛下の護衛達が私のいる物陰にブラスターを撃ってくる。

 

 

「ちょ……ストップストップ!私です!エレノアです!」

「ネル!?」

「エレノア、無事だったか。」

 

 

物陰からマスターの前に出ると、溜め息を吐かれる。

 

 

「今まで何をやっていた?」

「何って、脱出手段を探してました。」

「嘘ではないらしい。」

 

 

うん、嘘じゃないよ?逃げようとしてたからね。あ、でも私一人で逃げようとしてたけど。

 

 

「はじめまして、女王陛下。エレノア・クラウドです。」

「貴女もジェダイですか?」

「はい。彼、オビ=ワンと同じパダワンですけど。」

 

 

女王陛下はジェダイのことを少し知っているみたいだ。私がパダワンだと聞いて、納得したような顔をされた。未熟だと思われたかもしれないけど、私自身もよく理解している。

 

 

「急ぎましょう、陛下。エレノア、私とオビ=ワンがドロイドの相手をする。お前は陛下をお守りしろ。」

「え!?私はたまたま合流しただけで……」

「密航者のお前に選択権はない。黙って従え。」

「はぁい。」

 

 

辺りを警戒しながら、私達は宮殿のメイン・ハンガーを目指す。

 

メイン・ハンガーには思った通り、バトル・ドロイドがいた。アミダラ女王を陰に隠し、私はライトセーバーを取り出す。その所作を見たオビ=ワンは、顔を青くさせる。

 

 

「何をする気だ!?」

「何って、ドロイドを一掃する。」

「よせっ!!!」

 

 

一人メイン・ハンガーに飛び込み、レーザー弾を防ぎながら辺りのバトル・ドロイドを倒していく。後から現れるドロイドもフォースで押し飛ばして、船から遠ざける。背後を垣間見ると、マスター達は女王陛下を連れて船に乗り込んでいた。

 

 

「ネル!」

 

 

オビ=ワンの掛け声に、私も船に乗り込む。

 

ハッチが閉まり、ヌビアンタイプの船はすぐに大気圏を抜けた。

 

 

「攻撃されてない?」

「ネル、少し静かにしてくれないか?」

 

 

オビ=ワンに睨まれて、仕方なく黙る。

 

ヌビアン・スターシップは攻撃を受け続け、懸念した通りハイパードライブとシールド発生装置を損傷してしまう。アストロ・ドロイドが出動して、私達は船内で焦るしかなかった。

 

しばらくして、青いRユニットのドロイドが配線を繋げ直し、シールドは何とか再起動した。

 

ナブーの封鎖を抜けた後、マスターは修理の為にどこに行くか考え始める。

 

 

「エレノア」

「はい、マスター。」

「お前ならどの星を選ぶ?」

 

 

私に振りますか。

 

 

「そうですねぇ、通商連合がいなさそうな、無法地帯の方が良いんじゃないですか?」

「それなら良い星がある。惑星タトゥイーン。」

「却下。」

「ネル、お前の望み通りだろう?」

「暑い星嫌い。」

 

 

そんな私のワガママは無視され、女王陛下の了承の下、タトゥイーンに寄ることになった。

 

船は一番近い星のタトゥイーンに到着し、着陸する。待機しようとしていると、なぜかマスターに同行を強制された。同行するのは、グンガンのジャー・ジャーとR2-D2。それと、女王陛下の侍女様。

 

 

「ネル、くれぐれも問題を起こすなよ?」

「私が問題児みたいに言わないでくれる?」

「間違いじゃないだろう。行くぞ、エレノア。」

「はい、マスター。」

 

 

訝しげな表情のオビ=ワンに見送られ、私はマスターの後ろに続く。

 

砂の中を歩く中、侍女様に話しかけられた。

 

 

「一つ聞いていい?」

「何でしょうか?」

「“ネル”って愛称のこと?」

「はい、そうです。私とオビ=ワンは関わることが多くて、いつの間にか愛称で呼ばれていました。」

 

 

侍女様に、苦笑いされた。

 

 

「パドメよ。私もネルと呼んでもいい?」

「いいですよ。よろしくお願いします。」

「オビ=ワンと仲が良いのね。」

 

 

正確には、問題を起こしてオビ=ワンを巻き込みすぎただけだ。

 

その度に、マスター・フィストーとマスター・クワイ=ガン、2人のジェダイ・マスターに説教を食らっている。オビ=ワンを巻き込んだはずなのに、怒られるのはいつも私だけなんだよね。なんでバレるんだろ。

 

本当に解せない。

 

えーっと、どうやって抜け出そうかなぁ。

 

 

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