【完結】理想主義者(笑)の自由奔放記   作:夭嘉

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愛と殺意は紙一重

ヴェイダーとライトセーバーをぶつけ合い、私は更に暗黒面に身を委ねる。

 

クローン戦争の時のような、心地良い闇が私を包む。

 

そこへエズラが割って入ってきて、私をフォース・プッシュする。私は受け身を取り、思わずエズラを睨む。だけど、目に映ったのは血の気が引くようなものだった。

 

 

「エズラ!下がって!」

「嫌だ!!」

 

 

エズラがヴェイダーに立ち向かい、ライトセーバーを振るう。

 

ところが、エズラがヴェイダーに敵うわけがなく、ライトセーバーを壊されていた。私は2人の間に入り、ライトセーバーを振り下ろそうとするヴェイダーの刃を受け止める。

 

昔はこれが重かったのに、今は何とも思わなかった。

 

 

「ネル、暗黒面に呑まれるな。」

「呑まれる?どこが?私はいつも通りだよ!」

 

 

ヴェイダーをフォース・プッシュして、私はオベリスクに手を伸ばす。

 

シスを倒す為に、力が必要だ。

 

 

「エレノア!危ない!」

「っ!!」

 

 

咄嗟にヴェイダーのライトセーバーでを防ぎ、私は息を深く呼吸する。

 

私だけではなく、ヴェイダーも事実を捻じ曲げている。確かに私は暗黒面に魅せられているかもしれない。でも、呑まれているのは私だけじゃない。

 

“アナキン・スカイウォーカー”も、暗黒面から抜け出せなくなっている。

 

フォース・ライトニングでヴェイダーを吹っ飛ばし、牽制する。

 

 

「ヴェイダー、私は暗黒面に長くいたから分かる。あんたも自分を見失いかけてる。パドメが見たら何て言うだろうね。」

「その言葉、そっくりそのまま返してやる。」

「2人共、お互い様という言葉を知らないのかしら?」

 

 

声の主を探すと、アソーカとフェラスがいた。

 

2人は悲しげな表情をしている。だけど、ここで引くわけにはいかない。私が力を手にしなければ、皇帝に力を与えることになる。

 

 

「それ以上近付いたら、命の保証はないよ。」

 

 

そう警告するも、フェラスが近付いてくる。

 

 

「構わねぇさ。だが、お前も覚悟しろ。俺はそれ相応の覚悟を決めている。」

「下僕が偉そうに……」

 

 

更に近付くフェラスに、私はライトセーバーを突き付ける。あと一歩進めば、フェラスの心臓はプラズマの刃に貫かれる。それでも、彼は真っ直ぐ私を見る。

 

 

「ネル、ライトセーバーを下ろせ。」

 

 

“アナキン”はライトセーバーを収めて、私にも引くように促す。

 

ホロクロンは未だオベリスクにあり、力を望む者を欲している。このまま放置すれば、寺院は崩壊する。それも力を残したまま、崩壊することになる。

 

 

「………嫌だね。」

「ネル!やめろ!!」

 

 

アナキンの制止を無視して、私はオベリスクの力に手を伸ばした。

 

この際、誰が敵か味方かなんてどうでもいい。邪魔なものは消してしまおう。そうすれば、何も考えずに済む。

 

オベリスクは赤い稲妻と閃光を放ち、生命を滅ぼす力が甦った。

 

エズラはケイナンが離れさせ、アソーカはアナキンが後退させていた。

 

フェラスだけが、私から離れなかった。

 

 

「………私から離れないと死ぬよ。」

「俺を殺すのか?」

「殺す。」

「なら殺してみろ。」

 

 

寺院の力を使い、私はフェラスを殺そうとする。

 

このまま私の近くにいれば、寺院のあちこちにある死体のようになる。肉体は石化し、風化を待つだけの石となる。死体と呼べるかすら分からない。

 

 

「エレノア」

 

 

超兵器を使おうとした時、フェラスが初めて私の名前を呼んだ。下僕になってから、私の名前は一度も呼んだことがないのに。しかもファーストネームで私を呼ぶなんて、あり得ないことだ。

 

動揺した瞬間、フェラスは私の口を塞いだ。

 

キスされたと分かって、反射的に突き飛ばしてしまう。

 

 

