事態は、私の知らないところで進んでいた。
フォースを通して、あらゆるものが見えた。反乱軍とパドメ達亡霊、帝国軍、そして尋問官。戦いが始まる。
反乱軍はパドメの依頼で、私を探している。
私が黙っていることはできない。
「おい!そこを、あああああああっ…!!」
「やめろ、うわあああっ!!」」
フォース・ドレインを使って現れたパージ・トルーパーを、生命エネルギーを奪って殺す。パージ・トルーパーの死体を踏み越え、私は部屋を出る。廊下にも同じようにパージ・トルーパーがいるけど、この雑兵も同じように殺した。
「───────」
呪文を唱え、シスの秘術で生命エネルギーから緑色の炎を作り出す。エントランスに入ってすぐ両手を前に突き出し、屋敷のドアを炎でぶち破った。屋敷を出ると、大勢のトルーパーが私に銃口を向ける。
それがおかしくて、私はつい鼻で笑ってしまった。
将校が前に出てきて、声を張り上げる。
「エレノア・クラウド!大人しく投降しろ!」
「それより、逃げた方がいいと思うよ?」
「帝国との取り決めを忘れたか!?」
「取り決めは無効になった。ほら、早く逃げないと死ぬよ?」
トルーパーはブラスターを撃ちながらも、前に踏み出した私に後退し続ける。これでも避けてはいるが、所々にレーザー弾が当たる。四肢に当たるレーザー弾はお構いなしに、口に笑みを浮かべて歩き続けた。
フォース・ドレインを使い、目の前のトルーパー達の生命エネルギーを吸い上げる。
あえて将校は残して、私は彼の前で立ち止まった。
「ひぃ……!」
腰を抜かした将校は、尻餅をつく。
「“私のライトセーバー”を返せ。」
「あ、あれは、」
「返して。」
「あっ、ぐっ……!」
将校に手の平を向け、気道を絞める。殺されることを悟ったのか、将校は懐から私のライトセーバーを取り出す。だけど、私は手を下ろさなかった。
そのままフォース・チョークをして、将校を絞め殺した。
「許す気は毛頭ないから。」
将校の死体に向けて、そう吐き捨てる。
ライトセーバーを拾い、帝国軍の兵員シャトルに乗り込む。エンジンを立ち上げて、すぐ軌道上へと出た。座標を入力して、私はレバーを押す。
ハイパースペースへ入り、私は操縦席の背もたれに倒れ込んだ。
「疲れた……」
シスになったしっぺ返しが、目の前に迫っている。
オビ=ワンやフィストーが言った破滅という言葉を、今になって思い知らされた。このままでは、パドメが狙われる。反乱軍と接触したパドメも、アミダラ議員の代わりのサーベも、帝国に殺される。
もう私が黙っている意味はない。
時が来た。
“エレノア・クラウド”は、過去の清算をする時だ。
────────
その頃、反乱軍ではアソーカを筆頭に、惑星ネヴァロへ潜入しようとしていた。
ネヴァロは帝国軍の支配が強く、警備も多かった。アソーカはそのネヴァロでエレノアの目撃情報を得て、何人かの少数チームで捜索を始めた。そのチームにはパドメもいて、ミスマッチが生体センサーをパスして情報を探っていた。
「亡霊の要はドロイドか。」
「道理でセンサーに反応しないはずね。」
ケイナンとサビーヌが、感嘆の声を上げる。
「おい、まずいぞ。」
「どうした?」
ゼブの声に、ケイナンが帝国軍のプラットフォームを見る。
そこには、尋問官とパージ・トルーパー、将校が1人いた。警備が厳重というのは間違いではなく、ネヴァロは確かに警備が多かった。
そこで、ケイナンがあることに気付く。
尋問官がマスクを外して、その素顔に驚いた。
「どうしたの?」
「………あの尋問官を知っている。」
「え……?」
ヘラの問いに、ケイナンは静かに答える。
