少し寝ていると、ヘラに起こされた。
ケイナン達はロザルで、エズラの両親の手掛かりを探していたらしい。ブリッジャー家を知る元総督と会い、エズラは両親の死を知ったそうだ。
私は親を知らないけど、堪え難い喪失だっただろう。
それから、オーガナ議員はガレルでの損失を受けて、オーガナの遣いの者が船を3隻送ってくれることになった。
「それで、私に同行しろと?」
「ええ。遣いの者が、アミダラ議員に会いたいそうよ。護衛には丁度良いでしょう?」
エズラ達を迎えに行くついでに、ロザルで船を受け取るらしい。
私はその同行を頼まれた。
「パドメを知ってる人?誰?ネイベリー家の人?」
「私は分からないわ。とにかく、同行して頂戴。」
渋々個室を出て、私はパドメとミスマッチを連れてゴーストに移る。
久しぶりに会うミスマッチ達に、私はグレイのボディーに頬をスリスリする。その様子に、サビーヌがドン引きしているのはお約束だ。“私の”可愛いドロイドに会えたんだから仕方ない。
「エレノア様ぁ!」
「エピぃ!」
可愛すぎるB1バトル・ドロイドのハグに、ハグを返してしまう。
「何あれ……」
「あれがいつものネルよ。」
パドメが微笑ましく見ているのはスルーしたい。
ロザルに着き、ミスマッチは砲台に座らせて帝国軍に撃ちまくる。ゴーストは着陸して、ハッチからゼブとサビーヌが変装するケイナン達を援護する。
いやー、ミスマッチの射撃精度が相変わらずで笑っちゃうわ。
私はと言えば、
「エレノア、真面目にやってくれる?」
「やってるやってる!」
ハッチの手前で伏せて、ブラスター・ライフルでトルーパーを狙い撃っている。最初はふざけて違うところを狙っていたけど、今はちゃんと頭を狙っている。1人ずつ確実に倒していく。
粗方倒したところで、サビーヌがエズラから何かの合図を受けた。
その合図の後、ロザルの元総督が少女を連れてきて、続いてケイナンとエズラが走ってくる。ゼブは演技で2人を殴り倒し、ゴーストは撤退した。
その傍らでは、パドメが少女と抱き締め合っていた。
「どういうことだ?」
ゼブが声を上げると、2人は離れる。
「初めまして。私はレイア・オーガナです。養父のベイル・オーガナの遣いとして来ました。」
「それは分かってるわよ。アミダラ議員とどういう関係なの?」
「私の娘です。」
パドメの告白に、一同は驚く。
驚くのも無理はない。アミダラ議員の子供は死産で死んだとされたのだから。知っているのはアナキンと私、パドメ、サーベだけだ。
まさか、子供達が事実を知っているとは思わなかったけど。
「パドメ………」
「ごめんなさい。でも、子供達にも知る権利はあるわ。」
「じゃあ、ルークも知ってるってことだよね?」
「………ええ。」
「マジか………」
頭を抱えて、一人格納庫に降りる。
キャパオーバーしそうだ。せっかく隠し通してきたのに、話してしまうなんてあり得ない。子供が生きていると皇帝に知られたら、準備が水の泡だ。
「ネル、本当にごめんなさい。」
パドメが降りてきて、何度も謝罪してくる。
「いいよ。ただ、子供達にも身を守る術を教えないと……それに情報を隠さないと……」
「ええ、分かっているわ。大丈夫よ、エズラ達は秘密を守ってくれる。あとは貴女よ。」
「私?」
「ええ。アソーカとジェダイ寺院に行くんでしょう?」
「何それ、聞いてない。」
恐らく、ティラナスの指示だ。死んだ後まで指示を残すなんて、狡猾すぎる。私の意思は無視されている。
「2人共、先にエズラ達を降ろすから作戦を聞いて。」
「イエッサー」
パドメの話は後で詳しく聞くことにして、私はヘラの指示を聞く。
そして、ファントムで先に降りたエズラ達から合流サインを受け、ゴーストは空中支援する。
コム・リンクを使いなかがら、私も砲台に着いた。
『エレノア、手を貸せ。』
「貸してください、でしょ?」
『いいから手伝え!!』
音割れしたケイナンの声に、仕方なく了承する。
砲台から降りて、私はまた格納庫に降りる。下はウォーカー、AT-ATが2機ある。ウォーカーを何とかしなければ、船は簡単に発てない。
コム・リンクでパドメに連絡して、格納庫に来てもらった。
風の音に負けないように、私は声を張り上げる。
「私が降りたら、ハッチ閉めて!」
「降りるって、ネル!!!」
助走を付けて飛び降り、赤いライトセーバーを起動する。そのままウォーカーの上に乗り、青いライトセーバーも起動させて、落下の勢いで身体を捻って脚を切った。
私が着地したと同時に、ウォーカーもバランスを崩して倒れた。
「こっちだ!」
「はいはい、分かったよ。」
コルベットに乗り込み、ケイナンと航行システムを立ち上げる。
2隻目が発ち、私はコックピットのベンチに寝そべる。
「何をしているんだ!」
「何って、寝るの。離脱したら暇でしょ?」
ケイナンを放置して、私は目を閉じる。
だけど、なぜか叩き起こされた。
「エレノア、今は俺と2人だけだ。話がしたい。」
「何?」
「何か怒っているんだろう?」
「怒っていないとでも?」
私が怒っているのは、ジェダイ寺院の件だ。
私抜きで、勝手に決められた。ジェダイ評議会と同じことを、ケイナン達はした。私の意見なんてお構い無しだ。
「あんた抜きで決めたのは悪かった。だが、ティラナスは必要だと判断したんだ。あんたが嫌がるのは分かるが、」
「何が分かるの!?あんたは何も分かってない!」
ジェダイ寺院は、私にとって危険だ。私はジェダイを裏切ったから。ティラナスだって、よく分かっていたはずだ。
「私はジェダイじゃないんだよ!寧ろ敵だったの!今の私が寺院に入れば、無事じゃ済まされないんだよ!」
「どうせ怖いんだろう?」
「そうだよ怖いよ!自ら危険に飛び込む馬鹿がどこにいるわけ!?」
「だが、克服しなければならないものだ。」
ケイナンの言葉に口を閉じる。
克服しなければならないのは分かっている。私はどこかでけじめをつけなきゃいけない。そう思ってるのに、恐怖の方が勝っている。
「聞いてくれ。エズラが暗黒面に誘惑されているんだ。」
「………」
「エズラを失いたくない。」
「………分かった。」
エズラを守る前に、私が克服しなきゃ。
“主”に復讐する為に。
………もっと力が欲しい。