「なんで……?」

「今のが俺の覚悟だ。」

「私が憎いんじゃなかったの……?」

「お前を理解しようとしたら、こうなっただけだ。」

「ふざけないでよ!私を理解する?何も知らないくせに!!」

 

 

フェラスなんかに理解されてたまるか。

 

私を理解するだなんて、無理に決まっている。私はいつだって自分の為にしか行動しなかった。そんな私が、誰かに愛されるわけがないんだ。

 

 

「エレノア、力を手放せ。まだ間に合う。」

「もう遅いよ……」

「諦めるな。」

「無理だってば!」

 

 

シス・ホロクロンを外したところで、シスの超兵器は止められない。強引に外せば、寺院は崩れる。それなら私が使うしかない。

 

 

「エレノア!!」

 

 

振り向くと、アナキンがライトセーバーを振り被っていた。アソーカの悲鳴に、私は咄嗟にライトセーバーを起動する。振り下ろされた刃を防ぎ、私はシスの秘術を使う。

 

 

「アナキン、許してとは言わない。だけど、意地でもあんたに戻ってもらうよ。」

「何をする気だ?」

「寝てもらう。パドメに謝ってくれる?私は戻れないから、あんたが戻って。」

 

 

シスの言葉を吐き、アナキンの意識を強引に奪った。

 

 

「エレノア……」

「アソーカ、アナキンをお願い。」

「ダメよ。エレノア、」

「オベリスクを開いたのは私。終わらせるのも、私の責任だよ。シス・ホロクロンも、持っていって。」

 

 

アナキンをシスに変えたのは私だ。だから、彼の命だけでも助けたい。私がアナキンを拒んだせいで、彼は暗黒面に呑まれたんだ。

 

フェラスが変わったのも、私のせいだ。

 

私、何をやってるんだろう……

 

 

「おい!何を、」

「ごめんね、フェラス。」

 

 

フェラスに謝ったのは初めてだった。今度は私からフェラスにキスをして、アナキンを引き摺ってファントムに放り込む。

 

エズラは血相を変えて、背を向ける私を引き止めた。

 

 

「みんなで帰らないと、」

「やめて。早く行って。」

「アソーカ!エレノアを止めてよ!」

「エズラ、誰にもダース・ルシルは止められないわ。」

「そんな……ダメだ!エレノア!」

「待て!エレノア!!」

 

 

アソーカに目で行くように促し、私はファントムから降りる。エズラの呼び止めに唇を噛んで、心の奥に残っていた良心に蓋をした。

 

オベリスクに残ったシスの権化が、私を嘲笑う。

 

 

「《愚か者め、一度起動すれば止められはしない。》」

「分かってる。だから、私が受け止める。」

「《その身で超兵器の力を受けるつもりか?お前は死ぬことになるのだぞ。》」

「シスは死を怖れない。あんた、本当にシスの権化?」

「《化け物め。》」

「化け物で結構。」

 

 

寺院の力に集中して、私はオベリスクに近付く。

 

その時、肩を叩かれる。

 

 

「アソーカ!?」

 

 

まさかアソーカが残るなんて思わず、私は彼女に怒鳴る。

 

 

「なんで逃げないの!?」

「今度は置いて行かないわ。」

「どうして!?これは私が、」

「いいえ、貴女1人で寺院は止められない。私も手を貸すわ。」

 

 

アソーカは、意志を変える気はないらしい。

 

私はオベリスクのオールド・タングを読み、力を封印した。

 

本当はアソーカに逃げてほしかったのに、どうしてなのか涙が出る。泣いている私をアソーカが抱き締めてきて、私も彼女を抱き返した。

 

そして、寺院の崩壊が始まった。

 

 

「私はただ守りたかっただけなの……」

「ええ、知っているわ。」

 

 

アソーカは、寂しそうな表情でそう返した。

 

封印の反動でオベリスクが崩れて、柱にもヒビが入る。ヒビは大きな亀裂になり、その亀裂は建物の重さに耐えられず、自重で崩れていく。最後は、オベリスクが衝撃波を放つだろう。

 

もうすぐ、その衝撃波が来る。

 

私も無事じゃ済まない。

 

あれだけ集めた生命エネルギーも役に立たない。シスの秘術も、無意味。必要なのは、正気を保つことだけ。

 

それから、死を目前にしてやっと分かったことがある。

 

私はフェラスを────────

 

 





えっと、うん、叩かないでください()
想像したらこうなりましたw
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