その尋問官の素性は、ジェダイなら知らないはずがなかった。
「フェラス・オリン。何者かに襲われて、廃人になったジェダイよ。」
「彼、元気そうだけど?」
エズラの茶化しに、アソーカは深刻そうに答える。
「ええ、そうね……本当に彼なのかしら……?」
「確かめましょう。」
パドメの言葉に、アソーカが頷く。
アソーカはパドメとケイナンを連れて、プラットフォームに近付く。ヘラ達はもしもの為に、遠くから警戒をしていた。そして、アソーカ達はプラットフォームのゲートの陰に身を潜め、会話を盗み聞く。
まず耳に入ってきたのは、オリンの怒りの声だった。
「大佐、お前がいながらクラウドを捕らえられなかったのか?」
「申し訳ございません…!しかし、被害は甚大で、」
「トルーパーの替えなどいくらでもいる。これはお前の責任だ。死を以って償え。」
「お、お許しを、っ!?」
オリンは大佐の首を刎ねて殺す。その所作に、パドメは思わず口を手で押さえた。アソーカとケイナンはオリンの現状に、言葉を詰まらせる。
今のオリンに、ジェダイの名残りは微塵もなかった。
「コマンダー、今後は俺の指示に従え。」
「イエッサー!」
「全プラットフォームを封鎖しろ。」
オリンの指示で、トルーパーは散開する。
その時、ケイナンの頭上に偵察ドロイドが現れた。アソーカが破壊するが時既に遅く、オリンはアソーカ達に気付く。彼は回転式ライトセーバーを投げ、それをケイナンが防いだ。
ライトセーバーをキャッチしたオリンは、アソーカとケイナンを睨み付ける。
「よくも平然と来られたものだな。」
「フェラス、本当に貴方なの?」
「ああ。俺はフェラス・オリンだ。だが、今はセカンド・ブラザーを名乗っている。つまり、お前達の敵だ。」
「あんたは心を病み、廃人となったはずだ!」
「そうだ。俺は空っぽだった。」
話している間にも、トルーパーがケイナン達を囲む。
「俺はクラウドに全てを壊された。それを、皇帝陛下が救ってくれたんだ。」
「救っただと?皇帝はあんたを利用しているだけだ!」
「それはお前達の解釈だ。俺は皇帝陛下のものだ。皇帝は反乱軍を潰したがっている。だからここで、お前達を潰す。」
ケイナンとアソーカはライトセーバーを構え、パドメはブラスターを構えた。
オリンはマスクをしているパドメに、素性を問う。
「お前は誰だ?」
「何者でもないわ。私はただの亡霊よ。」
「なら、排除しても問題はないな。」
トルーパーはブラスターを撃ち、ケイナンとアソーカがレーザー弾を偏向させる。パドメは2人の後ろからブラスターを撃ち、トルーパーを倒していく。上からはミスマッチ達ドロイドがジェットパックで降りてきて、トルーパーを撃ち倒していった。
オリンはトルーパーやパドメ達には構わず、ケイナンとアソーカを相手取る。
「っ!!」
「暗黒面に呑まれたのね。」
「俺は自ら選んだんだ。」
「そう仕向けられただけだ!」
「違うと言っているだろ!!」
強烈なフォース・プッシュを受け、ケイナンは吹っ飛ばされた。アソーカは辛うじて受け身を取り、オリンを睨む。オリンはケイナンに殺意を向け、真っ直ぐプラズマの刃を突く。
「ジェダイとしても未熟な奴にやられるか!!」
「ケイナン!!」
ケイナンは、腕を斬り落とされると覚悟した。
しかし、一発のレーザー弾がオリンを止めた。レーザー弾はオリンの右肩を貫き、彼は呻き声を上げて剣筋を逸らせる。その場の全員が、弾が飛んできた方を見る。
「次は撃ち殺す。」
ブラスター・ライフルを持ったエレノアが、そう言い放つ。
彼女の口元には、笑みが浮かんでいた。
エレノアは、楽しげにオリンに狙いを定めた。