何日かゴーストで過ごした後、〈リベレーター〉が合流した。
そこで話し合われたのは、更なる仲間だった。今の反乱軍に欠けているのは、軍事知識だ。気持ちだけでは、反乱は為し得られない。
アソーカの紹介で、クローン戦争の猛者をゴーストが迎えに行くことになり、アソーカと私は別件で〈リベレーター〉に残った。
「エレノア、コマンダー・サトーよ。」
「よろしく。」
「君のことは聞いている。悪名高い、ルシル卿だと。」
「………」
どこに行っても、ダース・ルシルが付き纏う。
名前は呪縛だと、プロ・クーンが言っていた。シスの名は、更に自分を縛る。今になって、ジェダイ・マスターの戯言が分かってきた。
いや、戯言じゃない。忠告だ。
私は忠告を無視してきたんだ。
「本題に入っていいかしら?」
「うん。」
「彼がドゥークー伯爵よ。」
そう、別件とはドゥークー伯爵のことだ。ドゥークー伯爵と私を反乱軍に置くことともう1つ、また別件がある。まず、ドゥークー伯爵と私についての話だ。
「今はティラナスと名乗っている。」
「ええ、分かっているわ。コマンダー、尋問官とシスの暗黒卿は私達で対処します。良いですね?」
「ああ、助かるよ。」
今後、私とアソーカ、ティラナスは反乱軍とは別で行動することが多くなる。今回はその話し合いだった。ドゥークー伯爵と私は印象が良くないから、一緒にいない方が反乱軍も安心できるだろう。
それから私達はブリッジを後にして、個室に入った。
アソーカに、アナキンの話をしなければならない。
「ルシル、良いのか?」
「いい。覚悟は決めた。」
「何の話?」
アソーカの問いに、私は慎重に言葉を選ぶ。
「ティラナスから聞いたよ。あんた達が戦ったTIEファイターのパイロットのこと。その正体に、薄々気付いてるんじゃない?」
「あれは、シスの暗黒卿だったわ。貴女は何を知っているの?」
「その暗黒卿が誰なのか知ってる。アソーカもよく知る人だよ。」
「アナキン……?」
私は黙って頷く。アソーカは疑うように、ティラナスを見上げる。だけど、ティラナスは肯定する。
私達の反応を見て、アソーカは悲しそうな顔をする。
「何か理由があるのよね……?」
「今から話すことは、誰にも言わないで。」
アソーカに、パドメにした話と同じ話をする。
彼女も、パドメと同じように聞いてくれた。そして、これからすべきことも話した。誰にも知られてはいけない。
「エレノア、貴女は……」
「私は復讐の為だけに生きてきた。アナキンを連れ戻す為にね。アナキンに拒まれても、私は諦めない。」
「復讐からは何も生まれないわ。」
「アソーカがジェダイだから言えるんだよ。」
「私はジェダイ・オーダーを去ったのよ。ジェダイじゃないわ。」
「でも、あんたは善人だよ。」
私とは違う。私は悪人で、ティラナスも悪人だ。友達以外、助けたいと思わないから。
「アソーカ、よく聞いて。今の話でアナキンを助けたいのは分かる。すぐに教えなかったのも、アナキンの望みなの。あんたが危ない橋を渡るのは分かりきっているから。」
「“マスター”は、私のことなんてお見通しなのね……」
「そうとも言えない。師の性は、弟子が受け継ぐこともある。アナキンはあんたが怒ると思っていた。アナキンも怒りを抱えていたからね。」
良い意味で期待が外れたけど、問題は解決していない。
アソーカに手を出されては困る。
「お願い、まだ何もしないで。」
「エレノア………」
静かに、答えを待つ。
そして、アソーカはゆっくり口を開く。
「………分かったわ。」
「ありがとう。」
「でも、二度とアミダラ議員を悲しませないで。これだけは守って。」
「“アナキン・スカイウォーカー”の名にかけて誓うよ。」
そう言うと、アソーカとティラナスは少し驚いた表情をする。それからアソーカは吹き出して、ティラナスは嘲笑してくる。
「なんでよ!?」
「アナキンが嫌がりそう。」
「スカイウォーカーも良い迷惑だな。」
「ティラナス!馬鹿にしてる!?」
「いや、だがお前らしい。」
ティラナスの腹を軽くパンチした後、3人で個室を後にする。
まずは、目先の問題を解決しよう。
フェラス・オリンが、尋問官として私を追っている。彼も本調子に戻った頃だろう。すぐに私を探し出して追ってくるはずだ。
「フェラスが追ってくる。あの男は私が相手する。絶対に戦わないで。」
「エレノア、彼に何をしたの?」
「どうして?」
「フェラスとは同期のはずでしょ?なぜ恨まれているの?」
ティラナスを見れば、呆れたような視線を向けられた。
「ルシル、トドメを刺さなかったな?」
「だって精神は壊れたんだし、問題ないと思ったんだよ。」
「貴方はエレノアが何をしたのか知っているの?」
「知っている。此奴はオリンを襲い、プライドを手酷く切り裂いた。」
ティラナスの言う通り、私はオリンを襲った。だけど、あれは私の本性がバレそうだったから仕方なく、だ。最後に愉しんだのは否定しないけど。
後始末をサボったツケだ。
「そういうわけだから、後は任せて。」
「助けが必要なら言って。」
「分かった。」
「絶対よ。」
「もちろん。」
アソーカは念を押して、ブリッジへ戻っていく。
さて、私はオモチャの後片付けをしなきゃ。